2010/8/6
Wild Magnolias @Billboard Live Tokyo

久しぶりの来日、ワイルド・マグノリアス。今回のメンバーにボ・ドリスが入ってないと聞いて「えー!?」と思ったのは僕だけではないでしょう。だって結成当初からずっと彼のバンドだし、彼のトライブなのですから。言ってみれば、マーク・ボランのいないTレックス。はたまた、キースに続いてミックも抜けてしまったストーンズのようなものか。(抜けてませんよ、ただの例えです)寸前まで行こうか迷ってましたが、結局観に行きました。
ライブはそれなりに楽しめました。予定されていたドラムスのジェリービーンはジャマル・バティストに代わっていたけど、山岸潤史(gt.)ら2名の日本人を含むバンドは熱かったし、ボがいなくても、インディアンの衣装を着た人たちが出てくるとそれだけで盛り上がります。細かいことは考えずに、フォンキーなリズムに身を任せるのがよいなと思いました。
しかし、正直言ってボの穴は大きすぎます。3人のインディアンたちは華やかな衣装に身を包んではいますが、どうも小物感が拭えません。前面に立っているのは彼らなのに、リード・ボーカルは後ろにいるギーチー・ジョンソンっていうのが、グループの苦境を物語っているように思えました。彼ら動きも地味で、失礼な言い方だけど、何だかお飾りというか、腹話術人形と言うか。バンドを引っ張るどころか、ギラギラした感じも全くないんだもん。ボと差がありすぎる。
マルディグラインディアンの場合、曲はどれも同じようなものなので(笑)、何をやっても個人的には全然OKなんですが、以前とは曲目もやっぱりちょっと違いましたね。"Smoke My Peace Pipe"とか"Ho Na Nae"等代表曲がなかったり、一方で"Fire Water"やラテンフレーバーの"Wild Magnolia"をやったりとか。
ハイライトは、アンコールでした。それまで大人しかったビッグ・チーフ・アルが、別人のようにのりのりで登場し「座ってちゃ楽しめないぜ、さぁ皆立った、立った!」と促して、何をやるのかと思ったら、バンドなし、ギーチーのタイコだけをバックに、コール&レスポンスで"Shallow Water Oh Mama"をやり出したのです。まさにインディアン・プラクティス。原始的だけど、深みがあってパワフルです。なんだ、やればできるんじゃん。最初っからこうやって存在感示してくれれば、もっと盛り上がったのに。やっぱりビッグチーフが皆の衆を引っ張ってくれないとね。
インディアン登場前にフィーチャーされたベースのベニー・ターナーにも拍手を送りたいです。この人フレディ・キングの実の弟で、フレディのフェデラル盤などでもベースを弾いているベテランなのです。ニューオーリンズに移住してからはつい先日亡くなったマーヴァ・ライトのバンドでプレイしていました。この日は2曲でリード・ボーカルを取り、リード・ベース(!)を弾きながら客席にまで降りて来るという主役級の目立ちよう。このおじさん昔から変わらないねぇ。すらっと背が高くて、見た目若いわぁ。えらく元気でした。あとは、もう一人の日本人、キーボードのコマキケイコさんもプロフェッサー・ロングヘア・スタイルのプレイなど、好演でした。
ライブはビルボード東京の公演としては長めの1時間40分くらい。途中、ニューオーリンズ系ではお約束のように大量のビーズやおもちゃのタンバリンが客席に投げ込まれたり、終盤にはお客さんを次々ステージに上げるなどサービス精神溢れるものでした。二部では更に長い時間プレイしたようです。
大阪公演では、更にBLITZ AND SQUASH BRASS BANDが前座を務めたそうですね。それも楽しそうでいいなぁ。
やや複雑な思いは残りながらも、やっぱニューオーリンズものはいいわぁと蒸し暑い街から帰路に着いたのでした。
ボ・ドリスさん元気になって下さいね。

The Wild Magnolias Setlist
Billboard Live Tokyo, Aug. 5, 2010, 1st set (19:00- )
Hideaway (Freddie King cover)
I'm Tore Down (Freddie King cover) - Benny Turner- vo.
Shake for Me (Howlin' Wolf cover) - Benny Turner- vo.
-
Jockomo (Iko Iko)
Party
Fire Water
Big Chief
Injuns, Here We Come
Wild Magnolia
Bye Bye Baby
-encore-
Shallow Water Oh Mama
Personnel:
Norwood "Geechie" Johnson - lead vocals, percussion
June Yamagishi - guitars
Benny Turner - bass, vocals
Keiko Komaki - piano, organ
Jamal Batiste - drums
Big Chief Al - vocals, tambourine
Flagboy Skeeter - vocals, tambourine
Spyboy Allen - vocals, tambourine
0
2010/8/6
フジロック2010ライブ・レポート, Part 2 ロック
- Part 1から続く -

