新譜リビュー


EARL KING / Earl's Pearls
(Wesy Side WESM 520)
The Very Best Of Earl King (1955 - 1960)


Earl King( 1) Those Lonely, Lonely Nights
( 2) Baby You Can Get Your Gun
( 3) Everybody Got To Cry
( 4) I'm Packing Up (Previously Unreleased)
( 5) Nobody Cares (Previously Unreleased)
( 6) Little Girl
( 7) My Love Is Strong
( 8) It Must Have Been Love
( 9) I'll Take You Back Home
(10) Mother Told Me Not To Go
(11) Is Everything Alright
(12) Those Lonely, Lonely Feelings
(13) You Can Fly High
(14) Well'O Well'O Well'O Baby
(15) I'll Never Get Tired
(16) A Weary Silent Night
(17) Everybody's Carried Away
(18) Buddy It's Time To Go
(19) Don't You Know You're Wrong
(20) Darling Honey Angel Child
(21) I Can't Help Myself
(22) I Met A Stranger
(23) Let The Good Times Roll
(24) A Mother's Love (Previously Unreleased)
(25) Baby Hurry On Home (Previously Unreleased)


エイス時代のアール・キングの決定版とも言えるCD。Pヴァインでもこの時代のシングルを多く収録しているCDが出ているが("Those Lonely, Lonely Nights" PCD-2478)、これはスペシャルティー8曲を含んだものだった。今回のこのCDはスペシャルティーは入ってないかわりに、エイスの曲が多めに入っている。しかも4曲が未発表!(24)はスペシャルティーでもやっていた曲だけと、全然違うバージョン。(25)は1分くらいのいかにも、おまけっぽい曲だけど悪くないし、未発表曲を聴くだけでも買う価値有り。ギター・ソロが強烈に調子っぱずれな(1)など、ミュージシャンとしての技量には?がつく部分も多いけど、この人にはそれを補ってまだ大きなおつりが来る味があります。ほのぼのと心があったまるそんな魅力にあふれている、本当に僕は大好きな人です。ソングライターとしての力量は本当にすごいなあ。ジミヘンがカバーした曲の原形(23)もしかりだし、(7)のホロッとさせるメロディーには、僕はメロメロ。いろんな人が彼の曲をカバーしてスタンダードにさせているのもうなずけません?このころのアールは本当に大好き!でも、新譜も待ってるヨ!しばらく出してないから。 (1/15/98)





RUTH BROWN / R+B=Ruth Brown (Bullseye Blues CD BB 9583)


Ruth Brown( 1) That Train Don't Stop Here
( 2) Another World
( 3) I'm Gonna Move To The Outskirts Of Town
( 4) Destination Heartbreak
( 5) Too Little Too Late
( 6) Sold My Heart To The Junkman
( 7) Go On Fool
( 8) False Friend Blues
( 9) Break It To Me Gently
(10) I Don't Know
(11) Bite My Tongue
(12) Love Letters
(13) Can't Get Excited

Produced By Scott Billington

久々の新譜です。1993年の"Story Of My Life"を最後にファンタジーとの契約が切れていて、それ以降新録は出ていないはず。実に4年ぶりという嬉しい作品なのです。内容は、期待を決して裏切らない充実ぶり。「かつて、R&Bとは"Ruth Brown"の頭文字だ」とまで言われた、アトランティックR&Bのトップスターだったルース。今回のアルバムのタイトルは、それをそのまま持ってきた感じ。
このアルバム、まず何せバックがいい。ニューオーリンズのウルトラソニック・スタジオ大半が録音されているが、バンドはニューオーリンズの強者揃い。ドラムスにハーリン・ライリー、トロンボーンにはデルファイヨ・マルサリス、ギターはデューク・ロビラード、トランペットはチャーリー・ミラー(ドクター・ジョン・バンド)、アレンジにウォーデル・ケゼルグなどなど。制作者側の気合いの入り具合が、このメンツを見てもわかるというものです。
冒頭の曲は、どこかで聴いたことあるなと思ったら、何とロスロボスの曲だった。("Kiko"収録のシーザー・ロサスが歌ってるやつ)でも、ゴージャスなジャズ風アレンジになっていて、これはもうルースの世界。ソフトなタッチの曲が大半を占めているのは、彼女の傾向からするとごく自然でしょう。その一曲一曲に深みと暖みがあって、ずるずるとはまってしまいます。
ゲストも豪華。ボニー・レイット(3)、ゲイトマウス・ブラウン(8)、それにジョニー・アダムス(10)。どれも楽しめる共演です。ジョニーとのデュエットはウィリー・メイボーンのあの曲だが、ジョニーが歌いだしたとたん彼の世界になる。彼の個性には脱帽。余談だが、最近ジョニーはガンで入院してしまったとか。これを聴いてると一刻も早く回復してほしいと改めて思ってしまう。ゲイトは歌ってないけど、スロー・ブルースで個性を主張してます。(11/8/97)



