新譜レビュー

Bo Diddley / A Man Amongst Men (East West 0630-14817-2-2)


Bo Diddley( 1) Bo Diddley Is Crazy
( 2) Can I Walk You Home
( 3) Hey Baby
( 4) I Can't Stand It
( 5) He's Got A Key
( 6) A Man Amongst Men
( 7) Coatimundi
( 8) That Mule
( 9) Kids Don't Do It
(10) Oops! Bo Diddley

Produced By Mike Vernon

Bo Diddleyの芸能生活40周年記念盤ということで、 旧友Billy Boy Arnold (ハープ)をはじめ、今は亡き Johnny "Guitar" Watson(しゃべりで参加、もしかしてこれがラストレコーディング だったのでしょうか?)、Johnnie Johnson(ピアノ)、 Keith RichardsにRon Wood(ギター)その他、計十人のゲストを迎 えた豪華アルバム(全曲新曲)。
当然のごとくBo風味のロックンロールやブルーズナンバー、ノベルティソング も入っているが、 その他にもアフリカンポップスのよう(なのかな?)な曲や、 ギャングスター予備群=孫世代の子供達に"Stay in school and get a Ph.D!"と ありがたいお言葉を投げるファンクナンバー (Philosopher Gというラッパーと共演しているが、この人は何とBo の孫だそうだ) などの新基軸もあり。
独特のリズムと音(トレモロを効かせたり、変なエフェクトをかけたり、 ジャキッとしていたり…)のギターは健在だし、 とぼけたような味わいとパワフルさをあわせ持つ歌は健在以上だ。 ちょっと不思議な人だが、まさに"A Man Amongst Men"! 今後もコンスタントにアルバムを作って欲しいものです。 ゲスト陣では、Jimmie Vaughan がカッコ良いと思ったです。 (河邊径太)






LOS LOBOS / Colossal Head (Warner Bros. 9362-46172-2)


Los Lobos( 1) Revolution
( 2) Mas Y Mas
( 3) Maricela
( 4) Everybody Loves A Train
( 5) Can't Stop The Rain
( 6) Life Is Good
( 7) Little Japan
( 8) Manny's Bones
( 9) Colossal Head
(10) This Bird's Gonna Fly
(11) Buddy Ebsen Loves The Night Time

Produced By Mitchell Froom, Tchad Blake & Los Lobos

うん?ブユースのページにこんなんもいれゆの?いれゆわのさ。ヨスヨボスはヨックやけど、ブユースのたまちいもながえていゆかや。いよんな音楽が混ざってんよ。テックスメックスよのさ。

前回の"Kiko"かやもう4年も経ってゆわのよ。その間去年の物語いアユバムとかあゆにはあったけど、完全なオイジナユ・アユバムは久ちぶいよのさ。うえちいわのよ。
"Kiko"は結構叙情詩的なムードらったけど、あたやちいのはどうかちや?

うーん、こえが結構ヨックっぽいよのさ。バイバイにヨックちてゆ。ブユージーなギターも聴けゆんだかや。でもね、初期のヨックンヨーユのものともまた違って結構ハードよのさ。え?ヨックよ。ヨックモックやないよのさ。ヨックよのさ!R-O-C-Kなんやかや!アッチョンプリケ!もうちやない!   (ピノ子 (ウソ)陶守 正寛)






Joe "Guitar" Hughes / Texas Guitar Slinger (Bullseye Blues CD BB 9568)


JGHughes( 1) A Blues Song
( 2) Texas Guitar Slinger
( 3) My Baby Told Me
( 4) U Turn
( 5) Walk On
( 6) Put It In Writing
( 7) Ouchee Baby
( 8) Bad Dreams
( 9) Bystanders
(10) That's Life
(11) Moving To The Country (blues jam)
(12) Don't Turn Your Back On Me