JAMIE CULLUM (Green Stage)
フォガティーの前の場所取りのために観たようなものでしたが、これが思わぬ収穫でした。名前をどっかで聞いたことがある程度でしたが、曲を聴いたら聞き覚えがありました。やっぱ有名なんですね。ポップで歌もうまいしピアノはときにちょっとニューオーリンズR&Bっぽい雰囲気もあったりして、なかなかいい感じ。それよりも彼の盛り上げ方のうまさ。全力でプレイするファンへのサービス精神に打たれました。特に、ファンキーなアレンジのジミヘンの"Wind Cries Mary"は新鮮でした。終盤ステージから降りて来て、観客がその様子を見ようといっきにステージの方へ殺到。そのドサクサで、次のフォガティーのライブに向けていい位置を確保できちゃった(笑)。ラストで燃え尽きてステージ上に大の字に倒れ込むパフォーマンスも。時間は過ぎていたけど、大歓声に応えて、ピアノソロでアンコール。やったのは"Singing in the Rain"。これもよかったよ。
JOHN FOGERTY (Green Stage)
もう文句なしに最高でした。詳しくは別レポートをご覧下さい。ステージセットアップ中、JOHN FOGERTYのロゴが入ったドラムセットが運び込まれて興奮。サウンドチェックの人がアコギで、"Lookin' Out My Back Door"のミュートしたリズムをちょこっと弾いただけで、"Doo, doo, doo lookin' out my back door"と思わず口ずさんでしまい、カウベルがカンカン鳴っただけで"Down on the Corner"だ!と浮き足立ち、約50分の休憩時間、もう待ちきれなかったです。でもライブが始まりいっきに弾けました!
ROXY MUSIC (Green Stage)
土砂降りの中、遠目にちょっとだけ観ました。雨のせいか、大スクリーンに何も映っていなかったので、視覚的には「あの真ん中の人がブライアン・フェリーだろうな」程度にしか判らなかったけどステージはカラフルだった。すぐにデレク&スーザンのためにヘブンに移動しました。聞いた話だと、スクリーンはその後復活したそうです。
DEREK TRUCKS & SUSAN TEDESCHI BAND (Field of Heaven)
気が付いたら結構開演時間が迫っていたので、やや焦りながらヘブンへ移動。しかーし!公式グッズショップ付近で「この先ホワイト・ステージが混雑しているため通行規制中です。先には行けません」だと。ぬぁにぃ?引き返す人も多い中「じゃあロキシー・ミュージックで妥協するか」ってもんでもなく、無視して行けるところまでずんずん進んで行ったら、その間に規制が解除されたようで、無事ヘブンまで行けました。でも、あと少しで着くところで向こうからバンドの音が。と言うわけで最初の数分だけ見逃しました。

ライブは予想以上によかったですね。当初は大雨でびしょ濡れになる中、タコライスを食らいながら見てたんですが、途中から止んでくれたし。スーザンがリードVo.でデレクがメインギターという夫婦のコンビは役割分担としては理想的。悪いけど、正直言ってマイク・マティソンがvo.のデレク・バンドより断然いい。女性だけに華があるし、スーザンはブルージーで最高です。因みに事前のメンバーリストにはマイクも入っていたけど、実際はいませんでした。
スーザンもデレクも、実はあまりアルバムを聴いてないので曲は判らないものが多かったですが、O.V.ライトの"I'd Rather Be Blind, Crippled and Crazy"なんていい感じだったし、スーザンが「皆ブルースは好き?」と問いかけてやったボビー・ブランドのカバー"That Did It"もよかった。スーザンはギターはデレクがいるのでリードはそんなに取らず、ときにはギターを置いてボーカルに専念する場面もあったけど、この曲を含めて何曲かで、ブルージーなリードを弾いてくれました。
この日、一番だったのは、アンコールでやった"Stand Back"。言うまでもなくオールマン・ブラザーズ「Eat A Peach」収録のあの名曲で、ボーカルはスーザン。まさかオールマンの曲をやるとは思ってなかったので興奮しましたよ。ベースがオテイルだったからというのもあるのでしょうか?次はオールマンも来てほしいな。21時過ぎに始まり、23:15くらいまでのたっぷり2時間のステージ、堪能しました。終演と同時にまたも雨が降ってきました。しつこい!