VARIOUS ARTISTS / ROCK AND ROLL DOCTOR:
LOWELL GEORGE TRIBUTE ALBUM
(Kaigan KGCW-24)

Lowell George Tribute( 1) Bonnie Raitt and Little Feat: Cold, Cold, Cold
( 2) Taj Mahal: Feats Don't Fail Me Now
( 3) J.D. Souther: Roll Um Easy
( 4) The Bottle Rockets with David Lindley:
Rocket In My Pocket
( 5) Randy Newman and Valarie Carter:
Sailin' Shoes
( 6) Jackson Browne: I've Been The One
( 7) Allen Toussaint and Leo Nocentelli: Two Trains
( 8) Keisuke Kuwata: Long Distance Love
( 9) Eddie Money & Buddaheads: Rock And Roll Doctor
(10) Chris Hillman and Jennifer Warnes: Straight From The Heart
(11) Little Feat: Honest Man
(12) Phil Perry, Merry Clayton, and Ricky Lawson:
Spanish Moon
(13) Inara George: Trouble

Release Date: Oct. 22, 1997
Producer: Various

日本独自の企画としては、超豪華。リトル・フィートの故ローウェル・ジョージのトリビュート作だ。現在のリトル・フィートも参加しており、フィート・ファンにはたまらない内容。その他のアーティストも再結成フィートへの参加の噂もあったボニー・レイットなど、彼らに縁の深い人たち、もしくは彼らの根っからのファンが多く、それぞれの思いを込めた演奏はどれも光っている。(7)は、コーラス、ホーンの使い方、ピアノの響き方、どれをとってもトゥーサン風になっていて、ニューオーリンズ・ファンには嬉しい演奏。(4)で、ボトル・ロケッツと共演するデイヴィッド・リンドレーのスライド・ギターは、いつになくテンションが高く、思わず入り込んでしまう。あと、僕がすごく嬉しかったのは(6)。リトル・フィートのファーストに入っていた曲だが、ジャクソン・ブラウンはこれを見事に彼の色にしている。それほどアレンジも変えてはいないのに、この音は正にジャクソン・ブラウンだ。往年のパートナーであるリンドレーとのアンサンブルもバッチリ。70年代の"Late For The Sky"あたりを彷彿させる、思わず顔がほころぶ1曲だ。(13)はローウェル・ジョージの娘、イナラが歌う。なかなかの美声で、この曲に新たな息吹を与えている。ギターはライ・クーダー。イントロを聴けばこれはライの世界。ああ、幸せ...。リトル・フィートの演奏する(11)は、ローウェルのソロ・アルバム"Thanks, I'll Eat It Here"からの選曲で、唯一リトル・フィートのこれまでのアルバム以外からの選曲。ま、そりゃそうですね。リトル・フィート本人達が、本人達の曲をカバーしてもあまり面白くはないし。で、この曲の仕上がりはファンキーでかっこいいです。ショーン・マーフィーの歌もパンチが効いている。
一曲一曲噛みしめながら聴けるアルバムで、わたしゃ今すっかりはまってます。
(11/1/97)



ROBERT LOCKWOOD JR. / I GOT TO FIND ME A WOMAN (Gitanes/Verve 537 448-2)


