2009/10/29
Maria Muldaur & Her Garden of Joy 新譜情報
Maria Muldaur & Her Garden of Joy
(Stony Plain)
マリア・マルダーの新作、「Maria Muldaur & Her Garden of Joy」がえらくごきげんな内容です。入手してから、聴くのを止められません。中毒症状に近い。
戦前のブルースをテーマにしているという点では、「Richland Woman Blues」などの延長線にある作品と言えますが、今回はジャグバンド。マリアのキャリアは1960年代にイーヴン・ダズン・ジャグバンドに参加したことから始まっているので、これは彼女にとって原点回帰の意義深い作品と言えるでしょう。しかも、バンドには、イーヴン・ダズンのバンドメートでもあったジョン・セバスチャン、デヴィッド・グリスマンもいます。他、タジ・マハールやフリッツ・リッチモンドもいますが、皆ゲストという肩の張った感じはありません。
ゲストと言えるのはダン・ヒックスくらいでしょうか?メドレーで演奏される"Life's Too Short / When Elephants Roost In Bamboo Trees"で、マリアとユーモア溢れるデュエットを披露し、また自らのレパートリーから2曲("The Diplomat"、"Let It Simmer")提供しています。彼の独特な飄々とした存在感、出てますねー。前日の来日公演での彼の姿を思い出しました。
ジャグバンドらしく、ラグスタイルにフィンガーピッキング・ギターで軽快に繰り出される曲が多くて楽しいことこの上ないです。ラストの"The Panic Is On"は1929年の大恐慌時に書かれた不況の歌ですが、リーマンショックに揺れる現代にも通ずるものがありますね。最後の一節がオバマ大統領へのエールに置き換わっているのがまた粋です。
マリアは現在、北米ツアー中のようですが、こんな設定での彼女見たいなぁ。来日希望です。
Maria Muldaur & Her Garden of Joy
(Stony Plain SPCD 1332)
Released: Sept. 29, 2009
1. The Diplomat (3:48)
2. Shake Hands And Tell Me Goodbye (3:04)
3. Shout You Cats (3:00)
4. The Ghost Of The St Louis Blues (3:44)
5. Let It Simmer (4:38)
6. Sweet Lovin' Ol' Soul (4:16)
7. Medley: Life's Too Short / When Elephants Roost In Bamboo Trees (5:10)
8. Garden Of Joy (2:23)
9. He Calls That Religion (4:03)
10. I Ain't Gonna Marry (2:53)
11. Bank Failure Blues (5:19)
12. The Panic Is On (4:02)
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