TROMBONE SHORTY & ORLEANS AVE (Crystal Palace Tent)
ニューオーリンズの注目若手、トロンボーン・ショーティーは、メインのヘブン出演がもろフォガティーと被っていたけど、よく見ると23:45からという深夜公演もあったので、ラッキー。デレク&スーザン終演後、雨の中ヘブンから移動。やっぱり相当遠いので時間がかかり、到着した頃にはもう始まっていました。会場は「テント」と呼ぶには意外と立派で、古風なライブハウスのような造り。既にダンスフロアには大勢の人がいて、熱気ムンムン。何だかこの雰囲気、ちょっとニューオーリンズのクラブで見ている感じもあってなかなかよい。そのショーティー。数年前にニューオーリンズで見た時とは印象が全く違いました。以前は、プレイヤーの一人として黙々と演奏している感じでしたが、ここでは、プレイヤーというよりはバンドリーダーですね。もちろんプレイもしてるけど。バシバシ手で合図を出して、バンドをまとめ上げている姿に、おお、成長したなぁと思いました。曲もパンチが効いたファンキーなものの連発。アラン・トゥーサンの"On Your Way Down"なんてやったけど、これもトゥーサンよりずっとファンキーでした。楽器は殆どずっとトランペットだったな。トランペット・ショーティーにした方がいいか(笑)。

時間がオーバーしても演奏は続き、観客はすごい盛り上がってます。10分以上オーバーしたところで、彼らはようやくステージを去り、次の鮎川誠(シーナもいた)へバトンタッチ。しかし、熱狂した観客はショーティーをもっと見たいとアンコールを要求し続けます。初めての日本で、こんなに彼が受けているのを見ると自分のことのように嬉しくなるなぁ。
鮎川さんたちも、嬉しそうにショーティーとハイタッチし、「どうぞどうぞ」とバンドメンバーをステージに呼び戻しました。そこで、ショーティーが演奏し出したのが「聖者の行進」。トラディショナルなニューオーリンズっぽいものもやっぱりやるのね、と思ったらそれだけでは終わらず"Everybody Needs Somebody to Love"とのメドレーに。観客がI need you, you, you!"と映画「ブルースブラザーズ」さながらの大合唱になる中、ショーティーはダンスフロアに降りてきて更に煽る煽る!ステージ袖でそれを見ていた鮎川夫妻も大喜び。結局、せいぜい30分程度だと思っていたライブは僕が会場についてから50分はやっていました。これだけ見せてくれれば大満足。よかった見れて。「遥々僕らをニューオーリンズから呼んでくれてありがとう!」なんて言ってたけど、遥々ニューオーリンズから来てくれてありがとね。今度はお兄さんもご一緒に!
鮎川誠(DJ)(Crystal Palace Tent)
続く鮎川さんは何をやるのかと思いきや、なんと演奏ではなくDJ。ジョニー・キッド&ザ・パイレーツやら、来日記念でCCRやら、マージビート系やらかけていたけど、レコードの針飛びがあったり、針を置くときにスクラッチ音やらブチって音が入っちゃったり、挙げ句の果ては同じ曲を間違って2度かけちゃったり、聴き苦しい点があまりに多く、おまけに爆音だったので、疲れました。その隙ありありな感じがまた鮎川さんらしいんですが。前日、サンハウスがライブをやっているので、このDJはおまけだったんでしょうね。最後まで聴かずに外へ出ると、いつの間に雨がやんでいました。よかった。
HIGURASHI RECORDS INC. (Rookie A Go-Go)
すぐそばにある新人バンドのショーケース、ルーキー・ア・ゴーゴーでヒグラシレコーズというバンドがやっていたので、ちょっとだけききました。いい感じだったけど、もうライブ終盤だったようで、すぐに終わっちゃった。なので、あまり印象に残ってないです。ポップというかスカというか。そんな感じだったかなぁ。
以上でライブ鑑賞は終了。時間は間もなく午前2時と言ったところ。9時に着いてから、17時間が経過。いやぁ、堪能した、歩いた、踊った、騒いだ、濡れた、疲れた!
考えてみたら、なんとへヴンとグリーンを5往復もしてた。。そりゃ、疲れるわ。

