SOMEBODY LOAN ME A DIME
(US: Alligator AL 4705), 1974
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- Somebody Loan Me A Dime
- The Getaway
- Directly From My Heart To You
- Going To Chicago
- You Say You're Leaving
- Checking On My Woman
- You Don't Know What Love Is
- I've Changed
- Country Girl
- Gotta Wake Up
- Texas Flood
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現在のジャケット

オリジナルLP
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Produced by Fenton Robinson & Bruce Iglauer
Recorded at Sound Studios, Chicago
Personnel:
Fenton Robinson - guitar & vocals
Mighty Joe Young - rhythm guitar
Bill Heid - keyboards
Cornelius Boyson - bass
Tony Gooden - drums
Norval D. Hodges - trumpet
Elmer Brown, Jr. - trumpet
David Baldwin- tenor sax
Bill McFarland - trombone
アルバムとしては、間違いなくフェントンの最高傑作である。演奏は彼のピーク時をとらえているし、プロデュース面からみても丁寧な音作りがされている。フェントン自身「はじめて自分でLPを作った」と納得していたというが、それもこれを聴けばよく判るというものだ。
このアルバムの数年前には、セヴェンティー7でひどいアルバムを作らされてしまうなど、レコーディングにはあまり恵まれていなかったフェントンだが、この1枚が世に出たことで、彼の素晴らしさが記録されることになったことはファンとして本当に嬉しい。
アルバムの作りは、アリゲーターのロッキン・ブルース的なイメージとは一線を画しており、しっとりと繊細なフェントンの世界が全編に渡って展開されている。1967年のパロスからの代表曲1.、ラリー・デイヴィス名義でデュークにレコーディングされた11.、USAからのシングル3.、5.などの過去の曲のリメイクも、オリジナルを凌ぐ出来栄えだ。
カウント・ベイシーの4.はジャズっぽい雰囲気がクールで、歌もギターもこれぞフェントンといったところを聴かせてくれるし、5.のスウィングした感じも実によい。1.はあの有名なイントロからゾクゾクっと来る。11.はスティーヴィー・レイ・ヴォーンがカバーしたことでも有名だが、スティーヴィーとは正反対のクリーンなトーンでのギターは、正にフェントン。どこを聴いても溢れんばかりのフェントンの才能が堪能できるアルバムなのである。

  
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