2020/5/13

追悼リトル・リチャード 1932-2020  ロック

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Little Richard at Long Beach Blues Festival
Sept. 2, 1996, CSULB, Long Beach, CA
(c)Masahiro Sumori. All rights reserved.

リトル・リチャード(本名Richard Wayne Penniman)の訃報は5月9日、週末の夜に突然入ってきました。Twitterのタイムラインは瞬く間にその話題で溢れていました。彼は同日、テネシー州タラホーマの親族の家で亡くなりました。骨ガンで闘病中だったとのことです。87歳でした。

でも、正直僕にはあまり驚きも衝撃もありませんでした。2013年に引退宣言をしてからどうしているのか伝わってきていませんでしたし、相当高齢だったので、「あぁ、そうか」と比較的冷静に受け止められました

新作に至っては1992年の高中正義との共演盤を最後に30年近く何も出していなかったので、引退する前から現役感はあまりなかったですし。でもやはり寂しいですね。

彼を初めて聴いたのがいつ、何だったのか、全く覚えていません。多分、”Lucille"か"Tutti Frutti”あたり?、あるいはビートルズがやった”Kansas City”のカヴァーの方が先だったか、どっちだろう?普通好きなアーティストを初めて聴いたときのことは覚えているんですが、彼のようにあまりにも有名でどこにでも流れていると、そうもいかない。気が付いたら耳にして踊っていた、そんな感じですかね。中学生の頃だと思います。

一度だけ彼を見る機会がありました。1996年、毎年行っていたカリフォルニア州のロング・ビーチ・ブルース・フェスティバルで彼がヘッドライナーを務めたのでした。演奏はダラダラでそんなによいと言えるものではなかったですが、その存在感たるや強烈でした。ピアノも歌も、振る舞いもまさにリトル・リチャード。こんな人は他にいないです。

□■当時書いたライヴ・レポート■□

彼が登場したときの異様な熱気は忘れられません。ブルース・フェスの出演者って普通、B.B.キングだろうとボビー・ブランドだろうと、どんな大物が出てきても、ブルースマンなんて知らない人は知らないじゃないですか。でも、アメリカでリトル・リチャードを知らない人はまずいない。あの熱気はそれを如実に示していました。”We love you Richard!”とあちこちから熱烈なリチャード・コールが起こる中、ふざけながら”Shut up!”と客に吐き捨てさらに盛り上がる、そんな感じ。

この日のセットは、彼が50年代に一緒にやっていたグレイディ・ゲインズと彼のバンド、テキサス・アップセッターズだったこともあり、リチャードはすごくノリノリだったのも印象に残っています。リチャードの前でグランドピアノに乗ってサックスをブロウしている有名な映像(1956年の映画「Don't Knock The Rock」)がありますが、その男がグレイディ・ゲインズです。このときも、同じ勢いでブロウしまくっていました。

グレイディも暴れる「Don't Knock The Rock」より


確か90年代の始めくらいだったと思いますが、リチャードの来日が決定したことがありました。新聞に広告が出たときは「おお!」と思いましたが、結局中止になりました。チケットが1万円くらいとあまりに高く、会場も日本武道館と大きかったので、そもそもの設定が無理があったのかも知れません。あまり宣伝もしていなかったようなので、多分売れなかったのでしょう。これ以降来日の話が出ることはなかったと思います。

彼のカバーをしたアーティストは数えきれないほどいますが、ひとつ印象に残っているのはフェントン・ロビンソンがやった”Directly from My Heart to You”です。これは本当に名演ですが、僕はオリジナルよりもこちらを先に知りました。



リチャードはジョージア州出身ですが、彼の黄金期、1950年代のスペシャルティ録音の多くはニューオーリンズのJ&Mスタジオで収録されています。参加したミュージシャンもリー・アレン(sax)やアール・パーマー(ds.)ら地元ミュージシャンなので、ニューオーリンズ感いっぱい。ピアノの相当部分はリチャード本人ではなくヒューイ・スミスあるいはエドワード・フランクが弾いていたと言われていますが、なぜリチャードを差し置いて彼らが呼ばれたんでしょうね。リチャードにはシャウトの方に専念してほしかったから?本人のプレイは気まぐれすぎたから?色々想像すると面白いです。

リチャードが亡くなり、50年代のロックンロール黄金期を彩ったスターで存命なのはジェリー・リー・ルイスとロイド・プライスくらいになってしまいました。50’sもそれだけ昔の話になってしまったんですね。
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