2014/8/31

ジョニー・ウィンターの新譜が出ます  ブルース

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JOHNNY WINTER - STEP BACK
『ジョニー・ウィンター - ステップ・バック〜ルーツ2』
(Sony Music/Megaforce SICP-3809)
2014年9月3日 日米同時発売

ジョニー・ウィンターの3年ぶりの新譜は、追悼盤となってしまいました(涙)。本作を完成させ、リリースを待つばかりだった7月16日、公演先のチューリッヒで急逝したジョニー。70歳でした。健康問題を抱えながらもここ最近は調子も上向いている様子だっただけに、ショックを受けたファンも多かったと思います。

3年ぶりというと、若いバンドなんかだと間が空いちゃったなと思われるのかもしれませんが、ジョニーが前作から3年というペースで新譜をリリースするのは、ここ20年では初めてのことなんですよね。その間に2回来日もしていますし、こういう事実からも彼がのってきていたのは明らかでした。

邦題の「ルーツ2」と添えられていることからもお判りの通り、前作「ルーツ」の続編的な内容です。ジョニーが若い頃から愛してやまなかったブルースの名曲をゲストとともにプレイしています。今回はレコードでは初共演となるエリック・クラプトンを始め、エアロスミスのジョー・ペリー、ZZトップのビリー・ギボンズら、豪華なゲストが参加しています。

曲目はブルース・ファンならばお馴染みな曲がばかりです。"Don't Want No Woman"、"Killing Floor"の2曲は4月の来日公演でも演奏されていました。コンセプトは前作と同じでも、聴いていると明らかに前作よりもジョニーがいきいきしているのが判ると思います。ベン・ハーパーとのデュエットも聴けるエルモア・ジェイムズの"Can't Hold Out"では、歌声はしゃがれながらも力がこもってますし、何と言ってもまさにジョニー印というスライドが堪能出来ます。

他のゲストはヴォーカルは取ってませんが、それぞれの個性を発揮して、楽曲に華を添えています。でも、ゲストに食われた感じがしないのは、ジョニーのプレイが元気だからなんですね。特にゲイトマウス・ブラウンの"Okie Dokie Stomp"は、まだここまで弾ける余力が残っていたとは正直驚きでした。切れのあるプレイは往年の勢いを思い起こさせます。途中ゲストのブライアン・セッツァーが取るソロはジョニーといい意味での好対照。涙の出る程の素晴らしい共演だと思いました。

この曲を含め4曲に参加しているブルース・ブラザーズ・ホーンズの好演も特筆に値すると思います。やはりホーンが入るとびしっとしまります。ラストを飾るDr.ジョンとの共演"Blue Monday"でもホーンがニューオーリンズR&B的色を醸し出し最高です。

もう一つ特筆すべきはナショナル・レゾネーター・ギターでの弾き語りを披露したサン・ハウスの"Death Letterでしょう。彼がアコースティックの弾き語りスタイルをレコードでやるのは1992年の「Hey, Where's Your Brother?」収録の"Blues This Bad"以来のこと。その昔ファーストで披露した"Dallas"を彷彿させる渋いプレイは本作のもう一つのハイライトでしょう。

ジョニーは今後もう一つ「ルーツ」の続編を作る予定があったとのこと。それは残念ながら叶わなくなってしまいましたが、キャリアの最後にこのような元気一杯のアルバムを残してくれたことに感謝です。

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【収録曲】
1. Unchain My Heart – Johnny Winter ※Ray Charles
2. Can’t Hold Out (Talk To Me Baby) – Johnny Winter with Ben Harper ※Elmore James
3. Don’t Want No Woman – Johnny Winter with Eric Clapton ※Bobby Bland
4. Killing Floor – Johnny Winter with Paul Nelson ※Howlin' Wolf
5. Who Do You Love – Johnny Winter ※Bo Diddley
6. Okie Dokie Stomp – Johnny Winter with Brian Setzer ※Clarence Gatemouth Brown
7. Where Can You Be – Johnny Winter with Billy Gibbons ※Jimmy Reed
8. Sweet Sixteen – Johnny Winter with Joe Bonamassa ※B.B. King
9. Death Letter -Johnny Winter ※Son House
10. My Babe – Johnny Winter with Jason Ricci ※Little Walter
11. Long Tall Sally – Johnny Winter with Leslie West ※Little Richard
12. Mojo Hand – Johnny Winter with Joe Perry ※Lightnin' Hopkins
13. Blue Monday – Johnny Winter with Dr. John ※Smiley Lewis