Robert Lockwood Jr.( 1) Walkin' Blues
( 2) Take A Little Walk With Me
( 3) Little Boy Blue
( 4) Feel Like Blowing My Horn
( 5) I Got To Find Me A Woman
( 6) She's Little And She's Low
( 7) Big Legged Woman
( 8) Lockwood's Boogie
( 9) My Daily Wish
(10) How Long
(11) Kindhearted Woman Blues
(12) Everyday I Have The Blues
(13) Bob And B.
(14) For You My Love

Produced By John Snyder

もう、そこに居てくれるだけでありがたい、最大の巨匠のひとり。95年、80歳という高齢で来日したときには、さすがに衰えは隠せずハラハラさせることもしばしばだったったけど、でもああやって来日してくれただけでも涙もんでした。
そのロックウッド爺さんが何と新譜を出したではないですか。しかも、録音は来日公演よりあとの96年の春だ。大半がお馴染みの曲で新曲は殆どないけど、出来はなかなかいい。本作のウリは、B.B.キングとジョー・ルイス・ウォーカーが数曲でゲスト参加していること。2人ともちょっとロックウッドとはスタイルが違いすぎて違和感は残るが、(13)などはB.B.とのギター・デュオというユニークな試みが、独特な雰囲気を作っていて楽しめる。でも、この人のギターは、自分一人でひとつのバンド分くらいのことやってるから、ソロで弾き語りしてるやつが一番しっくり来るな。
惜しいのは、バンドのリズムが今いちスウィングしていないことか。(14)などは、昔の録音で楽しめた軽快な感じが失われているのが残念。ドラムスのリズムが止まっちゃってる。長年のパートナー、ベースのユージン・シュアーツが参加していないのものりに影響しているのかも知れない。でも、本人の予想以上の元気振りに嬉しくなってしまう1枚なのですよ。ファンは迷わず買いです、うん。(10/9/97)



JUKE (video)
(Yellow Cat Productions, no number)

Featuring T-Model Ford, Farmer John, and John Horton






Produced By Mary Flannery (Yellow Cat Productions)

JUKE


"JUKE"、何とも魅力的なタイトルだ。27分間のこのヴィデオ、ミシシッピはグリーンヴィルが舞台だ。出てくるのは綿花畑、空、町並み、そしてブルースにそれぞれの想いを寄せる人々。
登場するブルースマンはTモデル・フォード、ファーマー・ジョン、彼の息子と思われるジョン・ホートン、ジョン・ホートンズ・スペシャル・オケージョン・バンドの女性シンガー、タミー・ギブスン。それぞれ演奏シーンはあるが、かれらのプロフィールを垣間見せる程度のもの。そうは言っても、演奏シーンに期待しないでこのヴィデオを見ろというのも無理な話。フライングVを持ってハウリン・ウルフの"Back Door Man"でハウるJ.ホートン、デニス・ラサールの"Someone Else Steppin' In"を多少迫力不足ながら堂々と歌うT.ギブスン。自宅らしきポーチとネルソン・ストリートの野外特設ステージでマディ、エルモアのナンバーをホンキー・トンクなエグさできかせるファーマー・ジョン。スティール製のスライド・バーをはめ、ボロッちいアンプが否応なく歪んでしまうといった音のギターと、年齢的に弱ってしまったような枯れたアジの声を吐きちらすロー・ファイな魅力がある。本当にこの人はヘタクソなのに、やたらと気になる「胆」を漲らせ、ブルースのピュアな原動力が好みの人に強く訴える魅力に溢れている。そして本作中恐らく一番気になるのがTモデル・フォードだろう。ジューク・ジョイント"G.G. Lounge"で、軽く歪ませたギター・サウンドのブギが気持ちよく聴ける。さらに彼へのインタビューも挟み込んでいるのだ。
しかし、先程も述べたようにこれら演奏シーンはほんの少しづつしか出て来ないことをご承知いただきたい。本作から読み取れるのは、ブルース的にみたグリーンヴィルの今の姿を伝えるという姿勢だ。ハイウェイから見えるのはひたすら平らな大地に果てしなく広がる綿花畑。ダウン・タウンの閑静な家並、ネルソン・ストリートのある種緊張感の漂うたたずまい。毎年9月に開催されるミシシッピ・デルタ・ブルース?アンド・ヘリテッジ・フェスティバルの様子。けして鮮やかとはいえないつたない映像編集ながら、インタビューなどもはさみ、グリーンヴィルで生活する人々がブルースに寄せる、生き生きとした情熱を観るものに伝えてくれる。実際には、街全体にブルースが漂っているわけではけしてないのだが、確かな生命力でブルースが存在しているのがこの映像から確認できる。(中村 利彦)

