2015/6/17

Mike Garner & Neil Billington @赤坂CRAWFISH  ブルース

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昨年に続き、早くも二度目の来日を果たしたニュージーランドのブルース・デュオ、マイク・ガーナーとニール・ビリントン。落ち着いた英国紳士的佇まいのマイク(彼はイギリス出身です)とにこやかで気さくなニール。パッと見はブルースのイメージから程遠い二人ですが、彼らのブルースはガツンと直球、本物です。

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6月5日、赤坂Crawfish。今回のツアーでは唯一の東京の単独公演でした。あいにくの雨降りしきる天気でしたたが、開演前にはほぼ満席状態。前回の評判に加え、バラカン・ビートで紹介されたのも大きかったのでしょう。まずはよかったなと思いました。(この翌々日、バラカンさんの番組Barakan Beatにゲスト出演した彼らは、30分ほど語って演奏もしてくれました。)

この日のライブは、ハウスバンドのZZ'Z(ニールが「ゼットゼットゼット」と紹介し、笑いが起きていた)がバックを付ける形の二部構成。バンドはスリーピースのシンプルな編成ながら躍動感溢れるビートを紡ぎ出し、好サポートでした。

バンドの登場に先立ちまずはマイクとニールでアコースティックのデュオ・スタイルを披露しました。とは言えマイクのギターの音は、冒頭からエレキのように歪み気味。"King Bee"を髣髴させるブルージーなマイクのオリジナル"The Worm"からスタート。渋いです。どブルースです。

もう1曲のオリジナルを含む3曲をデュオで披露したのちバンドが呼び込まれると、シカゴ・ブルース・スタイルの前のめりなノリに。マイクは、リード・ギターはZZ'ZのTAMEに任せリズムに徹する反面、ニールは1曲でクロマチックを含む3本のハープを使い分ける技も披露し、ナチュラルなトーンを大切にしつつ、大いに前に出てきてソロを取っていました。ニールは「クロマチックの方が色んな音が出せるけど、ブルースと言えばこれだよね」と10穴のブルースハープを見せながらニヤリ。クロマチックをangel、10穴をdevilと言って笑っていました。わかるなあ、そのたとえ(笑)。

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ヴォーカルはマイクとニールが交互に1曲ずつ歌う形で進行。マイクの声が非常にまったりとブルージーだったのが印象に残ります。

前半の演奏がシャッフル系のナンバーが中心だった中で"Ain't Nobody's Business"は沁みました。TAMEのリード・ギターがまるで先日亡くなったB.B.を追悼するように甘く優しく鳴り響き、会場はすごくいい雰囲気に包まれました。

2部では、ジミー・ロジャーズの"That's All Right"でマイクはスライド・ギターを披露。この日初めて彼が取ったリードで、その音はちょっとロバート・ナイトホークを思わせるものがありました。やはり彼は渋くディープです。ベテランの味ですね。

後半には2人の日本人ゲスト(T-Slimとモリシンジロウ)が入れ替わりで入り、見せ場を作ってくれました。昨年見たときのようなセッション大会にはなりませんでしたが、サウンドを崩さない程度で程よかったのかも。ハープのT-Slimが入った際のニールとのバトルも見ものでしたし、TAME、モリ両氏の競演もライブ終盤に華を添えてくれました。つなぐアンプがなかったのか、マイクはこのときはステージから降りていましたが。

熱烈な歓声に迎えられての二度目のアンコールではニールが一人でステージに上がり、ハーモニカ1本でビートルズの"Yesterday"を披露。2時間以上に渡るノリノリなステージの締めとしては新鮮な余韻を残す中でお開きとなりました。

非常に充実したライブでしたが、ひとつ残念なことがあるとすれば、マイクの活躍の場が前回よりは少なかったこと。基本がアコースティックな弾き語りスタイルだけに、バンドになるとどうしても脇役的なプレイになってしまいます。また、セットリストを見てもらえれば判りますが殆どがカバー曲だったのもちょっと惜しいなと思いました。マイクはアルバムではどちらかというとオリジナル曲が中心であり、そこら辺のレパートリーももう少し聴けたらよかったんですが。初顔合わせのバンドと、まだまだ彼らに馴染みがない客層を考慮すればの演目だったのでしょうね。

動のニールに対し静のマイク、ある意味対照的な二人ですが、お互い補い合ってぶつからない非常にいいコンビだなと感じました。一緒に演奏するようになって3、4年ほどになるそうですが、まだ5曲入りのプロモ・ディスクを除き、まだ共演作は出ていません。当初は来日中に日本のミュージシャンと新作のレコーディングを行うことを模索していた二人ですが、是非近いうちに新作を作ってほしいものです。

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Mike Garner & Neil Billington
Akasaka Crawfish
Fri., June 5, 2015
Setlist

1st set [20:10-21:20]

-duo-
1. The Worm (Mike Garner)
2. I Feel So Good (Big Bill Broonzy)
3. Drivin' with the Blues (Mike Garner)

-with The ZZ'Z-
4. Off the Wall (Little Walter)
5. Little By Little (Jr. Wells)
6. You Got To Step Back (Sonny Boy I)
7. Rock Me Baby (B.B. King)
8. I'm A Stranger Here (Terry & McGhee)
9. Howlin' for My Darling (Howlin' Wolf)
10. Ain't Nobody's Business (Jimmy Witherspoon)
11. Crossroads (Robert Johnson/Cream)

《休憩》

2nd Set [21:50-23:05]
-with The ZZ'Z-
12. Georgia on My Mind (Hoagy Carmichael)
13. Sick And Tired (Fats Domino)
14. That's All Right (Jimmy Rogers)
15. Born in Chicago (Paul Butterfield)
16. One Way Out (Sonny Boy II, w/ T-Slim-hp.)
17. I'm Leaving You (Howlin ' Wolf, w/ T-Slim-hp.)
18. Crosscut Saw (Albert King)
19. Help Me (Sonny Boy II)
20. Dimples (John Lee Hooker)

-encore1-
21. ?

-encore2-
22. Yesterday (The Beatles, hp. solo)

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[Personnel]
Mike Garner - electric & acoustic guitars, vocals
Neil Billington - blues harp & chromatic harmonica, vocals
庄司"TAME"厚人 - guitars
新井武士 - bass
GOBOH 鈴木 - drums
T-Slim - harp on 16 & 17 (guest)
モリシンジロウ - guitars on 18 & 19 (guest)

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Mike Garner http://www.mikegarner.co.nz/

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(c)All photos by Masahiro Sumori.
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