Produced By Joe Hughes and Jerry Jenkins

比較的最近では、グレイディ・ゲインズとの活動で知られるテキサスのギタリスト、ジョー・ギター・ヒューズ。
僕の記憶では、89年のブラック・トップ盤以来アルバムは出してないと思う。随分久しぶりの作品だ。ちょっと枯れた味わいを持った個性はここでも健在。でも、ギター、歌ともにちょっとエコーがかかりすぎで、なんか風呂で歌っていい気持ちになっているオヤジ、って感じでおもしろい。これさえも彼の個性のように聴こえてくるところがいとをかし。地味だが個人的にお気に入りな人だ。(陶守 正寛)






Lloyd Jones / Trouble Monkey (AudioQuest AQ-CD1037)


ljones( 1) Can't Get You Off Of My Mind
( 2) I Broke My Baby's Heart
( 3) Trouble Monkey
( 4) Old Friends
( 5) I'll Be Laughing (When He Makes You Cry)
( 6) (Just About To) Bust Up A Love
( 7) Don't Call Me Today
( 8) No More Crying
( 9) Long, Long Way To Go
(10) Rosemary
(11) When I Get Back Home
(12) Drop Down Mama

Produced By Joe Harley

何々ロバート・クレイも大絶賛?よーし、いっちょ聴いてみるか。とレコード屋で手にしてみた本作だった。
なんでもクレイは、このロイド・ジョーンズの演奏を暇をみつけてはみにいってたこともあったんだそうな。この人年齢は判らないが、結構歳はいっているようだ。本作の前にストラグルという自分のバンド(かつてクレイと演っていたカーティス・サルガードも参加)名義で2枚アルバムを出している。

大半がジョーンズ自らのオリジナルだが、比較的R&B寄りのファンキーなものが多いのが特徴といえる。(7)なんかジョーンズのギターが、ときとしてチョッパー・ベースのように響いていてかっこいい。(2)はコーラス・ワークの印象的なソウル・バラードで聴き応えがあるし、ジャズ風な(4)も軽いタッチでなかなかいい。(5)は、イントロのリフが一瞬Fire On The Bayouかと思ってしまったが。欲を言えば、歌にもう少しソウルとパワーがあればもっとよいだろう。ギターは、ギンギンしてなくて気持ちよく聴ける。これといって、ををスゴい!という類いのものではないにせよ、全体的に肩に力が入らず、リラックスして楽しめるアルバムだと思う。 (陶守 正寛)






SNOOKS EAGLIN / Soul Train From Nawlins (Pヴァイン PCD-4789)
: Live At The Park Tower Blues Festival '95

ソウル・トレインfromニューオーリンズ
:ライヴ・アット・パーク・タワー・ブルース・フェスティバル95


Snooks( 1) Quaker City
( 2) I Went To The Mardi Gras
( 3) Soul Train
( 4) Don't Take It So Hard
( 5) My Girl Josephine
( 6) Down Yonder, We Go Ballin'
( 7) My Love Is Strong
( 8) Teasin' You
( 9) Lillie Mae
(10) Nine Pound Steel
(11) It's Your Thing
(12) Yours Truly
(13) Boogie On Reggae Woman
(14) Black Night
(15) Red Beans
(16) God Will Take Care
(17) Travelin' Mood

Produced By Snooks Eaglin

あらま、早い(といっても吉野屋の牛ドンではない)。もう出てしまった、スヌークスの来日公演ライブ盤。公演後僅か3ヶ月程で出してきたところに関係者の熱意が感じられる。別途レポート記事にも書いたが、ライブの内容自体がよかったから、熱気の冷めないうちに一気に出したくなる気持ちもよく判るのだが。

収録されているのは公演後半となる土曜、日曜の2公演から選曲したもの。
この2日間で延べ24曲が演奏されたが、内17曲が収録されてしまうという大盤振舞だ。やはり、「これも入れたい、あとこれも」とやっていたらこうなってしまったのだとか。うんうん、納得、納得。基本的には、土曜のものを中心に収録し、日曜のみ演奏されたものをたした形となっている。選曲に関しては、落とされた7曲の中にも、入れて欲しかったものもあるが、まぁ色々理由はあるのでしょう。こんなに沢山収録してくれたんだから文句は申しません。

