陶守正寛


King Ernest


Blue Christmas


Alberta Adams


Kid Ramos

「ブルース&ソウル・レコーズ」誌では、20世紀はブルースの時代だったとか言ってるけど、じゃ21世紀は?ブルースは20世紀で終っちゃうの?って、それじゃあ、あんまりですよね。ということで、21世紀もブルースの時代であり続けますようにと祈りつつ、僕の2000年ベスト10を...。

この1年、あまり新譜は聴かなかったような気がするんだけど、いいものは沢山ありました。でも、よく見てみると1999年以前のものだったりするものもあって、やむなく外したりもしたけど、結果はやはり相変わらずかな?

  1. KING ERNEST / Blues Got Soul (Fat Possum 80334-2)
    惜しくも3月に交通事故で急逝した彼。その寸前の2月にレコーディングが済んでいた3年ぶりとなる新譜。この夏にリリースされたのだけど、本人が亡くなったということもあるけど、もう涙なしでは聴けないです。スロー中心で地味ながら、じっくり歌い上げる歌心は最高です。ソウル・ナンバーなど特にジーンと来るのです。本当に惜しい人を亡くしました。改めて合掌!

  2. CARL WEATHERSBY / Come To Papa (Evidence ECD 26108-2)
    ビリー・ブランチのサンズ・オブ・ブルースで見たときには、ギターがうるさいと感じて、いまいち好きになれなかったのだけど、9月にロング・ビーチのフェスで彼のソロ・ステージをみて、イメージが一変しました。ギターも歌もツボを得ていて、弾きすぎず、でも底力を感じる、という理想的なステージでした。その音をそのままアルバムに詰めてくれた感じの傑作です。

  3. DARRELL NULISCH / I Like It That Way (Severn CD-0007)
    ジェイムズ・コットンと一緒に日本にも来たダレル・ニューリッシュですが、数年前に彼のソロ作、"Bluesoul"を聴いて、好きになりました。アンソン・ファンダーバーグ&ザ・ロケッツのボーカルをやっていた頃は、特に印象なかったんだけど、ソロ作はどれも、ソウルとブルースがいい具合で融合していて、好みです。新作もリー・ショット・ウィリアムズのソウルがあったり、ジミー・リード系のハープを聴かせるブルースがあったりと、いい感じで、気持ちのよい作品です。

  4. BUDDY BLUE / Dipsomania (Clarence CCD BB102)
    これ、あとでみたら99年の作品だったのだけど、好きだから無理やり入れます。80年代にサンディエーゴのロック・バンド、ビート・ファーマーズでギターをやってた彼ですけど、脱退してからは、ブルース色の濃い作品が中心です。新作もそんな彼らしい、ジャンプ&スウィングしまくる、ノリノリのブルース・アルバムになってます。弾き語りのラグ、ジャズ・ナンバーもあり、飽きさせません。ユーモアもたっぷりです。

  5. SISTA MONICA / People Love The Blues (Mo' Muscle MMRE-688)
    僕は、彼女のファーストをその年のベストに選んだという経緯もあり、ずっと追い続けけてます。最近は白岩さんのサイトでも、かなりの評価を得ているようで、嬉しいなあ。新作も冒頭のタイトル曲から、気合い入ってます。ゲスト参加のラリー・マックレイ、ジミー・サッカリーも好演。

  6. KID RAMOS / West Coast House Party (Evidence 26110-2)
    ゲイトマウス・ブラウン、デューク・ロビラードら参加で、目茶苦茶楽しくのりのいいアルバムに仕上がったキッド・ラモスのアルバム。タイトルが全てを物語ってます。ジャンプ・ブルースが好きならば、是非。

  7. V.A. / Blue Christmas (Dial Tone DT-0004)
    テキサス・トランペッツが一部で話題になっているダイアル・トーン・レーベルから出たクリスマス・アルバム。オースティン・ローカルのアーティストが中心のようで、知らない人が多いけど、内容は濃いです。ベテラン・ゴスペル・グループ、ベルズ・オブ・ジョイのハーモニーで"Merry Christmas"と歌われてしびれました。

  8. ALBERTA ADAMS / Say Baby Say (Cannonball CBD 29114)
    昨年、70歳代にしてアルバム・デビューを果したデトロイトのアダムスさん。2作目ですけど、前回以上に生き生きとしてます。

  9. ETTA JAMES / Matriarch Of The Blues (Private Music 01005-82205-2)
    最近はずっと、いろんな音楽性にふらふらしていた気がしますが、80年代の"Seven Year Itch"以来、久しぶりに活きのいいブルース/R&Bの女王としてのエタを聴いたって感じです。まだまだいけるぜ!エタ!

  10. BEAU JOCQUE / Give Him Cornbread, Live! (Rounder 11661-1-2160-2)
    亡くなってから出た、93年レイク・チャールズでの未発表ライブ・アルバム。ニューオーリンズで観た彼のステージを思いだします。パワフルで楽しい、ザディコ・パワーです。


例によって新緑ばかりですが、再発ものもそそられるものは沢山ありました。ジュニア・パーカーのグルーヴ・マーチャント・イヤーズなんか、彼ならではのほほんとした味とファンキーなノリの絶妙なバランスが最高でした。晩年でもやるなぁ、と感心。

"I Blueskvarter Vol. 2"は、大好きなウォッシュボード・サムが入っていたので、個人的にはVol. 1よりも愛着がもてました。あとは、リー・ドーシー、ミーターズの再発も「やった!」と飛びついた。

音自体は体中に染みつくほど聴いてきたので、今更挙げなかったけど、オーティス・ラッシュのコブラ・レコーディングがいい音で再発されたのは、本当に嬉しいです。(英ウェストサイド、日Pヴァイン)英フライライトから出た、ジョン・リーの秘蔵音源も驚きましたねぇ。考古学じゃないけど、探せばでるっつぅか...。ねつ造じゃないといいけど。(-_-)



赤色: 新録もの

緑色: 再発もの

陶守正寛
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