2013/10/15

Jon Cleary@Aoyama Cay  ニューオーリンズ

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バンドでのライブならばある程度演奏曲目も予想できるのですが、ソロとなると、蓋を開けるまで、何をやるのか判らない。昨晩のステージも「そう来たか!」と思わず唸るような変化球の連続でした。

関東地方最後の公演となった10月14日体育の日の青山Cay。12日のレクチャーコンサートで幅広い音楽談義をした影響が残っているのかは判りませんが、浅草HUBではやらなかったキューバやジャマイカの音楽もやり、ニューオーリンズからカリブ海に広がる音楽絵図を描いてみせたジョン。浅草では、ニューオーリンズ情緒漂うお店の雰囲気に選曲もある程度合わせたのかも知れませんね。

思えば2008年にこのCayでジョンを見たときも、キューバの曲をいくつかプレイしてくれたのが印象に残ったのでした。そのときもやったペレス・プラードの"Havana"は、聴きながらハバナ旧市街の古風な街並みが思い浮かんできました。僕が行ったのは随分前なのですが、いいところなんですよね。

今回のライブはオリジナル曲の比重が大きかったのも印象に残りました。彼の楽曲としてはすっかりおなじみになった感のある"When You Get Back"はもちろん、これまでバンドの公演でもあまり聴いた記憶がない"Pin Your Spin"や"Oh No No No"、それにボニー・レイットのために書いた"Unnecessarily Mercenary"、タジ・マハールに提供した"Cheating on You"など、ソングライターとしてのジョンの個性も充分堪能できたと思います。

音の幅を広げた分、相対的にはニューオーリンズ色は薄まりましたが、冒頭ジェイムズ・ブッカー、リー・ドーシー、アーニー・ケイドーと3曲立て続けにニューオーリンズR&Bのカバーを演奏。終盤でクリス・ケナーの"Something You Got"で客席を大合唱で沸かせるなど、ツボは押さえていました。何よりもオリジナル曲を含め、彼の紡ぎだす音全体にニューオーリンズの雰囲気がむんむんなのです。

ニューオーリンズのカバーの中にもサプライズがありました。アーロン・ネヴィルの十八番"Tell It Like It Is"です。この曲を正面からカバーできるのはフレディ・フェンダーくらいかと思っていましたが(笑)、ジョンもやってくれました。

正面からというのは正確ではなく、ジョン独自のタッチが加わった絶妙なカバーでした。リズムを変え、ここでもキューバ音楽的なコード展開を加え、アーロンとは異なる味に仕上げていました。ピアノ弾き語りだけでこの展開はさすがでした。

かなりあとになって決まった追加公演だったにも関わらずお客さんもよく入っていました。今回のツアーは総じてお客さんの反応もよかったそうですから、次の来日につながるものと期待したいです。

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Jon Cleary
Aoyama Eats and Meets Cay
Mon., October 14, 2013

[Setlist]
1st set (18:35-19:35)
1. Sometimes I Wonder
2. So Swell When You're Well (James Booker)
3. Do-Re-Mi (Lee Dorsey)
4. I Cried My Last Tear (Ernie K-doe)
5. Milk Cow Blues (Sleepy John Estes)
6. Tell It Like It Is (Aaron Neville)
7. Port Street Blues
8. Dancing Mood (Delroy Wilson)
9. The Very Thought of You
10. Oh No No No
11. So Damn Good
12. Until the Real Thing Comes Along
13. Unnecessarily Mercenary

-休憩(約30分)-

2nd set (20:05-21:17)
14. Misty Blue (Dorothy Moore, etc.)
15. Pony Boy (Allman Brothers)
16. Havana (Pérez Prado)
17. Those Lonely, Lonely Nights (Earl King)
 〜Can't Believe You Wanna Leave (Little Richard)
18. Go Ahead Baby
19. C'mon Second Line
20. Pin Your Spin
21. Cheating on You
22. Cuttin' In (Johnny "Guitar" Watson)
23. When You Get Back
24. Something You Got (Chris Kenner)
25. Boogie Woogie
-encore-
26. I Get the Blues When It Rains (Jim Reeves)

Jon Cleary - upright piano, vocals

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前回のCay公演の演目(Oct. 20, 2008)
http://black.ap.teacup.com/sumori/184.html
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2013/10/9

ボビー・ラッシュとDr.ジョンの共演曲  ブルース

最近リリースとなったチャリティー・ソングでボビー・ラッシュとDr.ジョンが共演しています。ニューオーリンズの凶悪犯罪を撲滅するために活動する非営利団体Crime Stoppersのキャンペーン・ソング"Another Murder in New Orleans"がそれで、両者のデュエットはなかなか力が入っていて聴きごたえがあります。

もともとこの曲のソングライター・チームのドナルド・J・マルコウィッツとカール・グスタフソンがボビーにこの曲を歌うように打診したんだそうで、ボビーはこれを快諾。Dr.ジョンには彼から声をかけて共演が実現したそうです。

Crime Stoppersの公式サイトで試聴と、ダウンロード購入ができます。1曲$1.29と高くはないので、購入してCrime Stoppersをサポートしてみてはいかがでしょうか?

Crime Stoppers http://www.crimestoppersgno.org/
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2013/10/4

新しいバンドで来日したDr. John  ニューオーリンズ

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昨年末、自身のバンド、ロウワー911を突然解雇し、2013年より新たなバンドで活動を開始したDr.ジョン。

ロウワー911は、ドラマーこそ、2011年にレイモンド・ウェバーに交替していましたが、とても安定感のあるバンドだったし、特にベースのデイヴィッド・バラードはもう20年以上彼と活動していたので、気心が知れた人だったはず。そんなバンドを敢えて総入れ替えするということは、新たな音を展開するということなのか、それもしかと確認したいと思っていました。

新しいことをやろうという姿勢は昨年のアルバム「Locked Down」にも現れています。ブラックキーズのダン・オーバックを迎え、レーベルも乗り換えて、従来とは違う方向性を示した意欲作だと思います。果たして、この路線でライヴも行くのか?

