2016/1/14

東京でマルディグラ with Cha Wa  ニューオーリンズ

今年のニューオーリンズのマルディグラデイ(謝肉祭)は2月9日ですが、1月末からその当日に向けて、ニューオーリンズでは、連日パレードが繰り広げられ、多くの観光客が現地を訪れることになるでしょう。

そのマルディグラのおすそ分け的なイベントが東京であります。ブルーノート東京で、ニューオーリンズのマルディグラ・インディアンのグループ、チャ・ワをフィーチャーして行われる「ニューオリンズ・マルディ・グラ in TOKYO」がそれです。

NEW ORLEANS MARDI GRAS in TOKYO featuring CHA WA
日時:2016 2.4 thu., 2.5 fri.
[1st]Open5:30pm Start6:30pm [2nd]Open8:20pm Start9:00pm
http://www.bluenote.co.jp/jp/artists/cha-wa/

[Personnel]
Spyboy J'Wan Boudreaux(vo)
Big Chief Kentrell Watson(vo)
Wes Anderson(tuba)
June Yamagishi(g)
Joe Gelini(ds)
Stephen Malinowski(org)


このチャ・ワというグループ、2010年、ドラマーのジョー・ジェリーニを中心に結成され、ニューオーリンズのジャズフェスなどでその演奏を披露してきました。バンド名は「We're coming for ya!=射止めてやるぜ!」を意味するマルディグラ・インディアンのスラングだそうです。今回の来日メンバーには、ビッグ・チーフ・ケントレル・ワトソン、スパイボーイ・ジャーワン・ブードローという二人のマルディグラ・インディアンが参加します。

ワトソンは、インディアン・トライブ(部族)の中では比較的新しい1996年に設立されたワイルド・モヒカンズの設立時からのビッグ・チーフであり、またジャーワン・ブードローは、ワイルド・マグノリアス、ゴールデン・イーグルスで活躍したビッグ・チーフ・モンク・ブードローの孫にあたります。まだとても若いはず。

他、ワイルド・マグノリアスのメンバーとして活躍して来た山岸潤史も加わっており、マグノリアスに強い影響を受けたニューオーリンズ・ファンクを期待していいのではないでしょうか。

尚、チャ・ワは作品としては、2015年にブラジリアン-アメリカンのバンド、ネーション・ビートと「Carnival Caravan」というミニ・アルバムを出しています。これは、ネーション・ビートが紡ぎ出すブラジル北東部の音楽マラカトゥのビートとマルディグラ・インディアンの伝統的なチャントを融合させた新鮮なサウンドでした。

ニューオーリンズもブラジルもともに、カーニバルで有名な土地。両者のサウンドは非常に相性がいいんでしょうね。

クリックすると元のサイズで表示します
Nation Beat featuring Cha Wa - Carnival Caravan
(Nation Beat Music)
http://www.cdbaby.com/cd/nationbeat12

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そもそも、マルディグラ・インディアンって何?と思っている人もいるかもしれません。これはニューオーリンズ特有の文化のひとつであって、もともとはその昔、黒人奴隷が白人君主の暴力に耐えかねて郊外のスワンプ地帯にに逃げこんだ際に、ネイティヴ・アメリカン(インディアン)のトライブ(部族)にかくまわれたことに端を発しています。かくまわれた黒人たちは、インディアンたちに感謝し、彼らに敬意を表して、インディアンの伝統を自分たちなりに消化し、子孫に受け継いだのです。

マルディグラ・インディアンには、現在も数多くのトライブが存在し、それぞれの中に酋長(ビッグ・チーフ)、セカンド・チーフ、クイーン、スパイボーイ(敵情視察を役割とする人)などの役割分担があります。今日ではこれらの役割は形式的なものですが、かつては部族ごとのコミュニティがあり、部族間で争いもしていたのです。

ニューオーリンズのマルディグラは、歴史的には白人のお祭りであり、黒人たちが参加することは許されていませんでした。このため、黒人たちはマルディグラ・インディアンによる独自の「裏マルディグラ」を生み出したという経緯があります。彼らは、インディアン由来のビーズを多くあしらったコスチュームを毎年自作し、街をパレードしました。今日でも、マルディグラのために彼らは自らコスチュームを手作りで縫いあげます。

彼らの中では、インディアン・プラクティスという儀式の中で歌われる独特のチャント(コール・アンド・レスポンスと打楽器による歌)があり、長年歌い継がれて来ました。ワイルド・マグノリアスがこれにバンドを加え、モダンなファンク・ミュージックに仕立てたことから、広く知られることとなりました。

インディアンのチャントの中では、"Shallow Water"(浅瀬の意)が有名ですが、これは黒人奴隷がインディアンのもとに逃げ込んだ際に、スワンプ(湿地帯)を渡ったことに由来するものと言われています。かつてのニューオーリンズは、ミシシッピ川沿岸が街として栄えていた反面、そこから出ると、周囲は一面スワンプでした。奴隷が街の外に住むインディアンのところまで行くには、スワンプを渡らなければならず、その際「こっちが浅瀬だ」と呼びかけたというわけです。

というように彼らの歌の中からも、その歴史を垣間見ることができるのです。

以上、ざっくりとした説明ですが、こういう歴史を踏まえて彼らの音楽を聴くと、その深みをよりよく理解できるかもしれませんね。
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