- Part 1へ戻る -
0

JAMIE CULLUM (Green Stage)
フォガティーの前の場所取りのために観たようなものでしたが、これが思わぬ収穫でした。名前をどっかで聞いたことがある程度でしたが、曲を聴いたら聞き覚えがありました。やっぱ有名なんですね。ポップで歌もうまいしピアノはときにちょっとニューオーリンズR&Bっぽい雰囲気もあったりして、なかなかいい感じ。それよりも彼の盛り上げ方のうまさ。全力でプレイするファンへのサービス精神に打たれました。特に、ファンキーなアレンジのジミヘンの"Wind Cries Mary"は新鮮でした。終盤ステージから降りて来て、観客がその様子を見ようといっきにステージの方へ殺到。そのドサクサで、次のフォガティーのライブに向けていい位置を確保できちゃった(笑)。ラストで燃え尽きてステージ上に大の字に倒れ込むパフォーマンスも。時間は過ぎていたけど、大歓声に応えて、ピアノソロでアンコール。やったのは"Singing in the Rain"。これもよかったよ。
JOHN FOGERTY (Green Stage)
もう文句なしに最高でした。詳しくは別レポートをご覧下さい。ステージセットアップ中、JOHN FOGERTYのロゴが入ったドラムセットが運び込まれて興奮。サウンドチェックの人がアコギで、"Lookin' Out My Back Door"のミュートしたリズムをちょこっと弾いただけで、"Doo, doo, doo lookin' out my back door"と思わず口ずさんでしまい、カウベルがカンカン鳴っただけで"Down on the Corner"だ!と浮き足立ち、約50分の休憩時間、もう待ちきれなかったです。でもライブが始まりいっきに弾けました!
ROXY MUSIC (Green Stage)
土砂降りの中、遠目にちょっとだけ観ました。雨のせいか、大スクリーンに何も映っていなかったので、視覚的には「あの真ん中の人がブライアン・フェリーだろうな」程度にしか判らなかったけどステージはカラフルだった。すぐにデレク&スーザンのためにヘブンに移動しました。聞いた話だと、スクリーンはその後復活したそうです。
DEREK TRUCKS & SUSAN TEDESCHI BAND (Field of Heaven)
気が付いたら結構開演時間が迫っていたので、やや焦りながらヘブンへ移動。しかーし!公式グッズショップ付近で「この先ホワイト・ステージが混雑しているため通行規制中です。先には行けません」だと。ぬぁにぃ?引き返す人も多い中「じゃあロキシー・ミュージックで妥協するか」ってもんでもなく、無視して行けるところまでずんずん進んで行ったら、その間に規制が解除されたようで、無事ヘブンまで行けました。でも、あと少しで着くところで向こうからバンドの音が。と言うわけで最初の数分だけ見逃しました。

ライブは予想以上によかったですね。当初は大雨でびしょ濡れになる中、タコライスを食らいながら見てたんですが、途中から止んでくれたし。スーザンがリードVo.でデレクがメインギターという夫婦のコンビは役割分担としては理想的。悪いけど、正直言ってマイク・マティソンがvo.のデレク・バンドより断然いい。女性だけに華があるし、スーザンはブルージーで最高です。因みに事前のメンバーリストにはマイクも入っていたけど、実際はいませんでした。
スーザンもデレクも、実はあまりアルバムを聴いてないので曲は判らないものが多かったですが、O.V.ライトの"I'd Rather Be Blind, Crippled and Crazy"なんていい感じだったし、スーザンが「皆ブルースは好き?」と問いかけてやったボビー・ブランドのカバー"That Did It"もよかった。スーザンはギターはデレクがいるのでリードはそんなに取らず、ときにはギターを置いてボーカルに専念する場面もあったけど、この曲を含めて何曲かで、ブルージーなリードを弾いてくれました。
この日、一番だったのは、アンコールでやった"Stand Back"。言うまでもなくオールマン・ブラザーズ「Eat A Peach」収録のあの名曲で、ボーカルはスーザン。まさかオールマンの曲をやるとは思ってなかったので興奮しましたよ。ベースがオテイルだったからというのもあるのでしょうか?次はオールマンも来てほしいな。21時過ぎに始まり、23:15くらいまでのたっぷり2時間のステージ、堪能しました。終演と同時にまたも雨が降ってきました。しつこい!

TROMBONE SHORTY & ORLEANS AVE (Crystal Palace Tent)
ニューオーリンズの注目若手、トロンボーン・ショーティーは、メインのヘブン出演がもろフォガティーと被っていたけど、よく見ると23:45からという深夜公演もあったので、ラッキー。デレク&スーザン終演後、雨の中ヘブンから移動。やっぱり相当遠いので時間がかかり、到着した頃にはもう始まっていました。会場は「テント」と呼ぶには意外と立派で、古風なライブハウスのような造り。既にダンスフロアには大勢の人がいて、熱気ムンムン。何だかこの雰囲気、ちょっとニューオーリンズのクラブで見ている感じもあってなかなかよい。そのショーティー。数年前にニューオーリンズで見た時とは印象が全く違いました。以前は、プレイヤーの一人として黙々と演奏している感じでしたが、ここでは、プレイヤーというよりはバンドリーダーですね。もちろんプレイもしてるけど。バシバシ手で合図を出して、バンドをまとめ上げている姿に、おお、成長したなぁと思いました。曲もパンチが効いたファンキーなものの連発。アラン・トゥーサンの"On Your Way Down"なんてやったけど、これもトゥーサンよりずっとファンキーでした。楽器は殆どずっとトランペットだったな。トランペット・ショーティーにした方がいいか(笑)。

