なんだかニューオーリンズ漬けの1年だったような気がします。ザディコもかなり聴いたし、ブルースもそこそこ聴いたなぁ。でも自分の音楽活動にウェイトが移ったため、あんまり腰を据えてスピーカーの前に向かえませんでした。ということで、その時々に印象に残ったものからピックアップしました。ここに挙げられなかったものでも、ジョー・クラウンとかジョン・リジとか結構へヴィー・ローテーションでしたね。ザディコではジノ・デラフォースの新譜もかなり気に入っています。ライ・クーダーの新譜も結構聴いたし、ファッツ・ドミノのトリビュートも...。って、切りがないです。再発ものは入れる余地がなくて残念。
- RAY REED / Lookin' For The Blues (Dialtone/P-Vine PCD-25068)
こんな人が21世紀になって「発掘」されるってのが驚異です。なんでしょうか?このいなた格好良さは!やっぱりアメリカ中西部〜南部のローカルシーンの芳醇さでしょう。シカゴだけじゃブルースは語れないのよね。
- CARLOS JOHNSON / Live At B.L.U.E.S. On Halsted (P-Vine PCD-25050)
とは言え、シカゴのこの逸材にここ数年スポットが当たるようになったのは嬉しいことです。来日ライヴも鬼気迫るギターで唸らせてもらえましたが、このアルバムで捉えられている音は絶品です。
- JOHN NEMETH / Magic Touch (Blind Pig BPCD 5109)
アンスン・ファンダーバーグ、ジュニア・ワトソンらのバックに支えられたネメスの歌は、適度にディープで、でもドロドロでなくしっかりしてるのが西海岸らしいです。ハーモニカの腕はもちろん、ヴォーカルにガツンとやられた1枚です。
- MIGHTY MO ROGERS / Redneck Blues (Dixiefrog DFGCD 8622)
ソウルフルなヴォーカルと、アコースティックなサウンドが良く合うのは、ライ・クーダーの初期のアルバムで証明済みですが、さらにメッセージ性を加えたことで、心に訴える音楽になったと思います。こういうの好きです。
- JAMES "12" ANDREWS & CRESCENT CITY ALLSTARS / People Get Ready Now (Crescent CityAllstars, no number)
名前の通りドクター・ジョン等を加えたオールスターによるファンク・アルバム。もちろんトランペットがメインになってるんですが、低重心で腹に響きます。でもその底流には暖かい血の通った彼の地らしいサウンド。どこかリラックスしてるのがいいですね。
- DUMPSTAPHUNK / Listen Hear (DP no number)
アイヴァン・ネヴィルらしいファンクネスに溢れたサウンドです。印象的なリフといい、絶妙なコーラスワークといい、2007年ニュー・オーリンズ産ファンクでは一番のお気に入り。
- GEORGE PORTER JR. / It's Life (Transvideo CTV 4114-2)
ジョージのアルバムは歌の弱さがどうしても耳についてしまっていたんですが、このアルバムは、カーティス・メイフィールドを意識したような柔らかくて男気のある優しさに溢れたヴォーカルが魅力になってます。もちろんバックのメンバーは言うことなし。彼の最高傑作でしょう。
- JOHNNY SANSONE / Poor Man's Paradise (Shortstack 1006)
アコースティックな響きを見事に捉えきったアルバムです。そのサウンドの心地よさだけでもう満足。アンダーズ・オズボーン、ジョン・フォウルといった気心の知れた仲間と作る肌触りを感じる音楽は生で見たい衝動に駆られます。
- CURLEY TAYLOR & ZYDECO TROUBLE / Nothin Feels Like This (Louisiana Soul, no number)
アルバムとしてはファンクネスを増した仕上がりですが、その中に見えるカーリーのポップなセンスが光ります。ザディコという音楽の可能性を大きく開いて見せているカーリー、2008年にはどんな音を生み出すのか今から楽しみです。
- TERRI HENDRIX / The Spiritual Kind (Wilory WR30008)
まさに女性の生み出す音楽です。包容力のある優しさと暖かみ、でもどこか芯の通ったサウンドに溢れています。カントリー・サイドの音楽として、コマーシャルに走らずこれだけの音を作り続けるテリの才能は、もっと広く知られてもいいのではないでしょうか?
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