ライブの内容自体は、ライブ・レポートとダブるのでここでは触れない。ただ、よかったとだけいっておこう。このライブ盤では、スヌークスが出だしでトチってやり直す(2)や(11)、途中で弦が切れてしまう(3弦だったかな?)(3)なども収録されていて面白い。こういう面もマイナスにならないどころか、味になってしまっている。ちょっと歓声のレベルが小さくて会場の熱気が判りにくいという難はあるが、あのライブをよく伝えた1枚になっていると思う。 (陶守 正寛)






TAJ MAHAL / Phantom Blues (Private Music 700582139-2)


Taj Mahal( 1) Lovin' In My Baby's Eyes
( 2) Cheatin' On You
( 3) The Hustle Is On
( 4) Here In The Dark
( 5) Fanning The Flames
( 6) I Need Your Loving
( 7) Ooh Poo Pah Doo
( 8) Lonely Avenue
( 9) Don't Tell Me
(10) What Am I Living For?
(11) We're Gonna Make It
(12) Let The Four Winds Blow
(13) (You've Got To) Love Her With A Feeling
(14) The Car Of Your Dreams

Produced By John Porter

結構ブルースです。都会的な選曲のなかに適度な土臭さが入ってなかなかの聴きごたえ。私は、買ってきたその晩に3回も続けて聴いてしまいました。

Tボーンの(3)、ルーファス・トーマスの(7)、ファッツ・ドミノの(12)辺りが泣かせるじゃないですか!彼のハウリン・ウルフのものまねも健在です。(2)で聴けます。
(陶守 正寛)






CHUCK CARBO / The Barber's Blues (Rounder CD 2140)


Carbo( 1) Hey, Mardi Gras! (Here I Am)
( 2) I'd Rather Beg
( 3) Blues Medley: Hootie Blues / Every Day I Have The Blues
( 4) The Very Thought Of You
( 5) The Barber's Blues
( 6) Black Widow
( 7) Too Many Goodbyes
( 8) A World I Never Made
( 9) Don't Boogie With Your Black Drawers Off
(10) Promises

Produced By Scott Billington and Edward Frank

ニューオーリンズのR&Bのおっちゃんですねぇ。「ニューオーリンズの声」とまで言われているとかいないとか。1950年代にスパイダーズというグループで活動。そんなに有名ではないだろうが、彼らは当時インペリアルからいくつかのヒットを記録している。

で本作の内容は、というとこれがなかなかよい。のほほほんとした歌でリラックスさせてくれる。ここ最近のパートナーであるピアノのエドワード・フランクはここでも参加。ドク・ポーマスのバラードもよし、R&Bのノリのいいのもまたよし。(1)では、最近注目を集めているダヴェル・クロフォードも参加してまっせ。彼のピアノもはねるはねる。(4)のカヴァーも心があたたまるなぁ。チャールズ・ブラウンもこの曲を彼の新譜でやってたけど、較べてみるのもいとおかし。
この人は、以前ジーニー&ジミー・チータムの"Meet Me With Your Black DrawersOn"なんかをやってたが、ここでも彼らの曲を(7)、(9)と更に二曲取り上げているのが嬉しい。これらの曲が気に入ったら、ジーニー&ジミーも聴こう!Concord Jazzからでているよ。 (陶守 正寛)






CEPHAS & WIGGINS / Cool Down (Alligator ALCD4838)


Cephas & Wiggins( 1) Action Man
( 2) Man Without A Future
( 3) Screaming And Crying
( 4) No Ice In My Bourbon
( 5) The Blues Will Do Your Heart Good
( 6) Caroline In The Morning
( 7) Backwater Blues
( 8) Going To The River
( 9) Cool Down
(10) Special Rider
(11) Hard Liquor
(12) Nine Pound Hammer
(13) Right Of Way Blues
(14) Twelve Gates To The City

Produced By Joe Wilson

ボーリング・グリーン・ジョン・シーファス(Vo, g)とハーモニカ・フィル・ウィギンズ(Hp, vo)からなる、アクースティック・デュオ。前作のチェスキー盤から約3年の振りとなる新作は、何とアリゲーターからのリリースだ。とは言っても、ピードモント・スタイルを基調とした、そのトラディショナルなスタイルには殆んど変化はなく、よりしっくりときた安定感のある作品に仕上がっている。