時間がオーバーしても演奏は続き、観客はすごい盛り上がってます。10分以上オーバーしたところで、彼らはようやくステージを去り、次の鮎川誠(シーナもいた)へバトンタッチ。しかし、熱狂した観客はショーティーをもっと見たいとアンコールを要求し続けます。初めての日本で、こんなに彼が受けているのを見ると自分のことのように嬉しくなるなぁ。
鮎川さんたちも、嬉しそうにショーティーとハイタッチし、「どうぞどうぞ」とバンドメンバーをステージに呼び戻しました。そこで、ショーティーが演奏し出したのが「聖者の行進」。トラディショナルなニューオーリンズっぽいものもやっぱりやるのね、と思ったらそれだけでは終わらず"Everybody Needs Somebody to Love"とのメドレーに。観客がI need you, you, you!"と映画「ブルースブラザーズ」さながらの大合唱になる中、ショーティーはダンスフロアに降りてきて更に煽る煽る!ステージ袖でそれを見ていた鮎川夫妻も大喜び。結局、せいぜい30分程度だと思っていたライブは僕が会場についてから50分はやっていました。これだけ見せてくれれば大満足。よかった見れて。「遥々僕らをニューオーリンズから呼んでくれてありがとう!」なんて言ってたけど、遥々ニューオーリンズから来てくれてありがとね。今度はお兄さんもご一緒に!
鮎川誠(DJ)(Crystal Palace Tent)
続く鮎川さんは何をやるのかと思いきや、なんと演奏ではなくDJ。ジョニー・キッド&ザ・パイレーツやら、来日記念でCCRやら、マージビート系やらかけていたけど、レコードの針飛びがあったり、針を置くときにスクラッチ音やらブチって音が入っちゃったり、挙げ句の果ては同じ曲を間違って2度かけちゃったり、聴き苦しい点があまりに多く、おまけに爆音だったので、疲れました。その隙ありありな感じがまた鮎川さんらしいんですが。前日、サンハウスがライブをやっているので、このDJはおまけだったんでしょうね。最後まで聴かずに外へ出ると、いつの間に雨がやんでいました。よかった。
HIGURASHI RECORDS INC. (Rookie A Go-Go)
すぐそばにある新人バンドのショーケース、ルーキー・ア・ゴーゴーでヒグラシレコーズというバンドがやっていたので、ちょっとだけききました。いい感じだったけど、もうライブ終盤だったようで、すぐに終わっちゃった。なので、あまり印象に残ってないです。ポップというかスカというか。そんな感じだったかなぁ。
以上でライブ鑑賞は終了。時間は間もなく午前2時と言ったところ。9時に着いてから、17時間が経過。いやぁ、堪能した、歩いた、踊った、騒いだ、濡れた、疲れた!
考えてみたら、なんとへヴンとグリーンを5往復もしてた。。そりゃ、疲れるわ。

- Part 1へ戻る -
0
2010/8/6
フジロック2010ライブ・レポート, Part 1 ロック
今回2002年以来、8年ぶりにフジロック行って来ました。3日間の真ん中の日、7/31(土)のみの参加です。

ところ天国付近の川辺
[フジロック写真集はここです]
行くことを決めた理由はあくまでジョン・フォガティーが出るからだったのですが、まさかそれだけ見て帰ってくるようなもったいない真似はしません。せっかく金を払うんだから、十二分に楽しむぜ、そういう意気込みで参りました。
例年、越後湯沢駅からのシャトルバスは結構混んでいるようなので、その待ち時間を念頭に東京駅から早めの新幹線に乗り、8時過ぎには越後湯沢着。そしたら、肩すかしを食うくらいバスの列は短く、次のバスにすぐ乗れました。(因みに翌日11時ごろ越後湯沢駅に行ったら、バスの列は駅の中の土産物コーナーの中まで続いていました。)
会場までの道のりもすいすい、9時には会場ゲートをくぐりましたよ。最初のバンドが始まるのが10時20分なので、まだ1時間以上時間がありました。これは嬉しい誤算、ということで、グッズショップを覗いたりしながら、一番遠いオレンジコート周辺まで、山歩きターイム!まだこの時点では天気もよく、人も少なかったので、気持ちいい。やっぱ、早起きは三文の徳だな。
前日もかなり雨が降ったんですね。グリーンステージの周辺とか、かなりぬかるんでいました。足跡にたまった水、何だかニューオーリンズのジャズフェスを思い出しました。

