ブルース銀座: 2010年ベスト・アルバム10選: グッゴー三浦



2010年ベスト・アルバム10選
グッゴー三浦


Mavis Staples


The Green Brothers


David T. Walker


Spencer Wiggins

今年は、例年に比べるとCDの購入もLIVEを見た回数も減りましたが、それゆえセレクトする際は、慎重に考えるようになりました。(逆によい傾向でしょうか?)最近のリイシューは豪華版が主流になってきており、入手できていないものが多いため、買えていたらまたベスト10も変わっていたかもしれません。(負け惜しみです;)今回は、心に沁みる唄・曲・演奏の視点で選んでみました。

【新録】
  1. MAVIS STAPLES / You Are Not Alone (Anti/Epic EICP-1400)
    Gospelアルバムですが WilcoのJeff Tweedyがプロデュースしているためか、適度に肩の力が抜けた感じが耳に心地よくて、Mavisの魅力をうまく引き出していると思います。2010年度一押し!Great!

  2. THE GREEN BROTHERS / Soulsville (LocoBop)
    AlとBobbyのGreen兄弟の新録アルバム(もちろんHiのAl Greenとは別人)です。Blues & Soul Record誌で存在を知ったのですが、聴いてみて驚きました。現在の録音でもDeep Soulはとても魅力的な素晴らしい音楽になることを証明しています。Excellent!

  3. DR. JOHN AND THE LOWER 911 / Tribal (429 Records FTN-17803)
    来日LIVEも大変素晴らしかったDr. JohnがいつものThe Lower 911の面々と作り上げた傑作。カトリーナ以降に出されたアルバムは、メッセージ性も高くどれも大変素晴らしいですが、今回も強力な存在感を放っています。間近で見たギターの上手さも最高でした。Big Easy!

  4. DAVID T. WALKER / For All Time (DCT records XQJS-1002)
    デヴィ爺(最近はこう呼ばれているようです)が、とてもSoulfulなアルバムを作ってくれました。Marlena Shawが唄う"God Bless The Child" "Let's Stay Together"も経験からにじみ出る表現力が堪りませんが、それにも増して唄いまくるデヴィ爺のギターは、もう言葉になりません。今回は、自ら渋いVocalも披露していたり、WAHを踏みまくったり、ディストーションを掛けたトーンで弾いたりと、老いて益々クリエイティブです。Awesome!

  5. SOLOMON BURKE / Nothing's Impossible (E1 Entertainment EIE-CD-2086)
    来日LIVEの余韻がまだ消えないうちに天に召されてしまったのが本当に残念ですが、今回のLIVEを見ることができたことは、一生の宝になりました。これは正式には遺作ではないそうですが、最後のプロデュース作品となったWillie Mitchellとの素晴らしいコラボレーション作です。よくぞ作ってくれました。Rest in Peace.

  6. THE HOLMES BROTHERS / Feed My Soul (Alligator ALCD4933)
    今までなかなか聞く機会がなかったグループでしたが、今回ようやく聴くことができました。"Living Well Is The Best Revenge"の歌詞などで、「生きる」ことへのポジティブなメッセージを感じて、私も前向きな気持ちになれました。(ブックレットにある3人の写真をジャケットに使ったら3倍売れたと思うなぁ)Thanks!


【リイシュー/発掘】
  1. DELANEY & BONNIE with FRIENDS / On Tour With Eric Clapton(Deluxe Edition)(ワーナーミュージック・ジャパン)
    よくぞ発掘してくれました!デラボニ抜きで"Gimme Some Lovin'"(Bobby WhitlockがVocal)をやっていたり、George HarrisonやDave Masonが参加していたり、詳しいライナーノーツ(日本語版ライナーは別売有)があったり、パッケージがギターアンプのツアーケースになっていたりと、至れり尽くせりの4枚組です。Delaneyの再評価機運を盛り上げたいです。Perfect!

  2. ・SPENCER WIGGINS / Feed the Flame: The Fame & XL Recordings (Kent Records UK)
    ただただ素晴らしい!内容もジャケットも最高です。So Deep!

  3. O. V. WRIGHT / A Nickel & A Nail & The Ace Of Spades (Reel Music 78008)
    これも素晴らしい!ただ、"Ace Of Spades"は、なぜか作者のMelvin Carter のバージョンが元々入っているようです。(何でやね〜ん!)Why?

  4. GERRY GOFFIN / It Ain't Exactly Entertainment(Demo & Other Sessions) (Vivid Sound Corporation VSCD-2260)
    単なるデモ&アウトテイクではありませんでした。曲のかぶりは3曲だけ(しかも唄の雰囲気が異なる別テイク)で、まったくの別物です。個人的には、オリジナル作でのBob Dylanに似せた唄い方が好みに合わなかったのですが、ここではまったくそれがなくて、よりSoulfulです。  しかも、Carole Kingらしき女性Vocalが入っていて(違うという人もいるようですが)、いろいろと当時のことを想像させられます。Eddie Hinton was here!

【特別編】
  1. Ricky / Ricky Sings (BSMF Records BSMF-1018)
    日本人の最高のSoul Singerの復刻作品です。復活LIVE共々、素晴らし過ぎます!Keep on singin',man!

  2. Donnie Fritts and The Decoys / An Evening with Donnie Fritts and The Decoys (Vivid Sound Corporation RATCD-4292)
    自分が存在していた会場でのLIVE盤は初めてかも?Have Mercy!

    他にも、The Derek Trucks Band, Bobby Charles, Trombone Shorty, Aaron Neville, 有山岸、小坂忠・・・良い作品とたくさん出会えて、幸せな年でした。Cyndi LauperのBLUESアルバムも良かったと思います。

赤色: 新録もの

紺色: 再発もの




ベスト・ライブ
Bob Dylan(Zepp Osaka; Mar.13)
Solomon Burke(Japan Blues & Soul Carnival 2010)(なんばHatch; June.1)
内容、インパクト共に甲乙付けがたい一生の記念になるLIVEでした。





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