2019/3/18

Dan Penn & Spooner Oldham 20年ぶりの来日公演レポート  R&B/ソウル

ダン・ペン&スプーナー・オールダムの来日公演、最終回を見てきました。シンプルに2人だけで淡々と名曲の数々を歌うコンサート。それは僕が今まで見たことがあるライヴの中でも最も地味な部類のものだと思います。一方間違えば場末な雰囲気になってしまいそうな飾り気のないコンサートには大勢のお客さんが詰め掛け、熱気にあふれていました。

ダンは9年前に一度来日していますが、この2人で来日するのは1999年以来実に20年ぶりです。

ステージ前半は、2人でやったライヴ盤「Moments from This Theatre」からの選曲を中心に、後半はもう少し変わり種の曲を混ぜ込んだ展開でした。盛り上げどころというものも特にないマイペースな2人。持ち歌も多いだけに、このまま永遠にやっているのでは?という感じもしましたが、開始後75分ほど経ち、MCの人が出てきて締め、一度終了。その後アンコールを2回やり、終わった頃にはビルボードライブでの1ステージとしては長めな90分近い時間が過ぎていました。途中、ボックストップスの話をしながら2人でアカペラで歌った”The Letter”はおまけのようなものでしょうが、一応フルコーラス歌っていたので、セットリストに入れました。すると、全部で19曲。結構これって多いですよね?

ドニー・フリッツとの共作の"Rainbow Road"や"Memphis Women And Chicken"も飛び出しました。ドニーの久々の来日公演は、同じこの会場で2週間後あります。遥々と米南部からこういう人が立て続けに来るのは嬉しいですが、不思議な感じもしました。

終盤になって「一番はじめに書いた曲のひとつ」と言って"Is A Bluebird Blue"を歌いました。渋くゆるいシャッフルはダン・ペンいわく「ジミー・リードが大好きだったから、そんな感じをイメージした」んだそう。

この日の選曲の中でも個人的には”I’m Living Good”が染みたなぁ。ダンが「これって誰がやってたっけ?」とブツブツ言うと、スプーナーが「オヴェーションズだよ」と返します。「ああ、オヴェーションズだったな」。2人の会話はMCというよりは、なんだか独り言のようで、半分オフマイクだったりするので、何を言っているのかわからないところも(笑)。そんなのんびりほのぼのした時間でした。

とりあえず、メモっていたセットリストを上げておきます。この日の一部は、アンコールはなかったそうですが、最終回だったからか、2回のアンコールに応えてくれました。ステージ進行は、1曲が終わると2人顔を見合わせながら、歌帳らしきものをペラペラとめくる感じで、カチッとしたセットリストはなかった模様です。

途中リクエストの声も挙がりましたが"My Heart's In Memphis"のリクエストに対して、ダンは「あぁ、アーマ・トーマスが歌ったやつか。あれはできないんだよね」とあっさりスルー(笑)。一応、用意している曲からの選曲なんですね。当たり前か。。。

20年前の来日公演や前述のライヴ盤と雰囲気は殆ど変わらないんですが、あとあと考えてみるとライヴ盤に入っていた曲でも”Met Her In Church”や”It Tears Me Up”など、意外とやっていない曲もありました。でも、押さえるところは押さえていたし、たっぷりやったので、不満はないですけどね。

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Dan Penn & Spooner Oldham
Sun., March 17, 2019 (2nd show 19:30)
Billboard Live Tokyo
19:30- 20:57 (encore 20:48- )

Setlist
1. I’m Your Puppet
2. Sweet Inspiration 
3. The Letter (The Box Tops - a cappella)
4. Cry Like A Baby
5. Do Right Woman, Do Right Man
6. You Left the Water Running 
7. The Dark End of the Street 
8. Nobody’s Fool 
9. I’m Living Good 
10. Ol’ Folks 
11. I Do 
12. Rainbow Road
13. You Really Know How To Hurt A Guy
14. Take A Good Look 
15. Memphis Women And Chicken 
16. Is A Bluebird Blue
17. Nine Pound Steel
-encore1-
18. Long Ago
-encore2-
19. Raining in Memphis

[Personnel]
Dan Penn - lead vocals, acoustic guitar
Spooner Oldham - keyboards, harmony vocals
6
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