*このビデオに関するお問い合わせはMary Flanneryさんへどうぞ。
Yellow Cat Productions
Phone: 202-543-2221
Fax: 202-543-2287


SHEENA & THE ROKKETS / @HEART (Speedstar/Victor VICL-60064)


Sheena & The Rokkets( 1) Train Train
( 2) Harlem Shuffle
( 3) Internet Kiss
( 4) Makoto Is My Love (Tomorrow Beach)
( 5) Kitchen Panic
( 6) Oldsmobile Rock
( 7) Nobody Loves Me
( 8) Think
( 9) Indian Heart
(10) Not Fade Away
(11) Beautiful

Produced By Haruomi Hosono

久々に、大御所細野晴臣をプロデューサーに迎えて作られた、シナロケの新作。鮎川誠氏は、最近インターネットに夢中だし、タイトルもいかにもそれを現しているかの様なタイトルだ。でも、音は別に奇をてらっているわけではない。ばりばりにロックしている彼ららしい快作です。鮎川氏は、ブルースもロックであり、ロックもブルースだと考えているのだろうな。このアルバムをここで紹介するのも、ブルース・ファンが楽しめるカッコいい曲が沢山詰まっているからこそ。(6)のブギなんてR&Rだけど、ブルース・パワー全快だもんね。Jブラウンの"Think!"もファンキーでいいし、なにより、軽めのポップ調のシングル(3)が聴いていると耳から離れなくなる。僕も気が付いたら"いんたーねっときっしん〜"なんて口ずさんでる始末。ここ最近のお気に入りです。CD-EXTRAになっているので、ビデオクリップも見れるぞ!


Super Chikan / Blues Come Home To Roost (Rooster Blues R2634)


Super Chikan( 1) Down In The Delta
( 2) Well Gone Dry
( 3) Crystal Ball Eyes
( 4) Super Chikan
( 5) Mama & The Chillen (Part 1)
( 6) What It Is
( 7) Captain Love Juice
( 8) Camel Toe
( 9) White Rock Rooster
(10) Bleeding From The Heart
(11) Mr. Rich Man
(12) Rockin' (That 'Caine) & Rollin' (Mary Jane)
(13) The Real You
(14) Mama & The Chillen (Part 2)

Produced By James "Super Chikan" Johnson, Jim O'Neal &Patty Johnson

チョー怪しい名前に、このうさん臭さが漂うジャケット。何者かといえば、これがルースターブルースからのデビュー作となるミシシッピーのブルースマン、ジェイムズ“スーパー・チカン”ジョンソン。ビッグ・ジャック・ジョンソンの甥にあたるらしい。51年生まれの46歳だ。表向きの怪しい雰囲気とは違って音はのんびりとしたマイペース。ユルくほのぼのとしている。バックにあのロールズ&ラケットが参加していることもあってか、多少ファンキーな面も見せるが、モロソウルという程のものではない。この緊張感のなさに最初聴いたときはちょっと肩透かしを食らったような気がしたが、聴き込むと結構いけます。スルメのような味かな?因みに、彼のニックネームの「チカン」は、当然電車の中にいるヤツではなく、チキンのことだそうだ。アルバムの中でも見事な(??)ニワトリの鳴きまねを披露している。


R.L. Burnside / Mr. Wizard (Fat Possum/Epitaph 80301-2)


R.L. Burnside( 1) Over The Hill
( 2) Alice Mae
( 3) Georgia Women
( 4) Snake Drive
( 5) Rollin' & Tumblin'
( 6) Out On The Road
( 7) Highway 7
( 8) Tribute To Fred
( 9) You Gotta Move

