2016/2/8
チャ・ワが展開したマルディグラ・ライヴ ニューオーリンズ
ニューオーリンズ最大のイベントと言えば、2月から3月の時期(毎年日程は異なります)のマルディグラ。カトリック教徒のお祭りで、人々は仮装をし、家を紫、金、緑のマルディグラ・カラーで飾り、街には大きなフロート(山車)がパレードします。この時期には、春のジャズフェスを上回る大勢の観光客が世界中から押し寄せます。
マルディグラ・インディアンの伝統は、そんなマルディグラの中でも特にユニークなものと言えると思います。黒人がネイティヴ・アメリカンの伝統を取り入れる形で、彼らのような衣装をまとい、パレードを行うのは他の地では見られない独特なものです。
チャ・ワは、そんなマルディグラ・インディアンの伝統を受け継ぐ最も新しいバンドのひとつです。結成は2010年に遡りますが、最近までCDは出しておらず、僕もニューオーリンズのFM局WWOZでライヴを聴いたことがあったくらいで、あまり詳しくは知りませんでした。
しかし、昨年末のネーション・ビートとのミニ・アルバムに続き、今年のマルディグラに合わせた初のフル・アルバム「FUNK 'N' FEATHERS」がリリースされ、来日まで実現してしまいました。
来日公演は、想像以上にポップで明るいサウンドが印象的でした。飛びっきりファンキーなワイルド・マグノリアスなどと比較すると、"Li'l Liza Jane"や"Shallow Water"といった定番曲もテンポがひと回り早く、なんだかチャキチャキした江戸っ子と言った感じ(笑)。キーボードのスティーヴが奏でる音も、ブルース・スケールは殆ど使わないメジャー・スケール基調の底抜けに明るい調子で(実際、プレイする彼の表情がとても嬉しそうなのが特に脳裏に焼きつきました)、ファンクというよりは、カリプソニアンに近い雰囲気すら醸し出していました。
そこに強力なニューオーリンズのストリート感覚を加えていたのがスーザフォンのウェスでした。ニューオーリンズではマーチング・バンドに使われるスーザフォンがブイブイ唸りを上げ、サウンドに前のめりな推進力を与えていたと思います。
マルディグラ・インディアンの衣装を着た2人は、2曲目から登場。やはり、あの衣装を着て出てくるだけで、盛り上がりますね。存在感としては2人とも地味目ではあったのですが、ブードローはメインでMCをこなし、歌い、タンバリンを打ち鳴らし、彼の熱意が徐々に客席に広がっていくのを感じました。途中女性客をステージに上げて踊るなど楽しい雰囲気を作り上げていました。
途中、ギターの山岸潤史がMCで昨年ワイルド・マグノリアスのボ・ドリスが亡くなったことに触れ、彼に捧げると言ってマルディグラ賛歌"All On A Mardi Gras Day"を披露。ドリスとジャワーンの祖父モンクは、2001年7月にマグノリアスで、揃ってこの同じステージに立ちました。そのとき、ギターを弾いていたのも山岸さんだったのです。
終盤には、ステージからたくさんのビーズが客席に投げ込まれ、ますますお祭り気分に会場は酔いました。
今年のマルディグラは2月9日。メンバーたちは、公演終了後の6日に帰国し、地元でマルディグラデイを迎えるそうです。
産地直送で運んできてくれたマルディグラのおすそわけ。ごちそうさまでした。
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Cha Wa
Blue Note Tokyo
Thu., February 4, 2016
2nd set (21:05-22:20)
[Setlist]
St. James Infirmary (inst. without Watson & Boudreaux)
Medley:
- Casanova
- You Can Call Me Al
- Hey! Baby
Big Chief
Ooh Na Nay
Jock-A-Mo
Shallow Water
All On A Mardi Gras Day
Firewater
Li'l Liza Jane
New Suit
Cha Wa Got Fiya
-encore-
Hey Pockey A Way
[Personnel]
Spyboy J'Wan Boudreaux - vo., tambourine
Big Chief Kentrell Watson - vo., timbales
Wes Anderson - sousaphone
June Yamagishi - gt.
Joe Gelini - ds.
Stephen Malinowski - p., org.
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ブルーノート東京サイトのライヴ・レポート
(写真あり)
http://www.bluenote.co.jp/jp/reports/2016/02/05/new-orleans-mardi-gras-in-tokyo-featuring-cha-wa.html
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Cha Wa公式サイト
http://chawaband.com/
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Special thanks to Up-Right Productions, inc. for the set list
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