吉田淳
1999年ブルース・アルバム・ベスト10



Gatemouth Brown


Syl Johnson


And This Is Maxwell St.


Pinetop Perkins

  1. B.B. KING / Let The Good Times Roll (MCA MVCE-24195)
  2. CLARENCE GATEMOUTH BROWN / American Music, Texas Style
    (Blue Thumb 314 547 536-2)

  3. SYL JOHNSON / Talkin' Bout Chicago! (Delmark DE-729)
  4. PINETOP PERKINS / Live At 85 (Shanachie SHA-9022)
  5. V.A. / And This Is Maxwell Street (Pヴァイン PCD-5527/28)
  6. V.A. / Modern Kent Blues Treasuresシリーズ全部 (Pヴァイン)
  7. SMOKEY WILSON / Push! (Pヴァイン PCD-5491)
  8. LUTHER ALLISON / Live In Chicago (Alligator ALCD-4689)
  9. CHARLES BROWN / In A Grand Style (Bullseye Blues & Jazz)
  10. ReBIRTH BRASS BAND / Live (Louisiana Red Hot Records 1116)
青色: 新録もの
オレンジ色: 再発もの

今年良く聴いたのは、この10枚。(順不同)まずは、B.B. KINGのルイ・ジョーダン・カヴァー・アルバム。ビッグ・バンドをバックにB.B.の温みあるヴォーカルが印象的。近年の作品の中では、最も好きなアルバム。ゲイトマウスは残念ながら来日公演は観れなかったが、このアルバムは大満足。前作「ゲイト・スウィングス」パワー・アップした感じのサウンドが非常にかっこ良かった。シル・ジョンソンのファンキー魂にはガツンとやられた。ブルース〜シカゴ・ソウル、ファンキー・ナンバーまで文句なし。「ディファレント・ストロークス」の再録も強力。マイ・フェイヴァリット・ブルースマン、シカゴのピアニスト、パイントップ・パーキンスは、98年のバースデイライヴのライヴ盤。これは、ホーン・セクションがバックについた珍しいライヴで単なる再録(レパートリーをやっただけ)とは違う新鮮味があった。と、ここまでは新録です。

再発では、マックスウェル・ストリートが他を圧倒。1人1枚。当時のシカゴのマックスウェル・ストリートにうずまいていたエネルギー量はいかほどのものだったのか。ロバート・ナイトホーク、ジョニー・ヤングらが熱くしてくれる。P-VINEによるモダン、ケント・レーベルの再発シリーズは自分の様な若いブルース・ファンにはうれしい再発だ。特にウェスト・コースト編のVol. 1(PCD-3060)、ファンキー・ブルース編(PCD-3061)の2枚は目から鱗だった。極上の録音がザックザックだったが、ファンキー・ブルースのアーサー・アダムスのギター・プレイは格別だった。今、この人のセッション参加作品をあさってます。ライヴもパワフルだったスモーキー・ウィルソンの未発表アルバム「PUSH」の躍動感溢れるファンキー・グルーヴには思わず踊りたくなった。ルーサー・アリソンのライヴ集大成とも呼べる「ライヴ・イン・シカゴ」。スピーカーを通して聴いていても汗の出るような熱さだ。オーティス・ラッシュとの共演も手に汗にぎった。あとチャールズ・ブラウン。ピアノ弾き語りアルバムだが、やはりチャールズ・ブラウン・マナーなる言葉を生んだそのヴォーカルは最高だ。実に洒落っけあるサウンドだ。リバース・ブラス・バンドは、ストリート感溢れるモダンなブラス・バンド。パワフルでファンキーなサウンドはやはりライヴならでは。初回限定500枚で幻だったアルバムの追加プレス。このプレスもマイナー・レーベルからなので、気になる人はお早めに。

いろいろあった1年だが、ライヴではスモーキー・ウィルソンとフェアフィールド・フォー、ボビー・ラッシュのステージが観れたのはうれしかった。以上、個人的なベスト・アルバムでした。

吉田淳
タワー・レコード新宿店でブルースなどを担当。ブルース&ソウル・レコーズ誌のライターとしても活躍している。吉田氏が担当するようになってから、タワーのブルース・コーナーの充実ぶりは「行き過ぎ」と言われるほどすごい。







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