2013/10/24

Allen Toussaint親子デュオ公演  ニューオーリンズ

今日のニューオーリンズの音楽を作り上げた人と言っても過言ではないでしょう。アラン・トゥーサン、実に5回目となるビルボードライブでの来日公演、今回は当初ピアノ・ソロとのことでしたが、直前になって息子のクラレンス・レジナルド・トゥーサンがパーカッションで参加することが決まり、親子デュオでのショーとなりました。

もう75歳になりますが、年寄り臭さは全くないですね。ピアノも歌も全く衰えを知らず、ステージに登場する足取りもとても軽い。歳を考えると、そろそろ見られるうちに見ておかないとなんていう思いも脳裏をよぎるのですが、今回のショーを見ている限り、10年後も同じように飄々とステージをこなしていそうな気がしてしまいます。

冒頭一人で登場したトゥーサンは、鮮やかな青いスーツに、足はもちろんサンダルという出で立ち。ショーのイントロ的に弾きだしたのは、なんと50年代にレコーディングした「The Wild Sound of New Orleans」からのメドレー。当時、トゥーサンはまだ10代だったはず。50年以上の歳月を経ての演奏です。今回はバンド公演とは違う曲もやるかな?なんて思って見に来たらいきなり、サプライズでした。

2曲目からクラレンスが登場し、2人で歌ものを中心に展開していきます。定番の"Certain Girl"メドレーやリー・ドーシーのナンバーからちょっと珍しい"River Boat"など、繊細かつノリノリなトゥーサンのタッチはまさに至宝です。"Play Something Sweet"、"All These Things"あたりは特に嬉しかったですね。

クラレンスは、びっくりするくらい控えめなプレイで、もっと自己主張をすればいいのにとも思いましたが、父親のサポートに徹するということなのでしょう。"St. James Infirmary"では、なんと1曲とおして、指パッチンでリズムを取り続けたことから、僕はニューオーリンズのポール牧と命名しました(笑)。さりげに斬新かも。

そんなパーカッションだったので、当初の触れ込みだった「ピアノ・ソロ公演」という雰囲気は崩れることはありませんでした。実際途中からクラレンスはステージから降り、後半は本当にピアノ・ソロでしたし。

ピアノ・ソロ公演と言うと、2006年の来日時の原宿Blue Jay Wayでのライブを思い出します。あのときトゥーサンはユーモアたっぷりにとてもよくしゃべったのが印象に残っているのですが、今回は殆ど語りは入れず、どんどん曲を繰り出しました。考えてみれば、前回までバンドで来た際ももう少ししゃべっていたような気がしますが、しゃべっても判ってくれないと割り切ったのか、少しでも多く演奏を聴かせたいと思ったのかは判りませんが、結果としては、短めな演奏時間ながら、かなり内容は濃かったと思います。

アンコールは、「Bright Mississippi」に収録されていた"Long, Long Journey"。これ、渋いブルースで、アンコールの選曲としては意外なんですが、以前の公演でもラストでプレイしていたので、本人はお気に入りなんですかね。それで終わるのかと思いきや、続けてクリス・ケナーの"Something You Got"をプレイ。これは想定外でしたね。先日ジョン・クリアリーもこの曲で盛り上げてくれたばかりだったので、そのライブを思い出し喜んでしまいました。

ライブ終了後は、サイン会がありましたが、見たらすごい長蛇の列!トゥーサン相変わらずの人気者ですね。僕は列の長さに怖気づき退散しました(笑)。

尚、ライターの妹尾みえさんが、アランに昨日インタビューしており、次々号のブルース&ソウル・レコーズ誌(12月発売)の記事になる予定です。そちらの方もお楽しみに。

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Allen Toussaint
Billboard Live Tokyo
Wed., Oct. 23, 2013, 2nd show

[Setlist]
1. Happy Times〜Whirlaway〜Java
2. It's A New Orleans Thing
3. Sneakin' Sally Through the Alley
4. River Boat
5. With You in Mind
6. Medley: Certain Girl〜Mother In Law
〜Fortune Teller〜Working in A Coal Mine
7. Singin' the Blues
8. St James Infirmary〜Summertime
9. Holy Cow
10. Get Out of My Life Woman
11. (piano solo)
12. Play Something Sweet (Brickyard Blues)
13. All These Things
14. Yes We Can Can
15. Southern Nights
-encore-
16. Long, Long Journey
17. Something You Got

Showtime: 21:35 - 22:47

[Personnel]
Allen Toussaint - piano, vocals
Clarence Reginald Toussaint - percussion (on 2-8, 15)

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【過去の公演レポート】
ビルボードライブ東京, 2012年10月15日 (初日)
http://black.ap.teacup.com/sumori/1232.html

ビルボードライブ東京, 2012年10月16日(2日目)
http://black.ap.teacup.com/sumori/1230.html

※レポートはありませんが、アランは2011年1月にもビルボードライブで来日公演を行っています。

ビルボードライブ東京, 2009年5月30日
http://black.ap.teacup.com/sumori/237.html

ビルボードライブ東京, 2007年10月22日
http://black.ap.teacup.com/sumori/84.html

原宿Blue Jay Way, 2006年6月1日(ピアノ・ソロ公演)
http://black.ap.teacup.com/sumori/17.html

コステロ&トゥーサン・プロモ・イベント@品川教会グローリア・チャペル (May 31, 2006)
http://black.ap.teacup.com/sumori/16.html
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2013/10/27  13:43

投稿者:sumori

書込みをありがとうございます。近いうちにまた来てくれるものと思います。
是非また書き込んで下さいね。

2013/10/26  18:18

投稿者:col

はじめまして
ホントにいいライブでしたね
ニューオリンズピアノを堪能しました
彼はゆっくりとしたきれいな英語を話すのでライブでももっと何か話してほしかったですね
またお邪魔します

http://blog.livedoor.jp/jinsei1616/

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