この人達の面白いところは、トラディショナルなスタイルでありながら、ベシー・スミスの(7)やファッツ・ドミノの(8)などのちょっと違った畑の素材を料理してしまうところにある。注目すべきはスキップ・ジェイムズの(10)で、アフリカのコラというハープ系の楽器を入れて、かなりエスニック風(?)な仕上がりとしているのが興味深い。演奏面でみても、特にシーファスのギターのクリアなトーンは聴いていて気持ちよく、とても安定している。ウィギンズのハープも好調だ。

また、サウンドとは別の話だが、シーファス自らが、一曲一曲解説したライナー・ ノーツが丁寧で、嬉しかった。 (陶守 正寛)






CHARLES BROWN / Honey Dripper (Gitan/Verve 529 848-2)


Charles Brown( 1) News All Over Town
( 2) I Cried Last Night
( 3) When Did You Leave Heaven
( 4) There Is No Greater Love
( 5) If I Had You
( 6) Gee
( 7) The Very Thought Of You
( 8) You Won't Let Me Go
( 9) The Honey Dripper
(10) They All Say I'm The Biggest Fool
(11) At Your Beck And Call
(12) Everyday I Have The Blues
(13) Precious Lord
(14) Charles Brown's Thank You

Produced by John Snyder

80年代のカムバック以来、好調なペースでいい作品を出し続けているチャールズ・ブラウンだが、メジャー移籍第2弾となる作品がリリースされた。ギターのダニー・キャロンを始めとするメンバーは、前回と同じだ。

もう円熟しきった感のあるブラウンに、サウンド面で大きな変化を求めるのも筋違いというものだろう。今回もムード溢れる彼独自の世界を展開しており、もうファンにはたまらない快作となっている。本作の目玉は、参加したゲストで、(5)ではエタ・ジョーンズ、(10)ではアイリーン・リードがブラウンとのデュエットを披露している。
特にしっとりと歌い上げた(5)は本作のハイライトのひとつである。(7)、(9)、(12)などのスタンダードもブラウンの世界によくはまっている。

よくできたアルバムではあるが、一つだけ言わせて貰えば、(2)は既にカムバック後に1度録音しているので、どうせやるのであればもうひと工夫ほしいと思った。まぁ、欲を言えば、ではあるが。しかしこの人も老いてますます盛ん。この調子で頑張ってほしいと思う。 (陶守 正寛)






JOHN PRIMER / The Real Deal (CODE BLUE / ATLANTIC 82863-2)


John Primer( 1) Stop Draggin' That Chain Around
( 2) Tomorrow Might Not Be The Same
( 3) Still In Love With You
( 4) Blind Man Blues
( 5) How Long Will You Be Mine
( 6) Good Understanding
( 7) Come Back Baby
( 8) Cryin' For Your Love
( 9) Bad Blood
(10) I Called My Baby
(11) She Won't Gimme No Lovin'
(12) Tired And Worried

Produced by Mike Vernon

ん〜、結構いいな。これぞシカゴの醍醐味。
をっビリー・ブランチ吹いてるじゃん。(裏サム)






EDDIE C. CAMPBELL / King Of The Jungle (ROOSTER R2602)


Eddie C. Campbell( 1) Santa's Messin' With The Kid
( 2) Still A Fool
( 3) Cheaper To Keep Her
( 4) Poison Ivy
( 5) The Red Rooster
( 6) Smokin' Potatoes
( 7) King Of The Jungle
( 8) She's Nineteen Years Old
( 9) Look Whatcha Done
(10) We Both Must Cry
(11) Weary Blues
(12) Blues On The Highway

Produced by Steve Wisner

ギターの音もぺらぺらしてるし、内ジャケットの身なりもどことなくテキサス風。
なのに、シッシッシカゴだぁ... ハープもなかなか良い。 (陶守 正寛)

インナーの裏写真、チャック・ベリーしてるしぃ(裏サム)




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その2 (96/8〜97/2)

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Text by Masahiro Sumori unless otherwise noted.




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