2006年ベスト・アルバム10選
チュートン


Howard Tate


Flaming Lips


Ditty Bops


Hacienda Brothers

実はこのところライヴの方に費やすお金がハンパでなく、そのうえサンタナみたいな紙ジャケ・リマスター再発盤を大人買いとか、ヨーロッパの(例えばProper Boxみたいな)面白いコンピレーションCD-Boxまで買ってしまていたら、普通の新譜のCDがあまり買えなくなってしまい、随分聞き逃しているものもあることでしょう。

ということで、あまり冒険的な買い方もしておらず、今回は比較的自分の好みに忠実なセレクションになったような気がします。

以下は、買った順番であり、ランキングではありません。
全て新録です。

  1. HOWARD TATE / LIVE (Shout! Factory DK10045)
    実際にナマで聴いた時の凄さも記憶に新しいところですが、本人の歌は勿論のこと、Austin Deloneをはじめとするバック・バンドの充実振りも特筆もので、近年のソウル系ライヴ・アルバムではダントツの迫力。
  2. THE NEW ORLEANS SOCIAL CLUB / Sing Me Back Home (Burgundy 82876 80589-2)
    昨年の"Our New Orleans"と共に豪華メンバーによる力作の企画アルバム。それもただニューオリンズ・クラシックスを歌うのではなく、インプレッションズやCCRからミュージカル曲までをカトリーナ被災に絡めて歌われたところに、権力者への強い怒りのメッセージがこめられているように思えてなりません。
  3. IRMA THOMAS / After The Rain (Rounder 11661-2186-2)
    個人的にはダン・ペン作品集も含めてここ数作パッとしなかった印象だったけれど、今回は変に企画に頼らず素直に自分の歌いたい作品を集めたかのような選曲に好感を持ちました。 そしてスティーヴィー・ワンダーの新作からのカヴァーは、くしくも被災者へのメッセージともなり、それも決してエモーショナルでなく淡々と歌われるところに胸を打たれます。
  4. THE FLAMING LIPS / At War With The Mystics (Warner 49966)
    今回の10枚の中では一番自分らしくないアルバムですが、例によって、たまたまCDショップの試聴機で聞いたらハマってしまったもの。 サウンドだけでも充分に刺激的だけど、歌詞は更に強烈で、かつ遊びも随所に感じられる彼らの音楽に魅せられました。こうしたバンドが日本にもいないかな?と常々思ってしまいます。
  5. THE DITTY BOPS / Moon Over The Freeway (Warner 44110)
    現在個人的にはイチオシの女性デュオ。
    とにかく可愛くて楽しくて、それでいて毒もあってコクもある....いえ、ホントです。ダン・ヒックス・ファンというところにも親しみを感じていますが、確かにジャネット・クラインのような懐古主義(それも僕は大好きだけど)に終わらないオリジナリティは、彼に通じたところがあると思います。この夏にはチャリンコで全米ツアーなんていうおバカなことまでやってのけた行動力も素晴らしい。
  6. HACIENDA BROTHERS / What's Wrong With Right (Proper 700104)
    ダン・ペンがプロデュースしたウェスタン・ソウル・バンドのセカンド・アルバムですが、ケイジャンっぽさもあるものの、確かにまんまダン・ペンの世界。オリジナルと共に彼の名曲も味わい深く聞かせてくれるけれど、フィリー・ソウルの名曲をサザン風味にアレンジした"Cowboys To Girls"に驚き、クセになってしまいました。
  7. KiLA & OKI (KiLA)
    単なるケルトVSアイヌの異文化交流でも他流試合でもなく、完全に溶け合っていながら、それぞれの存在感も際立たせているのが見事で、両者の共演したライヴも素晴らしいものでした。 どちらも伝統音楽一筋ではないからこその成果だと思います。また何年後かに復活してほしいプロジェクト。
  8. AARON NEVILLE / Bring It On Home....The Soul Classics (Burgundy 82876 85489 2)
    およそマニアックさの微塵もない王道のソウル・カヴァー集だけど、それが各曲しっかりとアーロンのスタイルとして完成されているのは流石としか言いようがありません。 ただただ、その心地良さに浸っていたいアルバムで、これこそ癒しの音楽というものでしょう。 製作の意図も正にそれですよね。
  9. SOLOMON BURKE / Nashville (Shout! Factory 10179)
    この人も完成された自分の世界を持っている人ですが、ただナッシュヴィルで自身のルーツでもあるカントリー系の作品を歌いました....で終わらないアルバムに仕上がったのは、やはりプロデューサーであるバディ・ミラーの功績が大なのかな? サウンドうんぬんよりも、この渋〜い歌声と圧倒的存在感にシビれっぱなしです。
  10. J. J. CALE & ERIC CLAPTON / Road To Escondido (Reprise 9362-44418-2)
    以前のB.B.キングとの共演盤同様、クラプトンの共演相手への愛と敬意があふれ出ているアルバム。 この久々にゆる〜いノリのクラプトンは、今の私としては妙にハマってしまいます。久々にレイドバックという言葉も思い出してしまいました。 勿論それもJ.J.ケールの不変の個性があってこそですよね。

更に20枚まで許されるなら下記のディスクが入ります(こちらは思いつくまま)。
ELVIS COSTELLO & ALLEN TOUSSAINT / River In Reverse
THE PERSUADERS / Made To Be Loved
CANDI STATON / His Hands
NEIL YOUNG / Living With War
J. BLACKFOOT / It Ain't Over Till It's Over
JANET KLEIN / Oh!
KEB' MO' / Suitcase
BOB ANDY / Reggae Land(まだ買ったばかりだけど)
ROBERT RANDOLPH / Colorblind
MARY J. BLIGE / Breakthrough

なお、リイシューではBlue Magicのファースト・アルバム。元々アナログ時代からの愛聴盤で、以前国内盤でCD化されたこともあったけれど、今回は音質も向上されて、うれしい再発でした。Yazooレーベルの久々のヒット作"The Stuff That Are Made Of"は、サン・ハウスの未発表録音がどうこうという問題でなく、これだけの貴重な録音を大盤振る舞いしてくれたことに感謝、そしてR.クラムのイラストも近年では最高。

映像ではケルティックものになってしまいますが、SolasのDVD"Reunion"(CDとセットのもの)。新旧のメンバーが一同に介した楽しいライヴでした。

ベスト・ライヴは、絞りに絞って、The Resentments (10/2横浜サムズアップ)。本当はこちらも10本まで選ばせて頂きたいくらいですね(笑)。

例によって、今年も多くのミュージシャンが鬼籍に入ってしまいましたが、彼らの生きた時代の接点にいられた幸運を感謝したいと思います。


赤色: 新録もの

緑色: 再発もの




ベスト・ライブ
The Resentments (10/2横浜サムズアップ)





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