さて、朝10時過ぎから始まったライブ鑑賞、僕のメニューはこんな感じです:
LITE (Red Marquee)
実は、この日のラインアップを見ても、知らない人が多い。朝いちで出る人たちも誰なんだか判らない人ばっかり。とりあえずまずは、一番手10時20分にレッド・マーキーに出るLITEというバンドを覗きに行きました。複雑なリズムをたたみかけるプログレっぽいバンドでした。結構、ポップなところもあって、雰囲気はある意味、イエス的。悪くはないな。でも、いかにも一昔前のシンセ音!って感じのストリングス音源が耳触りで、暫く聴いてたけど、「もういいや」と退散。周囲でエチゴビールと鶏モモを食いながら、しばし休憩。
HAWAIIAN 6 (Green Stage)
続いて、お隣りグリーンでハワイアン6というバンドを見ました。ハワイアンというだけに田舎の朝を癒してくれるのんびりしたものを想像してたけど、全然違った。ガンガン縦乗りのパンクっぽいバンドでした。まあいいんだけど、ちょっとそういう気分じゃないし、あまりにも音がでかくてしょっぱなから耳を痛めつけるのも嫌だったので、これも1曲くらいで移動。因みにこのバンドのにいちゃん、「金魚のえさやらなきゃいけないから、終わったらすぐ帰る」なんて言ってました。意外にいいやつかも(笑)。
らぞく (Field of Heaven)
開演前に、フィールド・オブ・へヴンでサウンドチェックをやっていた、らぞくというバンドがなかなかいい感じだったので、そこまで戻りました。ファンキーでソウルフルなジャムバンド的なトリオ。サウンドに広がりを感じる。このステージの無国籍的な雰囲気にもぴったり。やっと、楽しめる音楽に出会ったよ。
NARASIRATO PAN PIPERS (Orange Court)
南太平洋のソロモン諸島からやっていたその名の通りパンパイプを中心としたグループ。原住民族の衣装でエスニックな雰囲気たっぷり、しかしそのサウンドは意外にモダンで、聴き心地がよかった。もうちょっと聴いていたかったけど、他も色々気になっていたので1曲ちょっとで移動。
ARISA SAFU AND THE ROVERS (Gypsy Avalon)
ジョン・バトラーを観に行く途中でちょっと覗いてみる程度のつもりだったけど、聴いてたらすっかりはまり、最後まで聴いてしまいました。70年代の香りがするロックで、なかなかパワフル。Arisa (gt/vo.)という女の子がかなり存在感がありました。この人、日本人と韓国人のハーフで、国際的な環境で育ったらしいです。流暢な英語を話してました。ちょっとブルースっぽいハープがいたり、フォーキーな感じの曲もあったりと、個人的にはストライクゾーン。どこからやってきたのか、ステージ前では外国人数名が大盛り上がりでした。横浜界隈で活動しているらしいので、是非また見に行きたいです。ところで、途中で気づいたんだけど、ハープやってた倉井夏樹って、NACOMIさんのアルバムにもゲスト参加している人ですね。こんなところで、出会うとは世界は狭いなぁ。

JOHN BUTLER TRIO (Green)
Arisaに聴き入って最後の方しか見れなかったけど、着いてみると、もう観客は大盛り上がり。思っていたより、ずっとバンドがファンキーでタイトで、こりゃいいわぁ。殆ど聴いたことなかったけど、人気あるわけだねぇ。
小坂忠 with 鈴木茂,中野督夫 (Gypsy Avalon)
ジョン・バトラーが終わると、再びアヴァロン・ステージに逆戻り。着いてみると、小さいステージの周りには溢れんばかりの人、人、人。今回このステージ一番の客入りと言ってました。そりゃそうだよね。70年代の日本のロックの立役者3人による特別セッションだもん。でも、本人達にはそんな気負いは感じられず、3人+パーカッション一人の計4人で、のんびりほんわかしたセッションを展開。鈴木茂はちょっと前に大麻でパクられたなんて話もあったけど、お元気そうでした。味わいたっぷりのソロを聴かせてくれました。はっぴいえんどの「花いちもんめ」にお客さんは皆大喜び。中野督夫が「しかし今日は雨が降らなくてよかったですね」と言ったとたんぱらぱら降って来たのは、皮肉っぽかったなぁ。
KULA SHAKER (Green Stage)
またすぐにグリーンに戻ります。この行き来が結構大変で体力を消耗します。しかし、クーラ・シェイカーは一度見てみたいと思っていたので、やっぱりここは面倒でも行きます。彼らは、デビュー当時、アルバムを友人と聴きながら、「こいつら結構いいね。クラシック・ロックっぽいし、後期のビートルズっぽい雰囲気もあるね」なんて話したのを覚えていますが、その後全く追っていませんでした。あれから随分経ったので、もうベテランという域に入っているのでしょう。でも、この日観たライブは、第一印象そのままでした。フロントマンのクリスピアン・ミルズのテンションの高さもさることながら、キーボードのハリーがなかなか個性的なキャラで、存在感あった。口髭の感じがプチフレディ・マーキュリーか。B3オルガンをガンガン弾いて、盛り上がりました。
KITTY DAISY & LEWIS (Field of Heaven)
イギリス出身ながら、古きよき時代のアメリカン・ミュージックをプレイする、兄弟トリオ。この人達も以前から気になっていたので、またも反対側のヘブンへ移動。10分遅れで、キティとデイジーが出て来てアカペラで"Walk Right In, Walk Right Out"を歌ってスタート。2曲目からはルイスとウッドベース、ギターも出て来て5人でバンド演奏。ブルースからジャズ、ロカビリー、ハワイアン、カントリーなど、幅広くプレイしました。結構いいんだけど、ちょっとドタバタした感じで、思ったほど入り込めなかったというのが正直なところです。曲毎に3人が、ギターからドラムス、ピアノ、バンジョ、ラップスチールなどとコロコロ楽器を持ち替えるのがせわしなく感じたのも一因。あんなに頻繁に持ち替える必然性が感じられず、なんだか「こんなに弾けるんだぜ」的な自慢大会に見えてしまった。

