- CHARLEY PATTON / Screamin' And Hollerin' The Blues The Worlds Of Charley Patton (Revenant ALBUM NO.212)
2001年のベストはチャリー・パットン!BOX好き、パットン好きならこれをじっくり聴かねば。なんか音質も今まで聴いた中で一番いいような気がする。CD7枚にパットンの発見されている全録音(未発表って書いてあるものもあるのだが、これはSPが当時出されなかったという意味のようだ)を録音年順に5枚に振り分け、その中に一緒に録音がおこなわれたバディ・ボーイ・ホーキンス、エディス・ノース・ジョンスン、サン・シムズ、サン・ハウス、ウィリー・ブラウン、ルイーズ・ジョンスン、デルタ・ビッグ・フォー、バーサ・リーが収められている。6枚めのCDはパットンとスタイルや曲的に繋がりの深いブルースマンたちを収めている。特にここに収録されているブラインド・ジョー・レイノルズの“Cold Woman Blues”はBSR41号の巻末で日暮さんが書いていた「とんでもないレア・アイテム」なのだ!7枚めのCDにはハウリン・ウルフ、パットンの弟分ブッカー・ミラー、H.C.スピア、ポップス・ステイプルズのパットンに関するインタビュー。僕にはほとんど聞き取りできないが、ウルフの興奮して話すパットンの様子なんて!
このBOX、装丁もすごい。まずSPセットを模した重厚なブック型。その中身はレヴェナントの主宰のひとり、故ジョン・フェイの書いたレアなペーパーバック“CHARLEY PATTON”が復刻されたもの。ディック・スポッツウッド、デイヴ・エヴァンスらのごっついライナー、前曲解説、楽譜などが127ページに渡り展開されているし、パットンのSP広告、テスト・プレスまであるSPラベルのステッカー仕様の写真もついているのだ。CDはSPサイズの台紙にセットされ、パラマウントのSP袋につつまれている。手に取った時点ですっげー凝ったつくりに感激。じっくり堪能しようと思い、最後まで眺めると、パットンのオリジン盤LPに書いてあったライナーがホッチキス留めで遠慮がちにはさまっていたのをみてちょっと寂しくなった…。
- R.L. BURNSIDE / Burnside On Burnside (Fat Possum/Epitaph 80343-2)
バーンサイドのライヴはよかったねぇ。ダイナミックさがよ〜く伝わる出来。しかし、整合感がありすぎて、上手なロック・バンドってところも。でもバーンサイドの作品中では名作『ツゥー・バッド・ジム』と並ぶ傑作と言えるだろう。
- WILLIE KING / Freedom Creek (Rooster Blues R2642)
ウィリー・キングもライヴ。サザン・ブルースのイナたいファンキーさとズシンとこないビートがとにかく気持ちよい。緊迫感漂う歌と演奏は、聴く側にも覚悟がいるかも。あぁ、素晴らしい!
- V.A. / Folks He Sure Do Pull Some Bow! (OLD HAT CD-1003)
ヴァイオリンをテーマに戦前ブルースをまとめたCD。カラフルで丁寧なライナー。内容もバツグン!
- CLARENCE "GATEMOUTH" BROWN / Back To Bogalusa (Blue Thumb 314 549 785-2)
これ、車で聴いてるといい。ドライヴ向きな感じかなぁ。あの声、あのギターの音が出てくれば、ゲイトの作品以外の何物でもない、という圧倒的存在感が快感に繋がってるんだろうね。これはイイ!
- TEXAS EASTSIDE KINGS / same (DIALTONE DT0005)
思わず「テキサ〜ス」と歓声を上げてしまうような粋な作品。イナたいファンキーさはテキサスものならでは。
- ALBERTA HUNTER / Downhearted Blues Live at The Cookery (Varese Sarabande 302 066 247 2)
僕はアルバータ・ハンターのファンです。戦前ものより晩年のドスが効いたハリある歌、また曲自体も大好きなのだよ。小唄、ジャイヴを思う時はずせない作品がまたひとつ増えた喜びを噛み締めてます。
- 藤井康一×関ヒトシ / リトル・ジャイヴ・ボーイズ (Ichinonachi Club FS-2001-03)
わが国のジャイヴと言えば、この人達。作品が出るたびに楽しませてくれる。なんてったってすぐ一緒に歌えるのがいいよね。この作品聴いてピンガ飲みたくなったもん。
- ギター弾きの恋〜オリジナル・サウンドトラック(SME SRCS2402)
01年は近年になく映画館に足を運んだ(とは言え10回にも満たないけど)。その中で一番印象に残ったのがウディ・アレンの『ギター弾きの恋』。これは「世界で2番目」を自称するギタリストの20〜30年代を舞台にした物語。世界で1番のギタリストはかのジャンゴ・ラインハルト。ジャンゴと言えば、B.B.キングのヒーローとしても有名なジプシー・ギターの超人。そのジャンゴはロニー・ジョンスンやエディ・ラングのギター・インストに大きく感化された話しもこれまた有名。広くジャズを愛するアレンが創ったこの映画、音楽好きにはたまらない作品となった。軽快なアコースティック・ギターが心地好く響き渡る中、ヤクザな人間模様、恋愛を描いた甘く切ないラヴ・ロマンスを満喫できる。ギタリストの恋人役で出演したサマンサ・モートンの愛らしさに僕も、一緒に観に行った小川氏もメロメロであった。
- JOHN HAMMOND / Wicked Grin (POINTBLANK 7243 8 50764 2 8)
ジョン・ハモンドの最新作はトム・ウェイツが全面参加したウェイツ・カヴァー作品。ハモンドのどこかヨれた歌がウェイツとは違う魅力を発揮しつつ、見事にハモンドの世界と融合させたもの。ハモンドの作品の中ではヴィデオ『ロバート・ジョンソン〜音楽と人生』でジョンスン・ナンバーを歌うシーンと並ぶ、僕の愛聴盤となった。
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