2009/10/9

Robert Cray / This Time  新譜情報

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The Robert Cray Band / This Time (Vanguard)
2009年8月リリース。


ロバート・クレイの新譜。スタジオ作としては4年ぶり。

彼の新譜では久々に熱くなる内容でした。これまでの作品と比べても、まず音が生々しい。スタジオでライブのような音作りで、歌もギターもビンビン伝わってきます。これまでの作品には、耳触りのいいように丸くやすりをかけたようなところがありましたが、今回は粗削り、蔵出しそのまんまという感じです。"Love 2009"、"This Time"のようにクレイの得意なマイナー調のしっとりした曲も入っているけど、いずれもしっとりしすぎず、バンドの躍動感を維持し、これまで付きまとっていたマンネリ感を吹き飛ばしてくれます。

そうこのアルバム、バンドの躍動感がいいんですよ。特にシャッフル"That's What Keeps Me Rockin'"あたりののりの気持ちいいこと。バンドは今回、ドラムスとベースが入れ替わって心機一転をはかっていますが、ベースはリチャード・カズンズ。デビュー当時からクレイと活動していた人で、19年ぶりの復帰となります。彼の存在がまた、バンドのグルーヴにプラスの影響を与えているのかもしれませんね。

5月の来日公演のときと同じメンバーですから、あれを見た人ならば、バンドの雰囲気は判ってもらえるんじゃないかな。前作ではクレイ個人名義でしたが、今回は"THE ROBERT CRAY BAND"になっています。クレイもバンドを重視しているということではないでしょうか。

クレイは歌のうまさには定評がありますが、今回ギター・ソロにも印象的なプレイが多くあります。特にバラード"I Can't Fail"の入魂のソロ。泣けます。声以上に歌っています。素晴らしい。

クレイの作品に駄作はないけど、長らく傑作もなかったと思います。でも、間違いなくこれは傑作。彼のベストのひとつと僕は思います。
こんなに充実した内容なのに、日本盤、出ないのかなぁ。

収録曲
1. Chicken in the Kitchen
2. I Can't Fail
3. Love 2009
4. That's What Keeps Me Rockin'
5. This Time
6. To Be True
7. Forever Goodbye
8. Trouble & Pain
9. Truce

http://www.amazon.co.jp/This-Time-Robert-Cray-Band/dp/B002EIJ8IG/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=music&qid=1255061494&sr=8-1
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タグ: ブルース 新譜
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2009/7/10

Rick Estrin & the Nightcats  新譜情報

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Rick Estrin & the Nightcats / Twisted (Alligator ALCD 4930)

最近、ブルースの話題ってめっきり減ってしまい寂しい限りですが、このアルバムは楽しめました。

もう結成から30年以上経つ大ベテラン・バンドですが、前作まではLittle Charlie & the Nightcats。そう、リーダーが代わったのです。結成当時からバンドを率いたギターのリトル・チャーリーが引退、ハーモニカのリック・エストリンがその後任になりました。とは言え、これまでもフロントマンはエストリンでしたし、実質そう大きく変わる訳ではないのですが、新体制ということでか、かなり気合いの入った作品になっています。

このアルバムの一番の注目どころは、実はエストリンよりも、チャーリーの後任としてギタリストの座に座ったキッド・アンダーソンだと思います。彼はノルウェー出身の29歳。チャーリー・マッスルホワイトのバンドで頭角を現し、西海岸のブルース・シーンの若手注目と言われていましたが、ナイトキャッツの正式メンバーに迎え入れられたのです。

彼はテクニックもありますが、芯の通った音でツボを押さえたプレイをするので、これが気持ちいいのです。彼のソロ作にも入っていたインスト"Earthquake"をリメイクしていますが、このちょぴりファンキー目にガシガシ弾く様は、なんだかフェデラル時代のフレディ・キングのようでもあります。彼の存在が、ナイトキャッツのサウンドをぐっと引き締めている感じです。

ナイトキャッツと言えば、軽めのコミックバンド的なイメージでしたが、新作ではそういう雰囲気を残しつつも、がつんと決めています。1曲目からエストリンのハープの熱いこと!いぶし銀なんて言う言葉は似合いませんね。ばりばりですわ。

最近はアリゲーター・レコードもリリース数をぐっと絞っているようですが、そんな中でもナイトキャッツしっかり出し続けていることから見ても、彼らもこのバンドを重要視しているのが判ります。

お勧めです。
あとキッド・アンダーソンのソロ作もいいっすよ。2枚出ています。

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Rock Awhile (Blue Soul Records MBA2312) 2003
http://cdbaby.com/cd/kidandersen1

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Greaseland (Grappa) 2006
http://cdbaby.com/cd/kidandersen2
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タグ: Little Kid Nightcats

