BACK TO BOGALUSA
(US: Blue Thumb/Verve 549 785-2)


  1. Folks Back Home (Hoyt Garrick) - 3:53
  2. It All Comes Back (Bobby Charles) - 4:33
  3. Same Old Blues (William Donald Nix) - 4:10
  4. Going Back To Louisiana (Rober Eugene Osborn) - 4:39
  5. Breaux Bridge Rag (David Craig) - 3:04
  6. Why Are People Like That (Bobby Charles) - 3:23
  7. Grape Jelly (Eric Demmer/Skip Nallia) - 4:26
  8. Bogalusa Boogie Man (R. Lane/W.D. Morrison) - 4:56
  9. Louisian' (Hoyt Garrick) - 3:38
  10. Dixie Chicken (L. George/M. Kibbee) - 4:24
  11. Lie No Better (D. McClinton/G. Nicholson) - 4:06
  12. Slap It (Joe Krown) - 4:31
  13. Dangerous Critter (C. Brown/M. Loudermilk) - 4:53

Back To Bogalusa

Personnel:
Clarence "Gatemouth" Brown - vocals, guitar, fiddle, viola
Harold Floyd - bass
Joe Krown - keyboards
David Peters - drums
Mike Loudermilk - guitars
David Hyde - bass on 10.
Sonny Landreth - slide guitars
Zachary Richard - accordions
Eric Demmer - alto sax, tenor sax, baritone sax
Brian O'Neill - trombone
Brent Rose - tenor sax
Barney Floyd - trumpet
Pat Bickham, Renee Brown, Gene Gunulfsen, Mike Pace - background vocals


Produced by Jim Bateman with Clarence "Gatemouth" Brown
Released: 2001

テキサス・スウィングが2作続いたあとに、ルイジアナのボガルーサに戻ると銘打ったこの新作。久しぶりに"The Man"のようなルーツ・ミュージック路線全開かと思ったが、また一味違う。全体的にゆったりとしたテンポで、レイドバックした音になっているのが特徴と言えるのではないかと思う。70年代のバークレイ時代の延長線にある音とも言えないだろうか。1.、5.、8.、9.、10.と、その時代の曲の再演に多く取り組んでいるし、アルバムのタイトルもバークレイのアルバム「Bogalusa Boogie Man」を念頭においているはず。

ゆったりとしたテンポの中に南部の香りが漂っている。いつものバンドの面々に加え、ザッカリー・リチャード、サニー・ランドレスが参加しているのも、そういった音作りに貢献していると思う。5.、9.でザッカリーが聴かせるアコーディオンの響きなど、哀愁に溢れていて最高だ。ゲイトのフィドルの絡み方もよい。ちなみに、コーラスでゲイトの娘のルネーも参加している。"Song for Renee"のその人だろう。

スピード感のあるプレイは聴けないが、ファンキーなインスト・ナンバー7.で聴かせるギターなど、充分にプレイヤーとしてのゲイトの健在ぶりを示している。因みにこの曲は、バンドのサックスのエリック・デマー作。12.はキーボードのジョー・クラウン作だ。このような曲を取り上げているのは、ゲイトが個人ではなくバンドとしてのサウンド作りを大切にしていることの現れだろう。いずれの曲も、現在のゲイトのサウンドをよく示した内容だと思う。12.は、ジョーのソロ作"Buckle Up"でも演奏されているので、聴き較べるのもよい。

ベスト・トラックは個人的には4.かな?リズミカルなテンポとゲイトのギターもよし、哀愁を感じるコード進行と、ホーンの入り方も◎。フレディー・キングで知られる3.は、フレディーのような情熱的な歌い方とは対称的だが、そのそつなさが逆に心に染み入るのだ。10.は期待して聴いてしまったが、あまりにもリトル・フィートのオリジナル・バージョンのイメージが強く、もうちょっとゲイト印のひねりが欲しかった。サニーのスライドは光ってるんだけど。

サニーと言えば、本作では彼が多くプレイしている分、ゲイトのプレイが少ないと言うことも言えなくもない。とにかくゲイトのギターをたっぷり聴きたい、という人には、その点不満が残るかも。しかし、ゲイトは単なるプレイヤーではない。音楽性でみると、本作は見事にゲイト流アメリカン・ミュージックの1ページを紡ぎだしている。老いても、なおゲイトの創作意欲はつきないのが嬉しい。








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