キティとデイジーが代わりばんこにドラムスを担当してたんですが、それも決してうまいものではなくて、これだったらドラマー雇った方がいいと思いました。キティが"Got My Mojo Workin'"などでブルースハープ吹いたら観客がすごい盛り上がっていました。これはカッコよかった。文句は言いつつも最後まで観たかったんですが、やはりジョン・フォガティーをいい位置で観たかったので、ステージ半ばで場所取りのために早めに移動しました。僕がヘブンを後にしたとき、「スペシャル・ゲスト!」とか言っているのが聞こえたので誰か出て来たのでしょう。ちょっと観てみたかったな。
- Part 2へ続く -
0

ところ天国付近の川辺
[フジロック写真集はここです]
行くことを決めた理由はあくまでジョン・フォガティーが出るからだったのですが、まさかそれだけ見て帰ってくるようなもったいない真似はしません。せっかく金を払うんだから、十二分に楽しむぜ、そういう意気込みで参りました。
例年、越後湯沢駅からのシャトルバスは結構混んでいるようなので、その待ち時間を念頭に東京駅から早めの新幹線に乗り、8時過ぎには越後湯沢着。そしたら、肩すかしを食うくらいバスの列は短く、次のバスにすぐ乗れました。(因みに翌日11時ごろ越後湯沢駅に行ったら、バスの列は駅の中の土産物コーナーの中まで続いていました。)
会場までの道のりもすいすい、9時には会場ゲートをくぐりましたよ。最初のバンドが始まるのが10時20分なので、まだ1時間以上時間がありました。これは嬉しい誤算、ということで、グッズショップを覗いたりしながら、一番遠いオレンジコート周辺まで、山歩きターイム!まだこの時点では天気もよく、人も少なかったので、気持ちいい。やっぱ、早起きは三文の徳だな。
前日もかなり雨が降ったんですね。グリーンステージの周辺とか、かなりぬかるんでいました。足跡にたまった水、何だかニューオーリンズのジャズフェスを思い出しました。

さて、朝10時過ぎから始まったライブ鑑賞、僕のメニューはこんな感じです:
LITE (Red Marquee)
実は、この日のラインアップを見ても、知らない人が多い。朝いちで出る人たちも誰なんだか判らない人ばっかり。とりあえずまずは、一番手10時20分にレッド・マーキーに出るLITEというバンドを覗きに行きました。複雑なリズムをたたみかけるプログレっぽいバンドでした。結構、ポップなところもあって、雰囲気はある意味、イエス的。悪くはないな。でも、いかにも一昔前のシンセ音!って感じのストリングス音源が耳触りで、暫く聴いてたけど、「もういいや」と退散。周囲でエチゴビールと鶏モモを食いながら、しばし休憩。
HAWAIIAN 6 (Green Stage)
続いて、お隣りグリーンでハワイアン6というバンドを見ました。ハワイアンというだけに田舎の朝を癒してくれるのんびりしたものを想像してたけど、全然違った。ガンガン縦乗りのパンクっぽいバンドでした。まあいいんだけど、ちょっとそういう気分じゃないし、あまりにも音がでかくてしょっぱなから耳を痛めつけるのも嫌だったので、これも1曲くらいで移動。因みにこのバンドのにいちゃん、「金魚のえさやらなきゃいけないから、終わったらすぐ帰る」なんて言ってました。意外にいいやつかも(笑)。
らぞく (Field of Heaven)
開演前に、フィールド・オブ・へヴンでサウンドチェックをやっていた、らぞくというバンドがなかなかいい感じだったので、そこまで戻りました。ファンキーでソウルフルなジャムバンド的なトリオ。サウンドに広がりを感じる。このステージの無国籍的な雰囲気にもぴったり。やっと、楽しめる音楽に出会ったよ。
NARASIRATO PAN PIPERS (Orange Court)
南太平洋のソロモン諸島からやっていたその名の通りパンパイプを中心としたグループ。原住民族の衣装でエスニックな雰囲気たっぷり、しかしそのサウンドは意外にモダンで、聴き心地がよかった。もうちょっと聴いていたかったけど、他も色々気になっていたので1曲ちょっとで移動。
ARISA SAFU AND THE ROVERS (Gypsy Avalon)
ジョン・バトラーを観に行く途中でちょっと覗いてみる程度のつもりだったけど、聴いてたらすっかりはまり、最後まで聴いてしまいました。70年代の香りがするロックで、なかなかパワフル。Arisa (gt/vo.)という女の子がかなり存在感がありました。この人、日本人と韓国人のハーフで、国際的な環境で育ったらしいです。流暢な英語を話してました。ちょっとブルースっぽいハープがいたり、フォーキーな感じの曲もあったりと、個人的にはストライクゾーン。どこからやってきたのか、ステージ前では外国人数名が大盛り上がりでした。横浜界隈で活動しているらしいので、是非また見に行きたいです。ところで、途中で気づいたんだけど、ハープやってた倉井夏樹って、NACOMIさんのアルバムにもゲスト参加している人ですね。こんなところで、出会うとは世界は狭いなぁ。

