ぶるぎん推薦の一冊。ブルースの手引きの決定版。


ブルースCDガイドブック(小出 斉著)


定価:\3,500.-
発行:株式会社ブルースインターアクションズ
〒151 東京都渋谷区富ヶ谷2-41-10
電話:03-3460-8611
1995年12月発行



もうお買いあげの方も多いとは思いますが、改めてこの場を借りてご紹介。
一家に一冊、小出斉の『ブルーズCDガイドブック』(ブルーズ・インターアクションズ刊)。

前身となる(んだろう)7年前に発売された『ブルーズ・レコード・ガイドブック』の時は、1アーティストにつき、せいぜい2〜3枚を掲載するのがいいところで、関わった者の一人として欲求不満も残った。が、今回はそのアーティストが出している、現時点で手に入るCD全てが掲載されているのだ。

「とにかく1枚でも多くのCDを載せたかった」とは著者の弁。それはとてもよくわかる。名盤といえるものは確かにあるけれど、それだけが全てじゃないんだよね。このアルバムの中の、この一曲だけは是非聞いてっ!というのもあるし、また、なんじゃこれは?と思えるようなアルバムでも、そのアーティストの活動全般を通して見た時には、全く意味のないものとは言えないからだ。そういう見方ができるのは、おそらく小出さん自身が、プレイヤーでアルバムを制作する立場にもあるからだと思う。そして、それ以上に、ブルーズっていう音楽にすごい愛情を持ってるんだよね!このガイドブックを”読んでる”と、よーし、私ももっと頑張って聞かなくちゃ!という気持ちになってくる。お陰でこの半年、すごい勢いで買いまくってしまったぞ。それでも、このガイドブックの1番から順番に、CD棚のはじから並べてやる!というささやかな?野望の達成できる日はいつのことか・・・・。

もちろん、私はそんなに濃いブルーズ・ファンじゃないから、という人もいるだろう。でも、「ブルーズ」という言葉がひっかかった人は、この本の中に、一人くらい知っている名前があるはずですよね?まず、そこを熟読してみてください。あとはパラパラ眺めてるだけでもOK。ただ、「聞いてみて!」と著者推薦の言葉があったアルバムは、だまされたと思って、買ってみてはどうだろう。それで失敗したっていいじゃない!最近は、DJブームの煽りから、一曲指名買いをする傾向も多いと耳にしたが、是非、そこから勇気ある一歩を踏み出してほしいものだ。ブルーズって音楽の魅力と同時に、ブルーズマンの面白さも吸引力のひとつになってる。周辺のこまごまとした所に、ちょっと目をやった時に、あっそうか!という発見があったりするものではないだろうか?ブルーズの歴史とか余計なものは一切なし、いわばレコード評がぎっしり詰まっているような体裁だが、なぜかブルーズマンその人や背景も見えてくるのが不思議。ジャケット写真もいっぱいで、これは実際お店に行って買う時にとっても役に立ちます。いい事ばっかり書いてるけど、この労作を前には、さすがの私でもほめるしかないじゃありませんか。

でも最後に一言。小出さんの職業はギタリストであり歌うたいだと思っています。みなさま、是非、ミュージシャンとしての小出斉も見にいらしてくださいまし。   (妹尾みえ)




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