Produced by Paul Nelson
※印はオリジナル・アーティスト名
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2014/8/31

ドナルド・ハリソン来日公演レポート  ニューオーリンズ

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5人編成のジャズ・コンボでコットンクラブに出演したドナルド・ハリソン。そのサウンドは基本的にはモダン・ジャズでしたが、それだけでは終わらない独特の持ち味を披露してくれました。

定刻通りに始まったセットはオリジナルのインストから。淡々と始まりましたが、演奏は冒頭からなかなかホットです。続いてアート・ブレイキーのレパートリー"One By One"をクールに決め、スタンダード曲"Cherokee"へ。これはアップテンポで畳み掛けるようにブロウしまくっていました。

ここまでは、非常に正当派モダン・ジャズだったのですが、ここからが彼らしさ発揮と言ったところでしょう。聖者の行進で雰囲気はいっきにトラディショナルなニューオーリンズに。途中歌詞を変え、「セインツがスーパーボウルに勝利した時、僕らはマイアミにいた」と、ツアーのせいでセインツ勝利と言う歴史的瞬間を体験出来なかった恨み節になっていたのがおかしかったです。ヴォーカルはハリソンでしたが、途中ギターのデトロイト・ブルックスも歌に加わり、ますます楽しい雰囲気に。彼は歌もよかったですが、実にツボを押さえたいいプレイしていましたね。

締めの2曲はおよそジャズのイメージとは遠いニューオーリンズR&Bナンバー。ハリソンは、サックスだけでなく、コンガも叩きまくって盛り上げてくれました。ベースもアップライトからエレキベースに変わり、バンドもファンキー。いずれもマルディグラ・インディアンのチャントが元となった曲ですが、こういうのを最後に持ってくるあたりは、自らもビッグチーフであるハリソンらしいですね。

終演後、足早に出口に向かったら、さっきまでステージにいたバンド・メンバー全員がレジの隣りで既にサイン会スタンバイ状態。ハリソンと目が合ってしまい、おいでおいでされてしまいました(笑)。

来月リリースされる予定というCDを売っていたので買ってサインをもらいました。これ、ティピティーナス・ファウンデーションのレーベルからのリリース。殆ど全曲がハリソンのオリジナルで、ティピティーナス・ファウンデーションの教育プログラムを通じて彼が教えた高校生たちとレコーディングされたものとのこと。これがなかなかファンキーで、期待以上に充実した内容でした。ドラムスにRaymond Weber, Jr.なんていう人も入っています。レイモンド・ウェバーの息子さんなんでしょうね。

バンドのメンバー全員がその場にいたのですが、何故かデトロイト・ブルックスだけは輪には加わらず、遠巻きに見物している状況。ご機嫌が悪い訳ではなさそうでしたが、あまりサイン会のような場はお好きではないのかな?

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Donald Harrison Quintet
The., August 26, 2014
2nd set, 21:00-22:20
[setlist]

The Sand Castle Head Hunter
One By One (Art Blakey)
Cherokee
When the Saints Go Marching In
Take The A-Train
Oo Bop Sh'bam
Iko Iko
Hey Pockey A Way
-encore-
New Orleans Party?
※アンコールの曲名は判らないですが、この曲でした:
https://www.youtube.com/watch?v=wbpAMgfs0LQ


[Personnel]
Donald Harrison - alto saxophone, vocals, congas
Detroit Brooks - guitar, vocals
Conun Pappas, Jr. - piano
Max Moran - upright and electric bass
Joe Dyson - drums

来日公演日程
2014年8月25日(月)〜28日(木)
http://www.cottonclubjapan.co.jp/jp/sp/artists/donald-harrison/

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この日買ったCD
Donald Harrison, Jr. and the Tipitina's Interns, Vol. 1
このジャケットの写真、レイモンド・ウェバーらしいです。
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