2004年ベスト・アルバム10選
文屋章


Amos Garrett


Golden Cups


Willie Hightower


Mellow Cats 'N' Kittens

某紙の3+1枚は除いて、それと皆さん絶賛モノをなるべく避けて(ひねくれ者なもんで)お気に入りの10枚を選んでみました。

新録部門
  1. AMOS GARRETT / Acoustic Album (Stony Plain SPCD1299)
    あまり話題にならなかったようだが、新旧取り混ぜたカヴァーをマイ・ペースでこなしてます。職人はこうして自分の世界を突き進んでいくのです。

  2. ELVIS COSTELLO / The Delivery Man (Lost Highway B0002593-02)
    ジャズ・バラードとか色々挑戦する姿勢はいいとして、聞き手としては全部OKなわけではないのだが、こいつには感動したな。スワンピーなこの音を某評論家は「ありゃカントリー・ソウルだよね」と僕に語ったが正にその通りだと思う。バック・バンドの抜けた音も素晴らしい。ライヴには行けなかったが渋谷の路上でお姿を発見できたのでよしとしよう。

  3. THE GOLDEN CUPS / One More Time (東芝EMI TOCT-25536)
    すんません。女房からのクリスマス・プレゼントです。高校生の頃、カップスに憧れて彼らのレパートリーを真似てバンドで演奏したことは僕がブルースに魅かれるきっかけでもありました。かっこいいね、この新録も。バタ臭い横浜製ブルースが今蘇るってやつかね。デイヴ平尾の演歌調インチキ英語も最高!

復刻部門
  1. DONNY HATHAWAY / These Songs For You LIVE! (Atlantic/Rhino R2 78075)
    未発表ライヴ収録の文字を見て即購入。これも思い入れの強いアルバムで、名を連ねる有名バック・ミュージシャンを意識しはじめたのはオリジナルのライヴLPを聞いた時からだと思う。温かみある歌声で訴える「What's Goin' On」には泣けます。

  2. VARIOUS ARTISTS / Mellow Cats 'N' Kittens (Ace CDCHD1022)
    Jump/Jiveのリイシューでは群を抜く(群といえるほど今年は聞かなかったけど)内容。Three Bits of Rhythmの未発表が嬉しかったが、他にもTiny Webbとか盛りだくさんの貴重音源大公開でこりゃ大変だ。

  3. WILLIE HIGHTOWER / Willie Hightower (Honest Jons 07243 863429 2 8)
    同シリーズのCandi Statonも素晴らしいが、この盤も奪い取るように買ってしまった一枚。LPで親しんでいたものの、Fameのシングル全てを持っていたわけでもなし、そのFame録音が6曲どどっと入っているのでこれは大収穫。「赤のハイタワー」としてずっと聞き継がれていくべき盤であります。

  4. JIMMY McCRACKLIN / Best of The Imperial & Minit Years (Stateside 7243 5 79966 2 4)
    正直言ってたった1枚で済むわけねーだろ!と文句を言いたいのだが、こうして復刻してくれるだけで有難いのだな。個性的な声も魅力だが、時代の空気を読んで自在に同化させる芸人根性が見事。それも男らしく骨太に。素晴らしいね。

  5. WARDELL QUEZERGUE / Strung Out (Grapevine GVCD3015)
    2002年にMalacoの社屋を訪ねた時、思い浮かべたのはBobby BlandやJohnny Taylor、Z.Z HillでなくKing Floydだったね、あたしゃ。Malaco初期の弾力あるリズムがいっぱいのこのコンピレイションを前にして、そりゃーシングル収集熱は高まるわな。

  6. CHARLES BROWN / Life in The Blues (Rounder 11661-2074-2)
    国内、海外問わず色んなミュージシャンのライヴを見たが、何度でも言うけどこの人を見ることができなかったのは痛恨の極みです。晩年も声の艶は若干褪せたものの衰えることのない「粋なブルース」の応酬に胸が躍る、家宝となる一枚。

新録部門に追加
  1. VARIOUS ARTISTS / Lightning In A Bottle (Sony MHCP532〜3)
    試写会で本編を見る機会があり、その後にアルバムを聞いたんだけど映画があまりにも素晴らしくて外せなくなりました。冒頭のAngelique Kidjoでもう涙腺がゆるんじゃったもんな―。いつもそうなんだけどBlues界のプレイヤーでない、自分にとって初体験のフィールドのプレイヤーに感動させられた。国内盤ライナーでアリスン・クラウスのことに一言も触れられていないのはちょっとなー。何故ブルーグラスの新鋭がこの催しに参加したのか、奥が深い話だと思うんだけどね。

というわけで、今年も楽しく音楽に接していきたいものです。しかし、映画もいいけどライヴもっとやってくれー!と叫んで本年もよろしくです。

赤色: 新録もの

緑色: 再発もの








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