2017/6/10
訃報:Gregg Allman 1947-2017 ロック
Gregg Allman at Long Beach Blues Festival
September 4, 2000
(c)photo by Masahiro Sumori
時間がたってしまいましたが、これに触れないわけにはいきません。グレッグ・オールマンが5月27日午後、ジョージア州サヴァンナの自宅で亡くなりました。69歳でした。死因は肝臓ガンに起因する合併症とのことです。
ここ最近体調が悪そうだったとは言え、50年近くオールマン・ブラザーズで活躍し続けたサザンロックの顔と言っていい存在だけに、ショックは大きいです。
オールマン・ブラザーズは、2014年のギタリスト2人の脱退をもって事実上活動を終了していましたが、以前だったら、代わりのメンバーを入れて活動を続行していたはず。そうしなかったのは、僕はグレッグの健康状態がよくないからなんだろうなと想像していましたが、それにしても残念でなりません。
僕がグレッグを初めて見たのは、1990年のオールマン・ブラザーズの来日公演ででした。再結成後の1枚目「Seven Turns」のツアーで、今思えば、グレッグもディッキー・ベッツもまだまだ若々しかったです。ファースト・アルバムの冒頭"I Don't Want You No More"から"It's Not My Cross To Bear"で始まったライヴ。グレッグのソウルフルな歌声にしびれたのが記憶に残っています。
1990年来日公演のチラシ
1992年にもう一度彼らは来日。また1998年にはグレッグ・オールマン&フレンズと名義でブルーノート東京と大阪で公演があり(東京まだ、現在のブルーノートに移転する前のこじんまりとしたところでした)、その際は手が届くほどの至近距離でグレッグを見たのをよく覚えています。客席も大いに盛り上がっていて、特にラストで”Statesboro Blues”がはじまったら、もうみんな大興奮で立ち上がって踊り狂っていましたね。
1998年のブルーノート公演
しかし、グレッグの来日はそれが最後でした。僕は2000年にもう一度LAでオールマン・ブラザーズを見ることができましたが(そのときの写真をここで使っています)、20年近く来日が実現しないまま、グレッグが他界してしまったのは残念でなりません。フジロックなど夏フェスでオールマン・ブラザーズが出たら盛り上がっただろうなと今でも思います。
今年1月には、オールマンのオリジナル・メンバーの一人、ブッチ・トラックスが亡くなっており、グレッグが亡くなったことにより、オリジナル・ラインアップ6人で存命なのは、ディッキー・ベッツとジェイモーの二人だけとなってしまいました。
グレッグの葬儀は、6月3日に近しい人たち100人程度で執り行われたそうです。遺族の意向により、葬儀に参列した人たちは、スーツではなくジーンズを着用したとのこと。グレッグを見送るにはそれが相応しいでしょうね。
その後、彼はジョージア州メイコンのローズヒル墓地に埋葬されました。同じ墓地には、1970年代にバイク事故で亡くなった兄デュエインやオールマン・ブラザーズのオリジナル・ベーシスト、ベリー・オークリーも眠っています。
グレッグは亡くなりましたが、彼はドン・ウォズのプロデュースでソロ・アルバム「Southern Blood」を完成させており、2017年中にリリースされる予定です。2011年の「Low Country Blues」の以来6年ぶりの新譜であり、本当のラスト・アルバムです。
そのリリースを楽しみに待ちたいと思います。
RIP、グレッグ・オールマン!
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