2016/2/20

ブルース・ギタリスト、カーク・フレッチャー初来日  ブルース

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Kirk Fletcher 2003 at Long Beach Blues Festival
apearing with the Charlie Musselwhite Band
Photo (c)Masahiro Sumori.

LAのブルース・ギタリスト、カーク・フレッチャーが初来日します。来月マイケル・ランドウのゲストという形で、東京丸の内のコットンクラブで4日間、計8回の公演を行う予定となっています。

これは、楽しみです。カークは、そのゆるキャラのようなほんわかした出で立ちとは裏腹に、非常にアグレッシブで畳み掛けるような小気味のよいプレイを特色とするギタリストです。現役のブルース・ギタリストでは最も今脂の乗っているひとりでしょう。

本名カーク・イライジャ・フレッチャー、1975年12月23日、ロサンゼルス郊外のベルフラワーに生まれ、8歳の頃に兄の影響でギターを始めたそうです。1999年英JSPレーベルよりファースト・アルバム「I’m Here And I’m Gone」でデビュー。個人的なことになりますが、僕はこの頃、友人のハーピスト、故リンウッド・スリムを通じて彼に会いました。その際、彼が12歳のとき見たアルバート・コリンズに衝撃を受け、ブルースにはまったと言っていたのを覚えています。他に好きなギタリストは?と聞いたら、パット・ヘア(ハウリン・ウルフやマディ・ウォーターズのバンドでプレイしたギタリスト)が大好きだと答えたのも印象に残っています。ヘアは、ソロ作もないセッション・ギタリストですから、渋好みですよね。

その後、2004年ザ・マニッシュ・ボーイズの立ち上げに参加したのを始め、2005年から3年ほどファビュラス・サンダーバーズのメンバーとしても活躍。彼らの2005年のアルバム「Painted On」にも参加しています。他リンウッド・スリムやチャーリー・マッスルホワイトのサポート役としてプレイする傍ら、自らのバンドでも活動してきました。

彼が参加したバンドで特に注目すべきは、ハリウッド・ブルー・フレイムズです。1970年代から80年代にかけて活躍したハリウッド・ファッツ・バンドが2000年代に入って再結成したものですが、1986年に亡くなったファッツの代わりにギタリストとして迎え入れられたのが当時20代の若きカーク・フレッチャーだったのです。ベテラン・メンバーの中で、彼は名手ファッツに負けず劣らずの素晴らしいプレイを披露しています。

今日まで、カークはソロ作はダウンロード限定作も含め4枚出しています。当初は、ヴォーカリストは別に立てギターに専念していましたが、サード・アルバム「My Turn」(2010年)で、初めて2曲でリード・ヴォーカルを披露しました。うまいわけではないものの、率直で力強く存在感を示しました。アルバムのタイトルは、「今度は自分が歌う番だ」という意味だったのでしょうか。いよいよ、本格的にフロントマンとしてやっていくことを宣言した作品と言えます。続く2014年のライヴ盤でもカークはヴォーカルを披露しています。

マイケル・ランドウは、その「My Turn」のプロデュースを担当し、ギターで全面的に参加していることから、以前からの付き合いが深いのでしょう。息のあったプレイを期待したところです。

【公演情報】
THE MICHAEL LANDAU GROUP
with special guest KIRK FLETCHER
2016. 3.11.fri - 3.14.mon
http://www.cottonclubjapan.co.jp/jp/sp/artists/the-michael-landau-group/

【ディスコグラフィ】
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Kirk “Eli” Fletcher / I’m Here And I’m Gone (JSP; 1999年)
デビュー作。サウンドの仕上がりには、しょぼさを感じるところもあるものの、既にギタリストとしての才能は十分感じさせる作品です。ヴォーカルは、ジョニー・オーティス・ショーなどで活躍したジャッキー・ペイン、セッション・ギタリストとしても名高いジョン・マークスが担当。

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Kirk Fletcher / Shades of Blue(Crosscut; 2003年)
テンションの高いカークらしいギター・プレイが全開、前作よりもバンドのサウンドとしてはかなりまとまりを感じさせます。キム・ウィルソン参加。

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Kirk Fletcher / My Turn (Eclecto Groove; 2010年)
マイケル・ランドウ・プロデュースの本作で、カークは初めて2曲でヴォーカルを披露。ジミヘンばりのロック的なアプローチも見せ、一皮向けた印象の作品。

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Kirk Fletcher / Live At the Baked Potato Burning Blues(自主制作; 2014年)
CD Babyを通じたダウンロード販売のみのライヴ盤。LAの老舗ライヴハウスでの2夜に渡るライヴを収録したもので、トリオ、あるいはカルテットというシンプルな編成でインストを中心に熱い演奏を展開します。


【参加作品】
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Hollywood Blue Flames / Soul Sanctuary(Delta Groove; 2005年)
ハーモニカのアル・ブレイクを始め、1970年代のハリウッド・ファッツ・バンドに在籍したメンバーが再結集して作られたハリウッド・ブルー・フレームスのファーストで、カークは堂々たるプレイを披露しています。抜群のスウィング感はブルース・バンドの理想形とも言えるサウンドです。

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The Mannish Boys / That Represent Man!(Delta Groove; 2004年)
LAのブルース・シーンの名手たちが集結したバンド、マニッシュ・ボーイズのデビュー作で、カークは全面的に参加。直球勝負の濃いブルースが展開されています。

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The Fabulous Thunderbirds / Painted On(Tone-Cool/Artemis; 2005年)
ロックロール色のブギはジミー・ヴォーン在籍時からのサンダーバーズ・サウンドで、バンドの健在ぶりを示した作品と言えますが、カークの仕事としてみれば、没個性的と言わざるを得ません。ただ、このバンドに参加したことによって彼のことを知ったという人も多いでしょうし、彼のステップアップの足跡のひとつと言えるのではないかと思います。

【公式サイト】
http://kirkfletcherband.com/

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Kirk Fletcher & Lynwood Slim, 1999
Photo (c)Masahiro Sumori.
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タグ: 来日公演
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