レポートも公開しましたが、2006年はカトリーナ後のニューオーリンズに行ったのが、一生忘れられない出来事として自分の中に刻まれた年でした。被災地を生で見た衝撃もさることながら、遠路はるばる子供2人を連れて行った事も大変でしたが、いい経験になりました。そんな旅行をしたこともあり、昨年に引き続きニューオーリンズにどっぷり浸かった一年でもありました。
- ASYLUM STREET SPANKERS / Mommy Says No! (Buffalo Records BUF-134)
子供のおもちゃ箱をひっくり返したような茶目っ気たっぷりな世界は最高です。単なるおふざけのようで、クリスティーナの歌う"Be Like You"などいい曲が詰まっています。来日公演もよかった。
- NEW ORLEANS JAZZ VIPERS / Hope You're Comin' Back (NOJV003)
カトリーナで被災したニューオーリンズ。「でもこの街が一番」とトラディショナルな曲調にのせて歌うタイトルトラックにじーんと来ました。
- KEB' MO' / Suitcase (Epic 82876776212)
ケブモー、久々の快作だと思います。個人的には2作目の「Just Like You」が彼のベストですが、それと同じくらい好きなアルバムになりました。聴いてきて気持ちいいし、何よりも曲作りのセンスが抜群です。"I See Love"のように印象的なメロディーを書ける人もそういないのではないでしょうか。
- THE SUBDUDES / Behind The Levee (Back Porch 72438-73412-2-7)
元気いっぱいのオヤジたちに嬉しくなりました。ポップでブルージーで適度にレイドバックしてて、いやぁもう言うことはありません。ジャズフェスで観たライブもごきげんでした。
- ROSCOE CHENIER / Waiting for My Tomorrow (Black & Tan CD B&T027)
余暇のセッションをそのまま録ったかのようなリラックスした雰囲気がいい味を出してます。ルイジアナっぽいゆるさあり、ニューオーリンズR&B的なナンバーあり、アクースティックもいい感じです。
- ETTA JAMES / All The Way (RCA Victor 82876 76841-2)
2006年は、ビックリするほど若々しくなったエタをニューオーリンズで観たことも、自分にとっては印象に残るできごとでした。この新譜は、プリンスの"Purple Rain"やジョン・レノンの"Imagine"など、捻りのない選曲も含まれているものの、エタが歌うと何故か違和感なく聴けてしまうのです。健康問題を抱えつつも、こうやってコンスタントに内容の濃い作品を出し続けるエタはやっぱり凄いと思います。
- IRMA THOMAS / After The Rain (Rounder 11661-2186-2)
アーマの作品はどれも好きですが、今回のはオブラートに包みすぎることなく、適度にゴツゴツした音の仕上がりがグググッと来ました。サニー・ランドレス地でいったプレイで結構目立っているのもポイントが高いです。
- LINDA RONSTADT AND ANN SAVOY / Adieu False Heart (Vanguard 79808-2)
地味なアルバムではありますが、落ち着いた雰囲気のフォークソング的なサウンドは、聴いていて安らぎます。底抜けに明るいのもルイジアナ・サウンドも好きですが、これはより落ち着いていて、深みを感じます。
- CEPHAS & WIGGINS / Shoulder To Shoulder (Alligator ALCD4910)
なんだかんだで、この人たちは20年間くらいずっと聴き続けています。今回もアリゲーターからのリリースですが、これまで同様独自のスタイルを貫いており、レーベルのカラーは全く感じません。トラディショナルな世界の中にも彼ららしい個性が光った名作だと思います。
- GEORGE SMITH & BACON FAT / The Complete Blue Horizon Sessions (Blue Horizon 82876887372)
ついに出たブルーホライズンの再発シリーズのジョージ・スミス!ロッド・ピアッツァが初期にやっていたバンド、ベーコン・ファットもなかなか濃いです。未発表ライブ音源もよかったです。やっぱ、ウェストコーストものは最高だなぁ。
あとは、ブルースではないけど、前作から20年以上の歳月を経て出たザ・フーの新作には興奮を覚えました。ザ・フー最高!!!!
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