ブルース・カフェ通信 VOL. 3(最終回)

ブルース・カフェ閉店

陶守正寛


突然のようだが、ブルース・カフェが96年の9月をもって閉店となってしまった。ぶるぎんにもこのようなコラムを設けて参加してもらっていたこともあり、とても残念。開店したのが95年の9月というから、わずか1年で店をたたんでしまったことになる。そこで、今回このブルース・カフェの長谷川良樹さんに代わって、私陶守@ぶるぎんがレポートさせてもらいます。

いつもぶるぎんがお世話になっていながら、実は僕も現地には一度も足を運んだことがなかったので、去る9月21日遊びに行ってきた。桜木町駅からバスで10分ほどで到着。ブルースカフェのまわりは、セガのアミューズメント・パーク、ジョイポリスだ。

入り口で、長谷川さんが丁寧に出迎えてくれた。長谷川さんは37歳のもの静かな感じの人。特にブルースにハマッているわけではなく、テン・イヤーズ・アフターなどのロックが大好きだと言う。日本のブルース・ミュージシャン達との親交も深いらしい。

開演まで長谷川さんと話しながら過ごした。それにしてもこのハコ、こんなに立派なものだとは思わなかった。テーブルがキチンと並んだ小奇麗な店内は、ライブ・ハウスというよりはおしゃれなレストランだ。それに料理はあの聘珍楼が入っているので本格派中華。僕はここについたとき、結構腹は一杯だったはずなのだが、ちょっと点心を頼んでみたらあまりにウマいのでついつい沢山食ってしまった。

二階にもテーブルが沢山設けてあるなど、広くゆったりとした店内。2階への階段を上がり切ったところの窓からは、横浜ベイ・ブリッジが見渡せる。ここには、このブルース・カフェで倒れたジョニー・ギター・ワトソンの遺影が花と一緒に飾ってあった。長谷川さんによれば、ジョニーはリハーサルのあと一人ここにたたずみ、夜景を見ていたという。僕は、ジョニーにそっと手を合わせた。

この晩演奏していたのはステイ・ゴールドというジャズ・ユニット。長谷川さんもいち推しという人たちだ。サヨコさんというバイオリンのお姉さんを前面にたて、ダブルベースとギターが加わった形の3人組。皆うまい。特にベースの人は、かつてナベサダのワールド・ツアーに参加していたベテランだそうで、とにかくうまかった。曲はジャズのスタンダードが多かったが、楽しめた。

僕は行けなかったが、閉店の前日には、シーナ&ザ・ロケッツのライブも組まれており、盛り上がったようだ。それにしてもブルース・カフェって、これだけの立派な店を構えて1年で閉店とはもったいなすぎる。今回は店の都合でやむなく閉店するが、営業再開のはなしも持ち上がっているらしい。是非とも頑張ってほしいものだ。

とりあえず、短い期間ではありましたが、長谷川さん、そしてブルース・カフェのスタッフの皆さん、ありがとうございました。ブルース・カフェが再び営業することが出来るよう祈ってます。






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