2018/12/22

アート・ネヴィルが引退  ニューオーリンズ

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Art Neville at New Orleans Jazz & Heritage Festival
Fri., May 2, 2008
Photo (c) Masahiro Sumori. All rights reserved.

アート・ネヴィルが12月19日、プレス・リリースという形で音楽活動からの引退を表明しました。アートと言えば、ミーターズを結成し、ニューオーリンズ・ファンクの礎を築いた功績は強調してもしすぎることはありません。長年Poppa Funkの愛称でファンに親しまれてきました。

1977年にミーターズは解散し、アートはアーロン、チャールズ、シリルの兄弟たちとネヴィル・ブラザーズとして活動するようになりました。

アートは背中や腰に痛みを抱えていた上に、過去に脳卒中も経験しており、長年健康問題を抱えつつ、演奏活動を続けていました。引退は残念ではありますが、彼の状態を考えれば驚きはありませんし、仕方なかったのだろうなと思います。

2017年8月、アートはサンフランシスコのフィルモアで予定されていたオリジナル・ミーターズの再結成コンサートを体調不良によりキャンセル。以後1年以上に渡って公の場に姿を見せていません。その間病状も伝わってこなかったので、気になっておりました。

今年2018年、ミーターズはグラミーの生涯業績賞(Lifetime Achievement Award)を受賞。7月にロサンゼルスで授賞式が行われましたが、アートはこれも欠席。息子のイアンが代理で出席し、そこでのミーターズの演奏は、アートの代役としてグレッグ・フィリンゲインズがキーボードをプレイしました。

彼は過去に何度もネヴィル・ブラザーズやファンキー・ミーターズで来日をしていますが、2014年1月のファンキー・ミーターズ来日時に、僕はバンドにインタヴューをする機会がありました。事前に誰が出てくるのかはわからなかったのですが、アートは無理と聞いていました。実際に出てきたのはジョージ・ポーターJr.のみでしたが、楽屋でのインタヴュー終了後、部屋を出たところの廊下にアートが椅子に座っていました。その場でアートが「話してもいいよ」と言ってくれたので、急遽インタヴューをすることができました。

僕の質問に対するアートの反応はとてもゆっくりとしていて、衰えは明らかでしたが、「ジョージが俺について何をしゃべったか知らんが全部嘘だから信じるなよ!」などと冗談を飛ばす一幕もありました。ステージではオルガンの椅子から落ちそうになり、支えてもらいながらプレイをしていました。時折弾くタイミングを間違えたりもしましたが、あんな健康状態でも日本まで来るということは本当に音楽をプレイすることが好きなんでしょうね。そしてライヴが終わると車椅子に乗りながらもサイン会にもちゃんと出てきてファンに向き合っていました。すごいことだなぁと思います。

最後の来日はその翌年2015年の5月、やはりファンキー・ミーターズの公演でした。声もあまり出ておらず、歌詞を忘れて止まってしまったりもしましたが、自由奔放に演奏を楽しんでいるのはしっかり伝わってきました。

インタヴューの際、アートは「ときにきついこともあるけど、音楽は好きだ。もうプレイ出来なくなるまで、プレイするつもりで頑張っているよ」と語っていました。

今回引退を決断したということは、もう今の健康状態では演奏活動はできないと考えたということなのでしょう。残念ですが、彼は1953年にデビューして以来65年という長きに渡りファンを楽しませてきました。もう十分ではないでしょうか。

12月17日、彼は81歳の誕生日を迎えています。彼の今の健康状態が気にはなりますが、今はお疲れ様と言ってあげたいです。

残された人生をのんびりすごしてもらえればと思います。

【過去のブログ記事】
ファンキー・ミーターズ来日公演レポート(2015年)
https://black.ap.teacup.com/sumori/1622.html

ファンキー・ミーターズ来日公演レポート(2014年)
https://black.ap.teacup.com/sumori/1493.html

ファンキー・ミーターズ来日公演レポート(2009年)
https://black.ap.teacup.com/sumori/252.html

ネヴィル・ブラザーズ来日公演レポート(2008年)
https://black.ap.teacup.com/sumori/185.html

※2014年のインタヴューは、Blues & Soul Records誌 No. 117に掲載されています。
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