9月30日ビルボードライブ東京の第2部。この日のライブを見て、彼の意図が何となくわかったような気がしました。ベースとドラムスのリズム・セクションは、これまでに以上に、タイトでファンキーな印象でした。そして、新たにトロンボーンとオルガンを加えました。これも、全体の音を厚くし、ファンキーな音を強化する一環のように感じました。

それが端的に表れたのが、デューク・エリントンの"Caravan"。よく知られた主旋律はなりを潜め、リズムを主体に独自のサウンドを展開。ベースはチョッパーでファンキーなグルーヴを生み出し、それにトロンボーンが華を添えます。非常に有名な曲ですがこんな演奏は、今のDr.ジョンならではでしょう。

Dr.ジョン本人は、歳のせいかだいぶよれた感じもありましたが、要所は押さえていました。途中1曲ギターを弾いたアール・キングの"Mama & Papa"は、歌いだしからゆるゆるで一瞬何の曲かと思いましたが、そのゆるさがたまらなくかっこよかった。アールの精神を引き継いだ演奏と言えるでしょう。

"Renegade"では、途中ラップが入るという展開も。しかし、ラップだか、ノムさん流に言えばボヤキなのか、どっちとも言い難いところがやはり彼らしい。彼にシャキシャキ切れのいいラップをやられたら引いてしまいますもんね(笑)。

ロウワー911はメンバー全員ニューオーリンズの知れたミュージシャンでしたが、今回のバンド(The Nite Trippersと言っていました)は、ニューオーリンズを拠点としているのは恐らくギターのシェイン・テリオだけ。ニューオーリンズの枠に捕われないサウンドを狙ったということなのでしょうか。しかし、この日のセットは古いニューオーリンズ的な曲が中心でした。冒頭"Iko Iko"をやったのも嬉しかったですが、やりそうでやらないことも多い"Such A Night"がラストで飛び出したのには観客も大喜びです。

彼のオドロオドロしい面を強調したアルバム「Gris-Gris」の色が濃かったのも興味深いです。"Mama Roux"はまだしも、"Gris-Gris Gumbo Ya Ya"までやるとは思いませんでした。

ギターのシェインは、プレイヤーのタイプとしては、前任のジョン・フォールと同様、ブルースをベースにした非常にバランスの取れた感じでしたね。そういう意味では敢えて交替させる必要はなかったのかも知れませんが、とりあえず全員入れ替えたかったんでしょうね。

ちょっと謎だったのは、トロンボーンのサラ・モロウという人。バンドのミュージカル・ディレクトレスと紹介されていましたが、他のメンバーに比べて、明らかにプレイがぴりっとしないのです。メンバーに加えるだけならまだしも、リーダーにしたのはなぜなのか?ちょっとDr.ジョンの意図が読めませんでした。足に怪我をしているようで松葉づえで登場した彼女ですが、ステージ上ではつえは付かずに歩き回ってメンバーに指示を出していましたが、どうも空回りしている感じ。それでも金管の音が入っただけで、サウンドは随分いい感じにはなりましたけどね。メンバー紹介のときのソロで、声を出しながら吹いていたのは、彼女の十八番スタイルなのでしょうか?ちょっと妙でした。

しかし、もう73歳になろうというDr.ジョン。安住の地を求めず新たな試みを続ける姿勢は大したものです。その魅力はまだまだ衰えません。

Dr. John & The Nite Trippers
@Billboard Live Tokyo
Mon., Sept. 30, 2013 (2nd show)
21:34-22:56

[Setlist]
1. Doctor Iz In
2. Iko Iko
 〜Shoo Fly, Don't Bother Me
3. Let's Make A Better World
4. Locked Down
5. Caravan
6. How Come My Dog Don't Bark (When You Come 'Round)
7. Mama Roux
8. Renegade
10. Mama & Papa (Dr. John - Telecaster guitar)
11. Mardi Gras Day
12. Witchy Red
 〜Gris-Gris Gumbo Ya Ya
13. Such A Night

[Personnel]
Dr. John - p., key., gt., vo.
Ben Alleman - org., backing vo.
Shane Theriot - gt., backing vo.
Sarah Morrow - trombone, backing vo.
Dwight Bailey - b., backing vo.
Reggie Jackson - ds., backing vo.



今回の来日について写真付きレポート
※9/30の第1部についてのものです。
ドクター・ジョン グラミー受賞作を引っさげての来日公演スタート
Billboard Japan, 2013/09/30
http://www.billboard-japan.com/d_news/detail/15384

過去の来日レポート
【2012年来日時】
Dr. John @ Billboard Live東京セットリスト (2012/2/16)
http://black.ap.teacup.com/sumori/990.html

Dr.ジョン2012年来日公演セットリストまとめ (2012/2/17)
http://black.ap.teacup.com/sumori/993.html

【2010年来日時】
Dr. John@Billboard Live Tokyoライブ・レポート (2010/10/21)
http://black.ap.teacup.com/sumori/488.html

ドクター・ジョン来日公演セットリストまとめ (2010/10/25)
http://black.ap.teacup.com/sumori/494.html

【2005年来日時】
ドクタージョン@ブルーノート東京 (2005/9/17)
http://black.ap.teacup.com/sumori/10.html

ドクタージョンも出席したハリケーン・エイド・ジャパン記者会見の様子 (2005/9/21)
http://black.ap.teacup.com/sumori/13.html
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