2013/6/30

Dickey Betts ライブレポート  ロック

1991年のオールマン・ブラザーズ来日以来22年ぶりのディッキーの日本での演奏。これを待ってました!という雰囲気のお客さんで会場は溢れていました。

それにしても、あそこまでオールマン・ブラザーズ大会になるとは驚いた。バンド編成からして、ある程度はそういう内容になることは想像していたけど、僕が行った回はやった6曲中5曲までがオールマン。バンドを追われる形で抜けてから随分時間が経つけど、やはり彼自身もいまだに「オールマン・ブラザーズのディッキー・ベッツ」という意識が強いんでしょうね。

グレッグ・オールマンがソロで来日したときは、最終的にはオールマン・ブラザーズの曲で締めたとは言え、曲目もサウンドもちょっと雰囲気を変えてたけど、ディッキーは「俺はオールマン・ブラザーズをやるんじゃ、文句あっか?」てな感じですわ(笑)。

意外だったのは、オールマンの曲の中でも彼のレパートリーではないものをやっていたこと。この日演奏されたStatesboro Blues、One Way Outはいずれもグレッグ・オールマンがヴォーカルを取っていたナンバー。それを同じくオルガン・プレイヤーがヴォーカルを取る形でやった。そこまでしてやるかぁ。そう言えば、この人、なんとなくグレッグに雰囲気が似ている(似せている?)。

特にStatesboro Bluesは、ギターも元々はデュエイン・オールマンがフィーチャーされ、ディッキーはセカンド・ギター的位置づけ。それでもやるんですねぇ。ちなみに今回スライドは、アンディ・アレドートが弾いていました。そつなくデュエイン役をこなしていましたよ。彼は以前、ラッキー・ピーターソンと共演アルバムを作ったことがある人。そのジャケットの写真とは随分雰囲気が違って南部男っぽかったのは、このバンドにあわせているのかな、やっぱり。

Andy Aledort / Lucky Peterson / Tête à Tête (2007)
http://www.amazon.co.jp/Tête-A/dp/B003W7AXO6/ref=ntt_mus_ep_dpi_7

正直ディッキーは、プレイにかつて程の切れはなかったし、バンドもアンサンブルとしては危なっかしいところもありました。でも、どこをどう切ってもディッキーとしかいいようのないプレイだったし、一時期はオールマン・ブラザーズの事実上リーダーだった「本物」の重みを確かに感じました。

毎回結構やる曲は変えていたようで、この日も冒頭ソロ作の1曲を終えて、「じゃ、Statesboroでもやろうか」みたいな雰囲気でした。彼の足下にはセットリストらしきものが貼られていましたが、見ると19曲も書かれていて、とても1回でできる曲数ではない。きっとあれは、このバンドで演奏できるレパートリーを記した備忘録なんでしょう。実際やった順番もこのリストとは違いました。
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前日はやらなかったという"Jessica"を早くも3曲目にやって、もうお客さんは踊り出して大盛り上がり。この回はやった曲は皆1970年代以前の曲なので、新しい事はなにもやってませんが、お客さんもこれを求めて来たわけだからぜんぜんOK。

"In Memory of Elizabeth Reed"はテンポゆったり目でちょっとオールマンの耳慣れた演奏とは違っていました。オルガンがフィーチャーされない代わりに途中ドラムソロが入ります。1曲が長いこの展開、ノリは完全に3時間コースだよなぁ。しかし、ここはビルボード。70分でライブは終わってしまったのがちと残念。

最後はRamblin' Manで客席も大合唱。しめるところはしめてくれましたね。

しかしまぁ、ステージに並んだマーシャル・アンプの数、なんと4つ。ギターは3人なのに、ひとつは予備?決して広くないステージが、そのおかげでとても狭かった。考えてみれば、ビルボードライブでマーシャルを使っている人を見る事自体が初めてかも。こだわりなんでしょうね。使用したギターもディッキーはSG、あとの2人はレスポール。ギブソン一色ですね。ベースはフェンダーでしたが。
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ディッキーのすぐ隣りで弾いていた息子のデュエインは控え目な感じだったけど、よく見るとディッキーの若い頃によく似てました。なかなかハンサムな好青年。しかし、ディッキーはプレイしている時は自分の世界に入っていて、殆ど彼の方を見ないんですよね。完全に背を向けている。それがちょっと奇妙でした。

久しぶりにサザンロックらしいライブを聴いた感じ。また来てほしいですね。

Dickey Betts & Great Southern
Fri., June 28, 2013, 2nd set
21:35 - 22:45

[Setlist]
Nothing You Can Do
Statesboro Blues
Jessica
One Way Out
In Memory of Elizabeth Reed
Ramblin' Man

[Personnel]
Dickey Betts - guitar, vocals
Duane Betts - guitar
Andy Aledort - guitar
Pedro Arevalo - bass
Mike Kach - organ, electric piano, vocals
Frank Lombardi - drums, percussion
Kenny Crawley - drums, percussion

来日公演日程
6月26日(水) ビルボードライブ大阪 18:30 / 21:30
6月27日(木) ビルボードライブ東京 19:00 / 21:30
6月28日(金) ビルボードライブ東京 19:00 / 21:30
6月20日(日) ビルボードライブ東京 16:30 / 19:30(追加公演)

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