ブルースを狭く捉えちゃうと、新録でインパクトのあるものが少なかったように
思います。というか、自分がそういうのをあんまり聴かなかったのかもしれませんが。21世紀になって、ブルースは通奏低音になったのかななんてちょっと思ったりします。
そんな中、素敵なりイシューを含め10枚セレクトしてみました。bbさんのところとbsr(ことしは3+1枚だったんであんまり意識せずに済みましたが)とは重複を避けてあります。
- ウルフルズ / 10周年5時間ライブ!!〜50曲ぐらい歌いました〜 (Capitol TOCT-25050〜4)
だって、好きなんだもん。限定盤(店にいっぱい並んでますけど)を予約して買いました。トータスのソロも良かったけど、やっぱりウルフルズのトータスの方が魅力的です。新作「ええねん」と迷いましたが、やっぱりこっちにしました。アコースティックサイド、いいですよ!
- STEVE CONN / Steve Conn (Not Really NRR 9701)
スキッとしたヴォーカルと、ニューオーリンズのフレイヴァをたたえたピアノプレイが心地好いです。真面目すぎる人なのかなとも思いましたが、アルバムデザインを含め実に丁寧な仕事です。何で日本であんまり流通しないんでしょうね。
- SONNY LANDRETH / The Road We're On (Suger Hill SUG-CD-3964)
そのコンさんも参加している最新盤。ソロでの来日公演もそれは良かったけど、バンドでのプレイは格別です。ブルース色を強めたコンセプトですけど、サニーのやりたいことの「振れ」の一部と考えれば、前作とのセットで考えるとトータルに楽しめます。
- JOE KROWN / New Orleans Piano Rolls (STR Digital STR-1012)
これはsumoriさんのおかげです。本人からいただいた記念すべき盤ですが、本当に素敵なピアノソロです。ひとつひとつセレクトした楽曲に対し、たっぷりの愛情を感じます。緩急自在のプレイがジョーの心のひだを見るようです。
- LUCKY PETERSON / Black Midnight Sun (Birdlogy FDM 36643-2)
あんまり話題にならなかったけど、これ、いいです。もしかするとラッキーは今結構揺れ動いているのかもしれませんが、グッと重心を落としたファンクネスを感じる本作は、目指すベクトルが確かなものだと僕は思いました。
- ブラック・ボトム・ブラス・バンド / ハッピー ラッシュ! (Victor VICL-61192)
何と言っても「祝!」です。浜村さんをああいう風に絡めてコテコテに似合うバンドはここしかないでしょうね。多彩なゲストと共演しても、微動だにしないバンドのパワーも凄いです。トータスも入ってるし(笑)。
- HOWARD TATE / Rediscovered (Private Music 82876-52692-2)
最初聴いたときはちょっとおとなしいかなとも思いましたが、来日公演にあわせて何度か聴くと、その味わい深さがジワッと染みてきました。バラッドナンバーの落ち着いた情念が胸を打ちます。
- THE ROBERT CRAY BAND / Time Will Tell (Sanctuary 06076-84613-2)
ラッキー以上に試行錯誤を続けている感じがします。一度「頂点」を経験した者だけが味わう苦しみでしょう。でもこうして作品を出し続ける姿勢、そしていつまでたっても失わない瑞々しさ、やっぱり魅力的な人です。
- EARL KING / Come On: The Complete Imperial Recordings (Okra-Tone OKR-CD-4970)
待ってました!と叫んでしまった待望のリイシューです。このサイトの掲示板で度々「IMPERIALのリイシューはどうなっている?」って書き続けたせいじゃないでしょうが、本当に嬉しいです。トミー・リッジリーも続かないかしら?
- V.A. / Midnite Blues Party Volume 2 (Electro-Fi 3378)
この50年代の「無名」な曲を集めたコンピ、本当にあの時代の奥行きの深さというか、芳醇なブラックミュージックの面白さを見事に切り取っています。ここまで知らなかった人たちの、面白い演奏があったんですね。だからCD漁りは止められません。
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