Produced By Matthew Johnson

にわかにファット・ポッサム周辺が動き出した!前作から1年もしないうちにR.L.の新作が届いた。レーベルはファット・ポッサムだが、配給元はキャプリコーンではなくエピタフ。内容は前作のジョン・スペンサーとのセッションのときのものから、弾き語りスタイルまでいろいろ。やはり、ジョン・スペンサーとのセッションがかなりきていてよい。ギターのウルサイこと、ウルサイこと。こりゃたまらんす。R.L.も相変わらず元気です。




Jelly Roll Kings / Off Yonder Wall
(Fat Possum/Capricorn 314 534 131-2)


Jelly Roll Kings( 1) Frank Frost Blues
( 2) That's All Right Mama
( 3) Look Over Yonder Wall
( 4) So Lonesome
( 5) Baby Please Don't Go
( 6) Fishin' Musician
( 7) Fat Back
( 8) Sitting On Top Of The World
( 9) Have Mercy Baby
(10) I'm A Big Boy Now

Produced By Robert Palmer

長年休眠状態だったファット・ポッサム・レーベルからリリースとなる久々の新譜。配給元となっているキャプリコーンとの関係がうまくいってなくて、双方のやりとりは泥仕合の様相を呈していたということなので、まずはその復活を祝いたい。(果たして円満に問題は解決したのか。)で、このジェリー・ロール・キングスというのは、知る人ぞ知るバンドで、メンバーは、ビッグ・ジャック・ジョンソン(ギター、ヴォーカル)、フランク・フロスト(ハープ、キーボード、ヴォーカル)、それにサム・カー(ドラムス)といったミシシッピー・ブルースの大者たちだ。このラフな音の仕上がり、カッコいいです。この異様にナマな音にゾクゾクッて来る。リズムがズレまくっているところもあるけど、それを敢えてボツにしないところも、これまでのファット・ポッサムのやりかたそのまま。ただ、フランク・フロストが殆どハープを吹いてないのに、ちょっと不満は残る。マルチプレイヤーのフロストだが、やはりメインはハープ。キーボードばっか、やってる場合じゃないよ。でも、ビッグ・ジャック・ジョンソンもグイグイ弾きまくってるし、なかなかです。




Nappy Brown & Kip Anderson / Best Of Both Worlds
(Ripete 2242)


Nappy & Kip( 1) Rocket 88
( 2) Drinkin' Wine Spo-Dee-O-Dee
( 3) It Should've Been Me
( 4) (Night Time Is) The Right Time
( 5) Down In The Bottom
( 6) Knife And Fork
( 7) Big Foot May
( 8) Don't Be Angry
( 9) When You're Ugly Like Me
(10) Who Threw The Whisky In The Well
(11) Hit The Road Jack
(12) You Never Had It So Good

Produced By Marion Carter

96年年明け早々から、東京のヴォルガで地味に来日公演を行っていたナッピー・ブラウン。彼が同郷のR&Bシンガー、キップ・アンダーソンとコンビを組んでリリースした新作がこれ。R&Bのスタンダードが中心となったこのアルバムは、純粋な新作というよりは企画ものの色彩が濃いが、かといってそれが悪いというわけではない。いや、その逆にノリノリでいいアルバムになっている。ナッピーの十八番の(8)もやってくれてるし。「るるるる、るるるる、るるるる、どんとびーあんぐりー」っていう独特な唱法も健在です。レイ・チャールズに関してナッピーは、"Night Time Is The Right Time"を盗まれた、と不快感を露にしていたが、レイの(11)も取り上げられている。ま、そんなもんですかね。




過去のレビュー

その10(03/5〜  )

その9 (01/2〜03/2)

その8 (00/2〜01/1)

その7 (99/7〜99/8)

その6 (99/1〜99/6)
その5 (98/5〜99/1)

その4 (98/2〜98/4)

その3 (97/3〜98/1)

その2 (96/8〜97/2)

その1(96/3〜96/7)



Text by Masahiro Sumori unless otherwise noted.




inserted by FC2 system