2015/8/18

ベテランの味発揮!ヘンリー・グレイ&エディ・ショウ来日公演  ブルース

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(写真提供:Blue Note TOKYO)

ブルーノート東京で、これほどまでに濃いブルースのライヴを観たのはどれくらいぶりだろうか。そんなことを思いながら楽しんだ一夜でした。

シカゴ・ブルースの全盛期1950年代から60年代にかけて、相撲で言えば東西横綱的位置付けだったのが、マディ・ウォーターズとハウリン・ウルフ。そのウルフのバンドで活躍した2人、ヘンリー・グレイ(piano)とエディ・ショウ(sax)がウルフ没後39年を経て「A Tribute To Howlin’ Wolf」と銘打ったコンサートのため、来日を果たしました。

このブログの事前告知でも触れたとおり、ヘンリーは90歳で17年ぶりの来日、エディは78歳にして初来日です。

杖をつきながらゆっくりとステージに上がったヘンリーは、さすがにおじいちゃんになったなという印象でしたが、足取りはしっかりしています。世代的にはひと回り以上若いエディも日本で言えば後期高齢者(笑)ですが、年寄り臭さは全くありません。

フジロックのフィールド・オブ・ヘブンでの1ステージをこなした後に行われた7月28日1夜限りの東京公演。2部制でしたが、両方見ました。ギターの菊田氏の話しによると両セットとも当初は同じセットリストの予定だったそうですが、蓋を開けてみるとかなり違う。休憩時間中にいきなり予定が変わり、ステージでも更に予定外の曲をやったりしていたみたいです。そこら辺はいかにもブルース・セッション的なのりですね。

いずれのセットも、まずはエディの主導で"Three Hundred Pounds of Joy”などウルフの往年の名曲中心に展開しました。ファーストではストーンズなど多くのカバーもある”Little Red Rooster”をやりましたが、なんとガラッと雰囲気を変えてアップテンポ。エディは、嬉しそうにバンドの方を振り返り、菊田に、ヘンリーにソロを回します。エディは終始座っての演奏ではありましたが、サックスのブローも強烈でしたし、ヴォーカルも力が入っていましたよ。

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Eddie Shaw
(写真提供:Blue Note TOKYO)

エルモア・ジェイムズのバラード”It Hurts Me Too”では、1コーラスだけヘンリーが味のあるヴォーカルを取り、おお!やっとヘンリーがフィーチャーされたと心躍りました。しかし、次の曲からはそんなもんではなく、ヘンリーの独断場でした。彼はエディとは違い、やる曲はと言えば”Watch Yourself”や”Lucky, Lucky Man”などの自らの定番に加え、リトル・リチャードにジミー・リードなどなど、ウルフとは関係がない世界。やはりこの人はどこまでも我が道を行く人でした。

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Henry Gray
(提供:Blue Note TOKYO)

でも、それが嬉しかったですね。一回、キーを間違えて弾きだしてしまい、暫く気づかずにそのまま弾き続けた一幕があり、「おじいちゃんがんばって!」と思わず声をかけたくなりましたが、全体的にみれば、彼の個性的なプレイはいまだ健在でしたし、インストのブギウギでは、左手のリズムもガンガン鳴っていましたよ。この歳で遥々太平洋を超えて日本に来ただけでもすごいのに、まだその魅力で客を楽しませることができるというのは全く頭が下がりますなぁ。

2部では、ヘンリー爺さんが乗ってきたのか、止まらない止まらない。セットリストには全くなかったレイ・チャールズ二連発をやったのに加え、アンコールの”Rock Me Baby”が終わってMCが入りお開きとなったはずなのに、その後に唐突にヘンリーはピアノを弾きだしました。バンドのメンバーも急遽置きかけた楽器を再度手に取り、彼に付いていく展開に。終わってみれば、100分超えというブルーノートでは異例の長さのセットとなっていました。もうギャフンです。企画パッケージには収まらない、収まりたくない、そんなじいさんのわがままとも言える気概がなぜか嬉しかったです。

シンプルながら、歳を重ねた2人だからこその味と重みを感じるブルース。ブルースの全盛期が蘇ってくるような快感をあたえてくれたライヴに感謝です。なかなか日本まではこれないかも知れないですが、いつまでも元気で楽しませてくださいね。

ちなみに休憩時間中に会ったヘンリーに「前回日本に来たときのことを覚えていますか?」と問いかけたところ薄笑いを浮かべて「a long, long time...」と答えてくれましたよ。あまり覚えていないのかも知れないですが(笑)。

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Henry Gray & Shun Kikuta
(写真提供:Blue Note TOKYO)

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[Setlists]
Henry Gray & Eddie Shaw
Tuesday, July 28, 2015

1st set 19:00-20:14

*Eddie 19:00-19:30
Chicken Shack (instrumental)
Three Hundred Pounds of Joy
Little Red Rooster
It Hurts Me Too (Henry-vocals on one verse)
Shake for Me

*Henry 19:30-20:06
Shake A Hand
Watch Yourself
How Could You Do It
Henry's Boogie Woogie (instrumental)
Lucky, Lucky Man
Rock Me Baby
Stagger Lee
Sweet Home Chicago
-encore-
For You My Love (Eddie-vocals)

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2nd set 21:30-23:11

*Eddie 21:30-22:00
Chicken Shack (instrumental)
Three Hundred Pounds of Joy
Cold Cold Feeling
Shake for Me
It Hurts Me Too (Henry-vocals on one verse)

*Henry 22:01-22:36
Bright Lights, Big City
It Ain't No Use
How Can You Do It
Henry's Boogie Woogie (instrumental)
Lucky, Lucky Man
I'm Gonna Miss You
-
Howln' for My Darlin' (Eddie-vocals)
Watch Yourself (Henry-vocals)
What'd I Say (Henry-vocals)
Night Time Is the Right Time (Henry-vocals)
Sweet Home Chicago (Eddie-vocals)
-encore-
Rock Me Baby (Henry-vocals)
Bye Bye Baby (Henry-vocals)

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[Personnel]
Henry Gray - piano, vocals
Eddie Shaw - tenor saxophone, vocals
Shun Kikuta(菊田俊介) - guitar
Felton Crews - bass
Derrick Martin - drums

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《写真》
撮影 : 古賀 恒雄  提供:Blue Note TOKYO
※本サイトでは、許可を得て掲載しています。無断での転載はご遠慮ください。

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《参考リンク》

ヘンリー・グレイについて
http://black.ap.teacup.com/sumori/1637.html

公演日程詳細
http://black.ap.teacup.com/sumori/1605.html
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