2013/6/25

訃報: Bobby "Blue" Bland, 1930-2013  ブルース

クリックすると元のサイズで表示します
Bobby Bland at Long Beach Blues Festival, 1996
(c)Masahiro Sumori.

ボビー"ブルー"ブランドが亡くなってしまいました。ニュースが最初に入って来たのは日本時間の6月24日朝。時が経つに連れて、その抜けた穴の大きさにため息が出るばかりです。

1930年1月27日生まれの83歳。6月23日、メンフィスの自宅で、家族に見守られながら息を引き取ったそうです。

ブルースの黄金期を生き抜いた最後の大物のひとり。彼に匹敵する大物はもうB.B.キングくらいでしょう。陳腐な言い方になってしまいますが、ひとつの時代が終わったんだなと思わずにはいられません。

そのB.B.も今年誕生日を迎えれば88歳。いつまでも元気でいてほしいものです。

ブランドは、3月に肺炎で入院しツアーをキャンセル。その後の容態についての情報は伝わって来なかったので、心配していたところでした。近年はステージではずっと座って歌っていたそうですし、新作も2003年の「Blues At Midnight」を最後に途絶えていました。かつてコンスタントに新譜を出し続けていた人としては、スローダウンした感は否めませんでした。

そんな状況ですから驚きはしませんでした。60年以上に渡って活躍したキャリアも考えれば、大往生なのかも知れません。でも、やはり残念。

クリックすると元のサイズで表示します
Bobby Bland at Long Beach Blues Festival, 1999
(c)Masahiro Sumori.

1951年にモダン・レコードよりデビュー。チェスを経て、よく1952年にデューク入り。デュークが1973年にABCに買収されるまでの20年あまりの間にR&Bチャートに3曲のナンバー1を含む20曲以上のトップ10ヒットを送り込み、スターの座を不動のものにしました。その中にはエリック・クラプトンがカバーした"Farther Up The Road" (1957年)をはじめ、"I Pity The Fool" (1961年)、"Turn On Your Love Light" (1961年)、"Yield Not To Temptation" (1962年)などの有名曲がずらり。ダンディかつブルージーな歌声で多くのファンを獲得して行ったのでした。

1973年以降は、ABCレコード所属となり、B.B.キングとの共演アルバムを発表するなど活動を続けます。

ブランドがすごいのは、1985年にミシシッピ州ジャクソンのマラコ・レコードと契約し、ここで、デューク時代に負けない"Members Only"という曲でもうひと花咲かせたことでしょう。チャート・アクションではデューク時代には及ばないものの、その後約20年の間に10枚のアルバムをリリースし、チタリン・サーキットを中心に、着実にファンベースを維持していったのです。

来日ツアーは、1978年、1988年、1998年と3度行っています。実はそれ以前にも米軍基地慰問公演で1950年代に来日したことがあるといい、僕が観た1998年のブルーノート公演では、その際に覚えたという美空ひばりの「リンゴ追分」の一節を歌っていたのが印象に残っています。

実は、僕はブルースにはまりだした当初はあまりボビー・ブランドには関心がなく、B.B.キングなどと比べると、何年も経ってから、ようやく聴くようになったのですが、結構そういう経験を持っている人は多いんじゃないかなと言う気がします。というのも、彼はロックとの接点が薄く(有名なロッカーがアイドルとしていたというような話はあまりない)、楽器も弾かないので、ロックファンや、バンドを志す人達の目に留まりにくい存在だったのではないかと思うのです。

僕自身そんな理由で、後回しになっていた感があり、もしクラプトンが"Farther Up The Road"を取り上げていなければ、もっと後回しになっていたかもなんて思います。もったいないことですが。

でも、一回ハマれば、その歌声、存在感にすっかりとりこになってしまうのです。シャウトする際に痰を吐く様に喉を鳴らす独特な唱法は、ファンの間でも苦手という人もいますが、僕はやっぱりあれがなければブランドじゃないよねと思うんですよね。

僕は1998年の来日公演以外に4回アメリカのロングビーチ・ブルース・フェスティバルで彼のライブを見る機会に恵まれました。1996年の公演の際は、なんとガンズ&ローゼズのスラッシュが飛び入り。スラッシュ当人はへろへろな状態だったのですが、ボビーは「ほら、あの有名なギタリストのスラッシュだ。盛大な拍手を!」と彼をもり立てていたのが印象に残っています。これもブランドの懐の深さ故なのでしょう。

ほろ苦い名曲"Members Only"を聴きながら、彼を追悼していたら、泣けて来ました。ボビー・ブランド万歳。安らかに眠って下さい。

クリックすると元のサイズで表示します
1988年日本公演のフライヤーより
0
inserted by FC2 system "; var ifrd = ifr.contentWindow.document; ifrd.open(); ifrd.write(htmlcode); ifrd.close(); } } var CriteoAdUnits = { "placements": [{ "slotid": criteoSlotId, "zoneid": criteoZoneId }]}; window.Criteo = window.Criteo || {}; window.Criteo.events = window.Criteo.events || []; var processCdbBid = function() { var bids = Criteo.GetBidsForAdUnit(criteoSlotId); if (bids.length > 0) { var bidFound = bids[0]; Criteo.RenderAd({ bidId: bidFound.id, containerId: bidFound.impressionId }); } else { passback(); } }; Criteo.events.push(function() { Criteo.RequestBids(CriteoAdUnits, processCdbBid, 2000);}); }();

inserted by FC2 system "; var ifrd = ifr.contentWindow.document; ifrd.open(); ifrd.write(htmlcode); ifrd.close(); } } var CriteoAdUnits = { "placements": [{ "slotid": criteoSlotId, "zoneid": criteoZoneId }]}; window.Criteo = window.Criteo || {}; window.Criteo.events = window.Criteo.events || []; var processCdbBid = function() { var bids = Criteo.GetBidsForAdUnit(criteoSlotId); if (bids.length > 0) { var bidFound = bids[0]; Criteo.RenderAd({ bidId: bidFound.id, containerId: bidFound.impressionId }); } else { passback(); } }; Criteo.events.push(function() { Criteo.RequestBids(CriteoAdUnits, processCdbBid, 2000);}); }();


teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ
inserted by FC2 system