2004年ベスト・アルバム10選
今澤俊夫


Sister Gertrude Morgan


Marcia Ball


New Birth Brass Band


Creole Bred

アレはよかった,コレもよく聴いたと選んでいく内,途中でふと気がつくとほとんどがニューオーリンズ〜ルイジアナもの。となれば,いっそのこと全部それ系で固めてしまえってことで以下の10枚。順不同。どれもよく聴きました。

  1. LEO NOCENTELLI / the secrets of Funk using it & fusing it ! (Fred Russell Publishing FR00907)
    リオの教則DVD。意外にも親切で丁寧なセンセイだったりする。きっと真面目な人なのだ。ゆっくり→通常のテンポ→ドラム&ベースのオケに合わせてデモ演奏という具合に進行するんだけど,最後のデモ演は本気の弾き倒し。「今,さっきと違うことやったでしょっ!」と常にツッコミを入れながら見るハメに。でもどう弾いているかわかったところで...ねえ。

  2. SISTER GERTRUDE MORGAN / Let's Make A Record (Preservation Hall Records VPS-06)
    タンバリン+ゴスペルとくると,思わずゴスペル・テント@ジャズ・フェスの,あの名物MCを思い出してしまうのは僕だけ?で,このシスター・ガートルード・モーガン。本当に素晴らしい。自身の歌とタンバリンだけなのにもの凄いノリ。残念ながら歌っている中身はチンプンカンプンなんだけど,グイっと持っていかれてしまいました。

  3. MARCIA BALL / Live At Waterloo Records (Alligator ALCD 9901)
    マーシャのライヴ盤。アリゲーターからのリリースなのに限定だったり,収録曲が新作の曲ばかりだったりするのは,プロモーション用か何かなのか?その収録曲,それと音がちょっとおとなしいのが残念だったりするけど,それでもやっぱりライヴの彼女はいいですねえ。本領発揮って感じがするし,次はガツンと来るライヴ・アルバムを出してもらいたいもんです。

  4. NEW BIRTH BRASS BAND / New Birth Family (Fat Black Records no#)
  5. V.A. / The Blue Brass project Same Pocket, Vol.1 (MEANTIME LOUNGE RECORDS no#)
  6. JAMES AND TROY ANDREWS / 12 &Shorty (Keep Swingin' Records no#)
    ダーティ・ダズンもリバースも,ストゥージズもよかったけど,今年の一番はニュー・バース。彼らは前作もカッコよかったし,ノリにノッている感じ。ジョージ・ポーター・プロデュースの本作も,いい意味で粗くて勢い満点。気持ちいいです。それにしても今年もブラバンが豊作だったのは嬉しい限り。ニューオーリンズ・ブラス&ブルーグラスの企画盤も楽しかったし,アンドリュース兄弟の共演も素晴らしかった。血ってあるのですね。ブラスといえば,来年は大好きな迷彩やんちゃ集団ソウル・レベルズの久々の新作がマルディ・グラの頃に予定されているそう。楽しみ,楽しみ。

  7. VARIOUS ARTISTS / Creole Bred a tribute to CREOLE & ZYDECO (Vanguard Records 79741-1)
    これは本当によく聴いた。理屈抜きに楽しいし,何より聴いていて心地いい。ユニークな顔ぶれなのに,音の方はごくオーソドックスというのも潔くていいなあ。ホント,どのテイクも素晴らしい。シンディ・ローパーの痛快なハジケ具合が妙にハマっててよかったです。

  8. NEW ORLEANS HELSINKI CONNECTION / At Last (New Orleans Helsinki Connection NOHC-242)
    ブッテ家恐るべし。みんな歌がチョーうまいんだもの。ぶる銀のベスト10では,毎年,何かしらジョン・ブッテのアルバムを選んできた私ですが,今年は彼名義のアルバムがなかったので(ゲスト参加はあったけど),姪のトリシアを。リリアンから続くブッテ家お得意の欧州ジャズメンとの共演盤。NYNOのアルバムはもうひとつピンと来なかったけど,こうしてトラディショナルな曲を歌うとまた違った魅力がありますねえ。

  9. THE NEVILLE BROTHERS / Walkin' In The Shadow Of Life (EMI 72435-70989-2-2)
    ウィリー・グリーン大好き男としては,最初「ん?何か違うなあ」で,クレジットを確認して「えぇ〜,そうなのお」。でもカッコいいです。息子達にサウンドの主導権をとらせて,親父達がずっと変わらないメッセージを歌うなんて,<ファミリー>としてはちょっと出来過ぎのような気もするけど。それでいてライヴはきっと相変わらずなんでしょう。そういうところも素敵だなあ。

  10. JON CLEARY AND THEABSOLUTE MONSTER GENTLEMAN / Pin Your Spin (Basin Street Records BSR 0902-2)
    打ち込み/すべての楽器を自分ひとりで多重録音した曲も少なくなかったこれまでの作品と比べると,よりバンドとして充実してきた感じがする。個人的には彼のアルバムって,全体として何気なく聴いてしまうんだけど,中に何曲かもの凄く好きなタイプの曲が入っているってパターンが多い。今回もそんな感じに近いかな。「スマイル・イン・ア・ホワイル」やアカペラの「ベスト・エイント・グッド・イナフ」なんて大好き。しかしビッグDはうまいですね。


赤色: 新録もの

緑色: 再発もの




ベスト・ライブ
WEST ROAD BLUES BAND
(高円寺JIROKICHI / 2004.3.28)

本当はベスト・ライヴもニューオーリンズ〜ルイジアナものにすればキレイに収まるんだろうけど,今年はやっぱりコレ。パパグロ来日につき,オリジナル・メンバーが揃った久々のウエストロード。彼らにとっては数年のブランクなんて関係ナシ。といって決して同窓会的なリユニオンなどではなく,バンドとして確実に熟成しているというのが凄い。パパグロのメンバーが勢揃いという嬉しいオマケもあったけど,何よりジロキチという場所柄,彼らが出す濃密な音,グルーヴにすっぽり包まれて本当に心地よかった。





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