2009/7/1

Doug Sahmのトリビュート盤  新譜情報


Various Artists: Keep Your Soul: A Tribute to Doug Sahm (Vanguard)
http://www.amazon.co.jp/Keep-Your-Soul-Tribute-Doug/dp/B001QEIHVS

最近気に入っている新譜です。ダグ・サームゆかりのアーティストたちがサー・ダグラス・クインテットからテキサス・トルネードスまで、ダグの曲をやっているんですけど、いいんですわ、これ。

ダグもフレディ・フェンダーもいないけどテキサス・トルネードス名義のトラックもあって、ダグの息子のショーン・サームが入っていたり、フラーコ・ヒメネスのバックにはウェスト・サイド・ホーンズがいたり、ロスロボスやデヴィッド・アルヴィンやジミー・ヴォーンも参加していたりと、なかなか個人的にはツボなメンツです。

で、最初はあやうく見逃しそうになったんですが、フリーダ&ザ・ファイヤードッグス名義のトラックが1曲あって、これにはビックリ。マーシャ・ボールがソロ・デビュー前にオースティンで参加していたバンドで、70年代半ばには解散しているはずなのに。クレジットをみたら、ちゃんとマーシャも入っているですよね、さりげに。オリジナル・メンバーは5人中4人いて、ほぼ完全な形。本当に新録なのか?とネット検索をしたら、このレコーディングに関する情報は殆どなかったけど、ファイヤードッグスの公式サイトがありました。二度びっくり。

Freda and the Firedogs http://www.fredafiredogs.com/

そこで、1972年のファイヤードッグスのアルバムがオンラインで買えるようになっていたので、早速注文しました。

すると、その晩さっそく、メンバーのボビー・アール・スミスから「送ったよ!」とメールが届きました。日本からの注文に珍しかったのか、メールには、「このCDをどうやって知ったの?」と書いてあったので、上記の経緯を説明しました。

ついでに「これって本当に新録なんですよね?」「このために1回限りの再結成をしたのですか?」と聞いてみました。

すると、このレコーディングは昨年秋にオースティン近郊でレコーディングした新録であること、都合が悪かったオリジナルメンバーのDavid Cookにかわってスチールギターを弾いているTommy Detamoreはダグ・サームのアルバム"The Return of Wayne Douglas"のプロデューサーも務めた人であること、このトリビュート作のプロデューサのひとりBill Bentleyはファイヤードッグスをやっていたころからの旧知の中であることなど、教えてくれました。

ショーン・サームはもう一人のプロデューサーを務めていますが、彼が今年のダグの誕生日、11月6日にアントンズでギグを計画していて、そこでもファイヤードッグスがプレイできないか、ショーンからオファーが来ているそう。マーシャも乗り気だそうで、彼女の都合がつけば実現しそうなんだそうです。すごいなぁ。見たいけど、さすがにオースティンは遠いです。

でも、このトリビュート盤はしばらく愛聴しそうです。
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2009/5/18

おやじさんたち頑張っているなぁ  新譜情報

ボブ・ディランの新譜を聴きました。アラン・トゥーサンも先日新譜を出したし、今月末には来日公演も決まっています。
おやじさんたち頑張っているなぁ、と思う。

ミュージシャンは定年というものがないから、いくつになってもばりばり活動しているのは普通だろうけど、好きなアーティストが元気だと嬉しいですね。

ディランは、全曲オリジナルではありますが、前作、前々作に続いて、ブルース色の強い内容です。"My Wife's Home Town"という曲は、アレンジまでほとんどマディ・ウォーターズの"I Just Want To Make Love To You"そのまんまなのには、笑ってしまいました。作曲クレジットがBob Dylan/Willie Dixonとなっているけど、ディランは作詞だけでは?

"Beyond Here Lies Nothin'"はオーティス・ラッシュの"All Your Love"、"Forgetful Heart"はレイ・チャールズの"Unchain My Heart"を髣髴させます。他にもあるかもしれないので、原典を探す聴き方も楽しいかも。

内容は結構いいんですが、ディランの声は一層ガラガラになりました。ここ数作で相当喉がやられてきている感じがします。2006年にニューオーリンズでみたときは、以前よりずいぶんほっそりしてしまったように見えました。元気で新譜を出して来ているとは言え、大丈夫なんだろうかとちょっと心配になりました。

一方、トゥーサンの作品は、ジェリー・ロール・モートンやセロニアス・モンクなど、古いジャズのカヴァー集で、1曲を除いてインストというトゥーサンとすれば、意外な内容。特にすごいっていうものはないんですが、古い素材を使って洒落た感じに仕上げているのは、彼らしいといえるのかなぁ。

両者は特に関係ないんですが、思ったのはどちらもソングライターとして著名ながら、今回は古い素材の焼き直し的な作品だなぁということ。

「古い素材に新たな息吹を吹き込んだ」という肯定的な評価もあるでしょう。僕もそういう面は確かにあると思います。

でも、両者とも率直なところ、歳食って、新しい曲を書くのが面倒なのかなぁなんて斜めな見方をしてしまう私。演奏活動も大変だろうけど、新しい曲を生み出していくのって、もっと大変なのではなどと思うのです。

