ルイジアナものが多い...。実際よく聴いたし、2010年はいいものが多かった気がします。これでも、絞ったつもり。他にもアマンダ・ショー、ジョー・クラウン・トリオ、アーニー・ヴィンセント、アンダース・オズボーンなど、いいものはまだまだありました。
一方ブルースは、本当に淋しくなって来たなという印象です。「っぽいもの」は沢山あるけど、ストレートにブルースだけでガツンと一発やってくれる人がもっと出てこないもんでしょうかねぇ。
- LYNWOOD SLIM & IGOR PRADO BAND - Brazilian Kicks (Delta Groove Productions DGPCD141)
偶然にもブルース系で選んだ盤はどれもハーピストでした。LAのリンウッド・スリムが4年ぶりにリリースしたこの作は、スリムものりにのっているけど、彼を支えるブラジルのイゴール・プラド・バンドが素晴らしすぎます。ジャンプ&スウィング感いっぱいの彼ら、インストでもごきげんな演奏を聴かせます。アメリカのバンドでないとついつい色眼鏡で見がちですが、アメリカでもこれだけのバンドはそういないんではと思います。Swingin' Boppersあたりが好きな方にははまると思います。
- CHARLIE MUSSELWHITE - The Well (Alligator ALCD 4939)
久々にアリゲーターに復帰しての1枚。このダンディで渋い音は彼でしか出せない世界。かっこいい。メイヴィス・ステイプルズがゲスト参加しての"Sad And Beautiful World"の素晴らしさが光ります。
- JAMES COTTON - Giant (Alligator ALCD 4940)
この人が未だ元気なのは、それだけで嬉しい。最近のツアー・バンドとのレコーディングというのが、いきいきとしたサウンドを引き出した最大の要因かも。
- BOBBY CHARLES / Timeless (Rice 'N' Gravy RIC 517)
このアルバムのリリース直前に亡くなってしまったボビー。涙なしでは聴けません。いつものほんわかした音ですが、前作よりも元気な気もします。トムズ・キャビンが来日も打診していたという話もあり、実現しなかったのは残念でした。
- TROMBONE SHORTY / Backatown (Verve Forecast UCCB-1036)
2010年はこの人の年と言っても過言ではなかったでしょう。一ローカル・ミュージシャンからいっきにメジャーのスターに。2度の来日で見せた堂々たるステージでも彼の成長ぶりを見せつけられました。
- DR. JOHN AND THE LOWER 911 / Tribal (429 Records FTN-17803)
久々に来日もしたドクター・ジョン。もう2010年で70歳とすっかり歳を取りましたが、出て来る音楽が現役バリバリなのが嬉しい限りです。昨年ニューオーリンズ系のアルバムではこの作品はとてもよく聴きました。彼のヴードゥー的なドロドロした部分と、ニューオーリンズR&B的な部分が程よくブレンドされた傑作だと思います。ここ最近ではベスト。
- HONEY ISLAND SWAMP BAND - Good to You (Threadhead)
ニューオーリンズのルーツロック・バンドの3作目。どの作品もよくできていますが、これは前作よりも更に強力になった感じがします。知名度的にはまだまだでしょうが、個人的にかなり入れ込んでます。
- VARIOUS ARTISTS / Treme - Music From The HBO Original Series, Season 1 (Geffen/HBO B0014910-02)
ニューオーリンズ音楽の力強さを再認識させる強力な1枚でした。血湧き肉踊ります。まだ聴いてない人には、とにかく聴いてほしい。こんな音楽で溢れるドラマシリーズを作ってしまったHBOってすごい。日本では未公開だけど、早くそっちも見たい!
- JACKSON BROWNE & DAVID LINDLEY / Love Is Strange (Inside Recordings INR5111-0)
似た毛色ではキャロル・キングとジェイムズ・テイラーのライヴ盤も来日公演も含めてとてもよかったんですが、あっちが往年の音の再現だったのに対し、こちらは、黄金のコンビ復活なのに、あえて昔の音とは違う路線を行ったところが新鮮でした。昔のままの音もやってほしいですけどね。
- FEUFOLLET / En Couleurs
10代前半でデビューした彼らもすっかり大人ですが、ダンス・ミュージックののりのよさだけでなく、哀愁と言うか味わい深さが加わった気がします。聴けば聴く程に愛着の沸く音です。
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