2014/9/14

訃報: Cosimo Matassa 1926-2014  ニューオーリンズ

ニューオーリンズのスタジオ・オーナーであり、レコーディング・エンジニアだったコジモ・マタッサが亡くなりました。彼は市内の養護施設で暮らしていましたが、呼吸困難に陥り、ニューオーリンズ市内のオクスナー・メディカル・センターに入院。その数日後の2014年9月11日、息を引き取ったとのことです。もう音楽の世界から引退して30年以上が経過してはいますが、音楽の歴史に大きな足跡を残した彼の死は淋しいものがあります。

彼のスタジオでは、主に50年代から60年代にかけて、多くのミュージシャンたちがレコーディングを行いました。その中には1949年にここで初レコーディングを行ったファッツ・ドミノを始め、エディ・ボー、リトル・リチャード、プロフェッサー・ロングヘア、アラン・トゥーサンなどなど、錚々たるメンバーが名を連ねています。彼のスタジオが出来るまで、ニューオーリンズにはレコーディング設備の整ったスタジオはなかったといいますから、当時はレコードを作ると言えば、彼のスタジオでということだったのでしょう。

ここで作品を作ったのは地元ミュージシャンに留まることなく、Tボーン・ウォーカーやローウェル・フルソンといった人たちも、また彼のスタジオの扉を叩いています。

彼はレコーディング・エンジニアとしてその手腕を発揮する訳ですが、スタジオでの生演奏を聴いたあと、コントロール・ルームに入り、生演奏を忠実に再現することに注力したといいます。本人は「シンプルなことだ」とコメントしていますが、それこそいいレコードを作る基本だったのでしょうね。

彼が最初のスタジオを作ったのはまだ10代だった1945年のこと。フレンチクオーターのランパート・ストリート沿いにあった彼の家族の店の裏にJ&Mレコーディング・スタジオの名称でスタートしたのでした。このJ&Mとはそのお店の名称で、父親John MatassaとパートナーのJoe Manuscoの2人のイニシャルに由来しています。この2人はジュークボックスのビジネスを展開していたそうです。

1955年には、同じフレンチクオーターの中で、スタジオを移転。新しいスタジオは、コズィモズ・レコーディング・スタジオと名付けられました。1958年には、コジモはエイス・レコードの傘下にREXというレコード・レーベルも立ち上げています。

1965年には再度スタジオを移転。このスタジオ、ジャズ・シティは70年代まで続いています。1980年には引退してしまいましたが、その後もコジモはニューオーリンズに暮らし続け、家族の店の経営に携わっていたようです。僕が2008年にニューオーリンズに行った際には、ポンデロサ・ストンプのシンポジウムに登場していました。(僕は見に行っていないのですが)

1999年にはJ&Mスタジオの建物が歴史的建造物に指定されました。2007年、コジモはグラミー賞の特別功労賞を受賞。2012年にはロックンロールの殿堂入りを果たしています。影の存在ではありましたが、彼のスタジオとエンジニアとしての手腕がなければ、その後の音楽は大きく変わっていたかもしれません。

彼の関わった作品を聴きたい方は、下記のコンピレーションCDがお勧めです。収録曲の数々を見れば、彼の仕事の大きさがわかるはずです。

Cosimo Matassa Story
(英Properリリース, 2007年, 4CD)
http://www.amazon.co.jp/dp/B000QCQG28
クリックすると元のサイズで表示します

Cosimo Matassa Story Vol. 2 - Gumbo Ya-Ya
(英Properリリース, 2012年, 4CD)
http://www.amazon.co.jp/dp/B00A462H0G
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たくさんの素晴らしい音楽をありがとう。安らかにお休みください。
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