2010/7/23
訃報: Phillip Walker 1937-2010 ブルース
Phillip Walker, 2000
(by Masahiro Sumori)
フィリップ・ウォーカーが亡くなったそうです。7月22日の現地時間午前4:30、カリフォルニア州のパームスプリングスで心不全により死去。73歳でした。4月にステージで息苦しさを覚え入院したとの話があり、心配しておりましたが、訃報に接し残念でしかたがありません。
1937年2月11日、ルイジアナ州ウェルシュ生まれ。テキサスからウェストコーストの流れを汲むスウィング的なサウンドを基調としていましたが、ルイジアナ生まれでクリフトン・シェニエのバンドでプレイした経験をも持っており、南部で培った泥臭さ、ゆるさも持ち備えたいたと思います。1995年の「Working Girl Blues」ではザディコ・ナンバーもやっていたりして、やっぱりルイジアナがルーツなんだなぁと思ったものです。
1959年のデビュー曲"Hello My Darlin'"の意外なほどポップな味わい、やっぱり名曲ですね。最後のアルバムは、2007年の「Going Back Home」。声が随分お爺ちゃんぽくなっちゃったなと感じましたが、その老いを味として活かしたアルバム作りはさすがでした。これはこれで晩年の彼にしかできないいぶし銀の魅力なんですよね。サウンドの深さはさすがベテランと唸らせるものでした。
来日は(多分)2回。1979年、BMR誌の主催のブルースショーでジョージ・スミスと来日したのが初。このときの様子はライブアルバムになりました。2度目は、1997年のパークタワー・ブルース・フェスティバル。これは病欠のジミー・ロジャーズの代打として急きょ決まったものでしたが、とても安定感のあるステージを見せてくれました。自分がソロを弾いたあとは必ずバンドのメンバーにも回すという律義さから、ちょっとだれることもありましたが(笑)。このとき、サインをもらってちょっとだけお話しすることができましたが、とても落ち着いた感じの紳士でしたよ。
LAのブルースシーンから、最後の大物のひとりが逝ってしまいました。心からご冥福をお祈りします。
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