2017/12/15
訃報:Robert "Bilbo" Walker 1937-2017 ブルース
デビュー作
「Promised Land」(1997年)
ブルース・ギタリスト/シンガー、ロバート”ビルボ”ウォーカーが11月29日、ガンのためカリフォルニア州で亡くなりました。80歳でした。彼はブルースの本場、ミシシッピ・デルタのクラークスデイル近郊の農場に生まれましたが、近年はカリフォルニア州のベーカーズフィールドで綿花畑などの農業を営みつつ、音楽活動を行っていたそうです。土地は変わってもミシシッピ流の暮らしは続けていたんですね。一時期はシカゴに住んでいたこともあり、今は亡きマックスウェル・ストリートで演奏していたらしいです。
彼のブルースは、マディ・ウォーターズやマジック・サムなどを彷彿させる、往年のミシシッピ〜シカゴのストレートなブルース・サウンドを基調としていましたが、ときにソウルっぽいものを混ぜ込んできたりと、意外と守備範囲は広いところも見せていました。彼がアイドルとしていたのは、チャック・ベリーで、かつてはチャック・ベリーJr.という芸名で活動したこともあったそうです。
80歳と年は食っていましたが、1997年のアルバム「Promised Land」(Rooster Blues)でレコード・デビューするまでは、恐らくデルタ界隈でしか知られていない存在だったのではないかと思います。デビューしたのが60歳ということになりますから、超遅咲きですね。それ以降、名前が知られるようになり、ツアーにも出るようになりました。アルバムは、1998年の「Rompin' & Stompin’」(Fedora)、2001年の「Rock The Night」(Rooster Blues)と計3枚出ています。
アルバムは暫くご無沙汰だったものの、近年も精力的に活動していたようで、昨年はクラークスデイル郊外に自分のジュークジョイントWonderlight Cityを開店し、カリフォルニアに住みながらも、しばしば故郷に戻りギグをこなしていたようです。同年、イスラエルへのツアーも行っています。
米Living Blues誌2013年12月号(#228)では、彼は表紙を飾り、巻頭記事でフィーチャーされています。
Living Blues #228
10月6日には、アーカンソー州ヘレナのキング・ビスケット・ブルース・フェスティバルに出演し元気な姿を見せたと言いますが、それが最後のステージとなってしまいました。11月になってガンに侵されていることが発覚し、facebook上に彼の医療費を支援するための募金サイトが立ち上がりましたが、その矢先に訃報が入ってきました。
チャック・ベリーをやっても、マディをやっても、彼らよりもずっと粗削りで、いい意味での垢抜けなさが味となっていた彼。惜しい人を亡くしました。一度見てみたかったです。RIP。
ダンサーのお姉さんを付けたパフォーマンスもいい感じです。
チャック・ベリー・スタイルも聴けます。
自分のお店でプレイしています。
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