JOHN BUTLER TRIO (Green)
Arisaに聴き入って最後の方しか見れなかったけど、着いてみると、もう観客は大盛り上がり。思っていたより、ずっとバンドがファンキーでタイトで、こりゃいいわぁ。殆ど聴いたことなかったけど、人気あるわけだねぇ。
小坂忠 with 鈴木茂,中野督夫 (Gypsy Avalon)
ジョン・バトラーが終わると、再びアヴァロン・ステージに逆戻り。着いてみると、小さいステージの周りには溢れんばかりの人、人、人。今回このステージ一番の客入りと言ってました。そりゃそうだよね。70年代の日本のロックの立役者3人による特別セッションだもん。でも、本人達にはそんな気負いは感じられず、3人+パーカッション一人の計4人で、のんびりほんわかしたセッションを展開。鈴木茂はちょっと前に大麻でパクられたなんて話もあったけど、お元気そうでした。味わいたっぷりのソロを聴かせてくれました。はっぴいえんどの「花いちもんめ」にお客さんは皆大喜び。中野督夫が「しかし今日は雨が降らなくてよかったですね」と言ったとたんぱらぱら降って来たのは、皮肉っぽかったなぁ。
KULA SHAKER (Green Stage)
またすぐにグリーンに戻ります。この行き来が結構大変で体力を消耗します。しかし、クーラ・シェイカーは一度見てみたいと思っていたので、やっぱりここは面倒でも行きます。彼らは、デビュー当時、アルバムを友人と聴きながら、「こいつら結構いいね。クラシック・ロックっぽいし、後期のビートルズっぽい雰囲気もあるね」なんて話したのを覚えていますが、その後全く追っていませんでした。あれから随分経ったので、もうベテランという域に入っているのでしょう。でも、この日観たライブは、第一印象そのままでした。フロントマンのクリスピアン・ミルズのテンションの高さもさることながら、キーボードのハリーがなかなか個性的なキャラで、存在感あった。口髭の感じがプチフレディ・マーキュリーか。B3オルガンをガンガン弾いて、盛り上がりました。
KITTY DAISY & LEWIS (Field of Heaven)
イギリス出身ながら、古きよき時代のアメリカン・ミュージックをプレイする、兄弟トリオ。この人達も以前から気になっていたので、またも反対側のヘブンへ移動。10分遅れで、キティとデイジーが出て来てアカペラで"Walk Right In, Walk Right Out"を歌ってスタート。2曲目からはルイスとウッドベース、ギターも出て来て5人でバンド演奏。ブルースからジャズ、ロカビリー、ハワイアン、カントリーなど、幅広くプレイしました。結構いいんだけど、ちょっとドタバタした感じで、思ったほど入り込めなかったというのが正直なところです。曲毎に3人が、ギターからドラムス、ピアノ、バンジョ、ラップスチールなどとコロコロ楽器を持ち替えるのがせわしなく感じたのも一因。あんなに頻繁に持ち替える必然性が感じられず、なんだか「こんなに弾けるんだぜ」的な自慢大会に見えてしまった。

キティとデイジーが代わりばんこにドラムスを担当してたんですが、それも決してうまいものではなくて、これだったらドラマー雇った方がいいと思いました。キティが"Got My Mojo Workin'"などでブルースハープ吹いたら観客がすごい盛り上がっていました。これはカッコよかった。文句は言いつつも最後まで観たかったんですが、やはりジョン・フォガティーをいい位置で観たかったので、ステージ半ばで場所取りのために早めに移動しました。僕がヘブンを後にしたとき、「スペシャル・ゲスト!」とか言っているのが聞こえたので誰か出て来たのでしょう。ちょっと観てみたかったな。
- Part 2へ続く -
0