2017/8/15

再び来日、Preservation Hall Jazz Band  ニューオーリンズ

3年振りの来日となったプリザヴェーション・ホール・ジャズ・バンド。キューバ音楽にインスピレーションを受けた新譜「So It Is」リリースを受けてのツアーです。

直前になってメンバー最長老のチャーリー・ゲイブリエル(cl., sax)が健康上の理由でキャンセルするという残念な出来事がありましたが、残りのメンバーで熱演を繰り広げてくれました。85歳になったチャーリーさん。大したことないといいのですが。

前回の来日(2014年7月)ではトラディショナルなスタイルから新作のオリジナル曲まで色々やってくれたのですが、今回見たライヴは一変。新譜のタイトル曲からスタートしたセットは、完全に新譜お披露目モードでした。新譜は1曲を除きインストで、となると当然このライヴもインスト曲中心。ステージを右往左往しながらノリノリで演奏を展開しましたが、MCもなく淡々と進行したので、歌ものももう少しほしかったというのが率直なところでした。

あと、これは新譜にも言えることですが、ニューオーリンズらしいトラディショナル・ジャズ色が希薄だったのが残念でした。何と言ってもこのバンドはそういうサウンドを後世に伝えることをミッションとしてスタートしたものだったはず。新しいことに果敢に挑む近年の積極性は僕も大いに評価していますが、それもトラディショナル・サウンドを押さえてこそだろうと思わずにはいられませんでした。"Convergence"では"Hey Pocky A-Way"を彷彿させるセカンドライン・ビートとピアノが入るなど、ニューオーリンズ色を感じさせる部分もないわけではありませんが、このバンド従来の持ち味を考えれば圧倒的に足りないのです。

開演後40分ほど経ち、サックスのクリントが初めてマイクに向かい客席に感謝の言葉を述べると、このセット初めての新譜収録でない曲、賛美歌の"Just Over In The Glory Land"をやりました。この日初めての歌もので、トロンボーンのロネルがリードを取り、キーボードのカイル以外の全員がコーラスで参加。やっと、ニューオーリンズのジャズ・バンドらしさを聴くことができた思いでした。

続いて新譜唯一の歌もの"Mad"を。これも楽しく盛り上がりましたが、ここでいったん終演。メンバーたちがステージを後にすると、ステージ後ろの幕が上がり、外のイルミネーションが映し出されました。通常この会場では、この幕が上がるとライヴは終了になります。アンコールはないのか?と思ったけど、すぐにメンバーたちは出てきました。どうやら彼らもこの夜景を見たかっただけのようでした。

夜景を背景にやったのは、前作のタイトル曲"That's It!"。メンバーがソロを回しながら、20分近くに渡る力のこもった演奏を展開しました。特にドラムスのシャノン・パウエルのソロはすごかった。この人は、ライヴを通して、タンバリンを叩くわ、素手でドラムスを叩くわ、、嬉しそうにコーラスに参加するわで、参加するバンドが何であれ、いつものノリなんだなと思いました。

前回ブルーノート東京でやった際は、管楽器のメンバーは横一列に座って演奏し、ユニゾンでプレイする際は一斉に立ち上がるなど、落ち着いたナイトクラブのショーの演出でしたが、今回は打って変わって自由な感じで、会場が違うとこんなにも違うのかと、思いました。会場というよりは、前回とのコンセプトの違いなのかも知れないですね。

因みに、このバンドの来日は今回で通算3回目。初来日は1976年で、現リーダーのベン・ジャフィーのお父さん、アランの時代です。メンバーはすっかり入れ替わっていますが、当時5歳だったベンは、父親に連れられて日本に来たことをよく覚えている、と語っていました。そうか、そうだったのか。それは初耳、いい話です。それから41年、亡くなった父のバンドを引き継ぎ、再び日本のステージに立っている事実に感慨深げでした。

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Preservation Hall Jazz Band
Billboard Live Tokyo
Sat., August 12, 2017
19:30 (2nd set)

[Setlist]
1. So It Is
2. Santiago
3. Convergence
4. La Malanga
5. Innocence
6. Just Over in the Glory Land
7. Mad
-encore-
8. That's It!

19:32-20:50 (20:31- encore)

[Personnel]
Ben Jaffe - bass, vocals
Clint Maedgen - tenor saxophone, vocals
Ronell Johnson - trombone, vocals
Shannon Powell - drums
Kyle Roussel - piano
Branden Lewis - trumpet, vocals
※前回スーザフォンをメインにプレイしたロネル・ジョンソンは今回はトロンボーンのみ。彼の後ろにスーザフォンが置いてあり、ビルボードライブのページでは、ベン・ジャフィーが担当することになっていましたが、結局使われることはなかったです。

▪️2014年の来日レポート (2014/8/12)
http://black.ap.teacup.com/sumori/1557.html

【ツアー日程】
2017年8月11日(金)ビルボードライブ東京 (16:30/19:30)
2017年8月12日(土)ビルボードライブ東京 (16:30/19:30)
2017年8月14日(月)ビルボードライブ大阪 (18:30/21:30)
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