ブルース銀座: 2009年ベスト・アルバム10選: スカンクちかの



2009年ベスト・アルバム10選
スカンクちかの
http://homepage1.nifty.com/bluesknk/


Shane Theriot


Ruthie Foster


Little Joe Washington


Roy Lee Johnson

2009年はなんと年間75本を超えるライヴをやり、しかもCDを作ると、自分が「送り手」になっていた1年でした。ですから腰を据えてじっくり音楽を聴く時間が足りなかったように思います。そんな中で印象に残ったものを適当に引っ張り出すとこんな感じです。もちろんロバート・クレイの新譜とか、ジョン・スコフィールドのゴスペル・アルバムとか素晴らしかったんですけど、多分他の人が選ぶだろうと(笑)。ちょっとひねりを加えた選曲になってます。
  1. SHANE THERIOT / Dirty Power (Shose CD-1970-67)
    元々ギターの上手い人なんですが、このアルバムはジガブー、ジョン・ヴィダコヴィッチ、ダグ・ベローテ、リッチー・ヘイワードと、味わいの異なる名ドラマーたちと組んで、めちゃめちゃグルーヴィーです。本当に何にも考えないでリズムとサウンドに身を任せっぱなしにできる作品。超ヘヴィーローテーションでした。

  2. RUTHIE FOSTER / The Truth According to Ruthie Foster (Buffalo BUF-142)
    以前からずっと注目していたんですが、今作ではフォーキーな味わいを残しながら、ヴォーカルが成熟してぐっとソウルフルになって来ました。またバックの演奏もファンクネスを感じさせるもので、プロデュースもはまったように思います。ライヴ見損なったのがかなり心残りです。

  3. LITTLE JOE WASHINGTON / Texas Fire Line (Dialtone/P-Vine PCD-25094)
    とにかく「カメレオン」で決まりでしょう!そう来るかよって思わず突っ込みたくなる演奏でした。あいも変わらぬ奔放さが魅力ですね。ホーンが入ったり思わぬ選曲だったりと聴きどころが多くて楽しめました。

  4. J. PAUL JR. & THE ZYDECO NUBREEDS / Stronger (J.Paul Jr no number)
    ヒューストンの都会派ザディコの新譜なんですけど、ぐっと原点回帰したように思います。ヒップホップ的な味付けを抑えて、やや軽めのザディコらしいサウンドは、ポップさもあって心地良いです。中庸を得た作品に思えました。

  5. PAUL SANCHEZ & JOHN BOUTTE / Stew Called New Orleans (Threadhead no number)
    この二人のコンビネーションははまっていますね。それぞれの味わいを出しながら上手くコラボレイトしています。ジョン・ブッテの歌う「アメリカン・チューン」、サンチェスの「エンプティ・チェア」、沁みます。

  6. KERMIT RUFFINS / Have A Crazy Cool Christmas! (Basin Street BSR 0109-2)
    今まで聴いたクリスマス企画アルバムとして、最高の作品だと思いました。定番あり、オリジナルあり、そしてジャジーな面とブラスバンドな趣向を上手く混ぜて、決して雪が積もっていないクリスマス。でもそこに「おもて寒いよね」なんて曲がさらっと挟まってるのが趣向です。

  7. ERIC LINDELL / Gulf Coast Highway (Alligator/P-Vine PCD-93290)
    CD時代になって1曲の長さが長めになっている中、敢えて「3分間の美学」を追求したような、コンパクトでポップな曲がたっぷり詰まっています。しかもどれも粒ぞろい!70年代初期のポップスが大好きなものにとって、あの頃の瑞々しさを思い出してしまう軽妙なアルバムです。

  8. 町田謙介 / Future Blues (P-Vine PCD-26029)
    選曲のセンスがよく、しかもそのアレンジが秀逸な、ことし出た日本のアルバムではダントツに気に入っているものです。ブルースに対する深い愛情と理解、でも形式に縛られない自由な発想、その両者が見事に融合していると思いました。脱帽です。

  9. 峰あこと爛漫社中 / 寿町応援唄 2009 (遠峰組 T-003)
    ちょっとローカルな作品ですが、是非聴いていただきたいものです。横浜にあるドヤ街、寿町のフリーコンサートでのライヴで、バックに白庄司孝を含む爛漫社中が付いて思いっ切り盛り上がります。メインはオリジナルを含む民謡なんですが、間に入るフォーク調の歌がいいアクセントになっています。売り上げはすべて寿町にチャリティされる、本物の「応援唄」です。

  10. ROY LEE JOHNSON / When A Guitar Plays The Blues (Bear Family BCD 16321 AR)
    ベア・ファミリーの仕事には本当に驚かされます。ピアノ・レッドとインターンズの4枚組は持っていて気に入っているんですが、そのバンドのギタリストで「ミスター・ムーンライト」を歌ったロイに焦点を当てたこのコンピ、びっくりするような発見がたくさんありました。サム・クックの影響力とか、ナッシュヴィル〜マッスル・ショールズのラインの芳醇さとか。ソロとしては無名な人と侮るなかれです。

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  11. 番外:スカンクちかの/美女と野獣 / がんばるな (Blue Skunk BSCD-5001)
    まあご愛敬ってことで。自分で音を作る作業をして、いろいろと学ぶことができました。それこそ微に入り細にわたり、とにかくことし一番聴いたのがこれです(苦笑)。歌や演奏に不満はありますが、心は伝わったのではと思っております。

赤色: 新録もの

紺色: 再発もの




ベスト・ライブ
funky METERS
(東京渋谷AX; Jul. 23)

というか、まともなライヴはこれしか見ていません。でもこのライヴは気持ち良かったです。ジャム・バンドってこんな風に楽しむんだなって。イアン・ネヴィルのギター、あの御仁達の中ではさわやかで素敵でした。こんなのをしょっちゅう見られたら幸せでしょうね。





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