でも、元気に活動してくれていることに万歳!です。
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2009/4/22

最近聴いたニューオーリンズ新譜  新譜情報

ニューオーリンズではフレンチクオーター・フェスが終わり、あさってからジャズフェスが始まりますね。
僕は今年は東京で指をくわえているしかないのですが、今年も行く知人が何人かいるので様子を教えてもらおうと思います。

この時期はニューオーリンズものの新譜ラッシュですが、最近聴いたものについてちょっと書いてみたいと思います。

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・Glen David Andrews / Walking Through Heaven's Gate (Threadhead Records)
http://cdbaby.com/cd/glendavidandrews
http://www.glendavidandrewsband.com/gate.htm
James Andrewsのいとこにあたる若手シンガー、トロンボーン奏者で、このアルバムは昨年11月にトレメ地区の教会でレコーディングされたゴスペル・アルバムです。黒人の教会の熱い雰囲気がムンムン伝わってくるライブ・アルバムで、これはやられました。グレンの歌もとても力が入っています。例えばブルース・ブラザーズの映画の中でジェイムズ・ブラウンが教会で歌うシーンがありまよね。あんな感じをイメージしてもらえると、そう遠くはないと思います。でも、これはニューオーリンズ。バンドにホーンセクションがガンガン絡んでくるあたり、いかにも、です。ゲストで、トロンボーン・ショーティー、ポール・サンチェス、それにジョン・ブッテが登場します。ブッテは1曲、Battle Hymn of the Republicを歌っていますが、コーラス隊も入ったライブなので、彼のアルバムに収録されているバージョンと比べて全然迫力が違います。この一曲だけでも聴く価値ありです。

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・John Boutte/Paul Sanchez / Stew Called New Orleans (Threadhead Records)
http://cdbaby.com/cd/bouttesanchez
http://www.johnboutte.com/music.htm
昨年、ジョン・ブッテとポール・サンチェスは別々にアルバムを出しましたが、お互いのアルバムに参加しあっていたし、ライブでも共演していたので、デュオ名義でのアルバムを作るのは自然な流れなんでしょう。雰囲気的にはジョンの前作「Good Neighbor」の延長線にある音です。でも、ポールとジョンの共作の曲がメインで、歌も曲毎に2人でリードを分け合っているので、より共作色が強いです。この2人で来日でもしてくれたら歓喜しちゃうんだけどな。

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・Luther Kent / The Bobby Bland Songbook (Vetter Communications)
http://cdbaby.com/cd/lutherkent
http://lutherkent.com/
ルーサーの新譜は久々ですね。ゲスト参加などはあったけど、オリジナル・アルバムとしては1999年の「Down In New Orleans」以来ではないかと思います。

ルーサーに大きな影響を与えたとされるボビー・ブランドのカバー集で、アレンジと指揮にワーデル・ケゼルグが参加しています。ワーデル、元気なんですね!バンドはトリックバッグ名義ではありませんが、11人の管を含む大編成のバンドはトリックバッグの路線です。まったりとゴージャスな気分にさせる内容です。

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・John Scofield / Piety Street (Emarcy)
http://www.amazon.co.jp/PIETY-STREET-ジョン・スコフィールド/dp/B001NDR6HI/ref=sr_1_2?ie=UTF8&s=music&qid=1240333343&sr=8-2
この人、普段は全然守備範囲外なんだけど、ニューオーリンズ録音でジョージ・ポーターJr.、ジョン・クリアリー、シャノン・パウエル、ジョン・ブッテが参加しているとあってはやはり聴きたくなります。ゴスペル色が強いのでニューオーリンズR&B的なものを期待すると少し違うかも知れませんが、充分ニューオーリンズしてます。ジョン・クリアリーが大部分の曲を歌っていて、ジョン・ブッテはゲスト的に3曲に参加。日本盤はボーナス・トラックが1曲追加で、これもブッテが歌っていますので、彼のファンは日本盤を買った方がいいでしょう。このサウンドだとジョンスコさんのアルバムであることを聴いていて忘れてしまう感じ。「このギター、目立ってるね。誰が弾いてんだっけ?なんて言ってしまう始末。失礼!」

しかしまぁ、ここ最近ジョン・ブッテ活躍してますね。ファンとして嬉しい限り。この他Rabadashから出たばかりのTom McDermottのアルバム「New Orleans Duets」にも参加しています。そっちはサム・クックの"Cupid"を歌っていて、これも結構いいですよ。アルバム全体としても、色んな人が登場して面白い1枚です。
http://cdbaby.com/cd/tmcdermott
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アラン・トゥーサンの新譜ももう出てますね。聴かなきゃ。
皆さんもニューオーリンズもの、いかがですか?
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