ERIC CLAPTON / ONE MORE CAR, ONE MORE RIDER
(Reprise 48374-2)
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[DISC 1]
- Key To The Highway
- Reptile
- Got You On My Mind
- Tears In Heaven
- Bell Bottom Blues
- Change The World
- My Father's Eyes
- River Of Tears
- Goin' Down Slow
- She's Gone
[DISC 2]
- I Want A Little Girl
- Badge
- Hoochie Coochie Man
- Have You Ever Loved A Woman?
- Cocaine
- Wonderful Tonight
- Layla
- Sunshine Of Your Love
- Over The Rainbow
Produced by Eric Clapton and Simon Climie
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昨年、もう今後は大規模なツアーはしないと宣言して、「ラスト・ツアー」を敢行したクラプトン。そのツアーのセットリスト、1ステージ分を丸ごと収録した形のライヴ盤の登場だ。LAと東京における演奏から選曲している。この日本ツアーを見逃した(すごい売れ行きでしたからね!)僕のような者には嬉しいリリースだ。
新旧織り交ぜた選曲ではあるが、音は基本的に最新作「レプタイル」の路線。洗練されたポップな感覚で彩られている。アクースティック・スタイルの[1]1.、ジョー・ターナーの[1]3.、Tボーンの[2]1.など、ブルースもかつてより幅広いスタイルをこなしているクラプトンだが、70年代に彼が演奏したブルースと較べて薄っぺらさを感じずにはいられない。ブルースを多く取り上げる一方で、フュージョン風の[1]2.や、[1]4.、[1]6.等のおしゃれな雰囲気のヒット曲が並ぶ。僕には、相容れない2つの音の方向性の狭間で彼が立ち往生しているように聞こえてしまう。マイペースでアメリカン・ロック的な音を追及していた70年代の方が、僕には彼が遥かに生き生きしていたように思う。往年の名曲も、いつの間に随分アレンジが大げさになっている。[2]7.をここまでドラマチックにやられちゃうと、ちょっとしらけちゃうなぁ。
何だかんだと書いてしまったが、それも思い入れがあるからこそ。演奏自体は決して悪くはないんですよね。今はこういう路線で突っ走っているわけだから、よしとすべきなのか...。[1]5.などはやはり泣けます。DVDも同時発売。(2/8/2003)
BERNARD ALLISON / STORMS OF LIFE
(Tone-Cool/Artemis 751135)
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- Slip Slidin
- Storms of Life
- Down South
- Just Do Me Any Way You Want
- I Think I Love You Too Much
- Mean Town Blues
- Speed Slide
- I Wanna Drive You Home
- Snake Bite Again
- Reaching Out
- Fist Full of Dirt
- Help Me Through the Days
- Goodbye Little Girl
Produced by David Z.
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約2年ぶり、バーナード・アリソンのトーンクールからの第二弾だ。前作はストレートな12小節ブルースは殆どなく、ロック色が濃かったので、今後はそういう路線を突き進むのかななんて思ったが、今度のはまた元に戻ったような印象を受ける。ジョニー・ウィンター的なスライドが聴けるインスト1.から始まり、ジュニア・パーカーの13.で締めるまで、全体としては充分にブルースしている。
選曲は、父親ルーサーのカヴァーが2曲3.、10.あるのは彼としては当然と言ったところだろうか。ジェフ・ヒーリー5.、ジョニー・ウィンター6.、ZZトップ8.、アンダース・オズボーン9.とロック寄りな選曲が多いのも頷ける。手堅くまとめたな、という感じで新鮮さはないが、今の彼をそのまま出してきたような仕上がりは好感触だ。オリジナル曲が1.と7.のインスト2曲のみなのが、ちと淋しいが。
(2/8/2003)
SNOOKS EAGLIN / THE WAY IT IS
(Money Pit MPR-1111)
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- Can You Hear Me?
- Boogie Rambler
- Lock Doctor
- Trees
- I Don't Speak Espanol
- A Mother's Love
- Ghost Of A Chance
- Express Yourself
- I Done Got Over It
- The Chokin' Kind
- Cubano Mambo
- Looking Back
- I've Been Around The World
Produced by Hammond Scott
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前作から7年間も待ったけど、その甲斐のある内容だと思います。残念ながらジョージ・ポーターJr.とは仲たがいをしてしまったようで参加してないですが、ジョン・クリアリーがいいサポートをしてます。来日のときも叩いてたドラマーのジェリービーンもいますし。決してインパクトの強い作品ではありませんが、快調ぶりを示すには充分すぎます。ごった煮感覚は健在です。
ゲイトマウスのカバー2.のノリなんか最高。特にギターで弾くイントロのベースラインのうねり方にしびれました。アール・キングの6.はオリジナルそのまんまでカバーしても充分味を出せたでしょうけど、テンポを早めにしてロックンロールっぽいのりを与えたところにスヌークスらしい個性を感じました。ブルースから踏み外したジャジーなソロもコードワークも、まさにスヌークスの世界ですね。
他、カバーではチャールズ・ライトの8.もストレートなカバーのようでやはり全然違っていて思わず、にやっとしてしまいました。ブレイクのところをギター一本でやってるのが面白いんですよね。12.のようなセンチなバラードで聴かせるのも、いかにも彼らしいです。
5.、11.とラテン系の選曲もいいですねー。前者はカリフォルニアとの国境の街ティファナが歌詞に出てくるし、後者はキューバものでそういう面からも彼の音楽の世界の広がりを実感できます。前者のお得意の裏声技もいい感じです。
あと、やはりハモンド、ノーマンのスコット兄弟が出てきました。ハモンドがプロデューサー、ノーマンがエグゼクティブ・プロデューサーというパターンは、ブラックトップ時代と同じ。スヌークスには、やはり信頼関係を築いている彼らの存在は重要だったのでしょう。今年になってからノーマンが亡くなったのは残念ですが、これからもハモンドには、スヌークスの作品をプロデュースし続けてほしいと思います。
ラストのオリジナル曲13.で「世界をまわった。日本にも行った。楽しかったよ。」と語るスヌークス。楽しい日本にまたおいでー。ファンは待ってるよ。(笑)(6/26/2002)
VARIOUS ARTISTS
Mountain Top Productions Presents Mark Hummel's
BLUES HARP MELTDOWN
(Mountain Top Productions CDMT101)
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[Disk 1]
- You Messed Up - RJ Mischo
- Sleepin' In The Ground - RJ Mischo
- Gary Smith Intro - Mark Hummel
- You're So Fine - Gary Smith
- Gary Smith Comments - Gary Smith
- Elevate Me Mama - Gary Smith
- Minor Mambo Intro - Gary Smith
- Minor Mambo - Gary Smith
- Mark Hummel Intro
- They Don't Want Me To Rock - Mark Hummel
- Can't Judge Nobody - Mark Hummel
- Humblebug - Mark Hummel
[Disk 2]
- Billy Branch Intro - Mark Hummel
- Billy's Boogie
- Eyesight To The Blind - Billy Branch
- Blues Keep Following Me Around - Billy Branch
- James Harman Intro - Mark Hummel
- Helsinki Laundromat Blues - James Harman
- Harman's Comments
- Back Door Rhumba - James Harman
- Rick Estrin Intro - Mark Hummel
- Rick Estrin's Comments
- Your Gonna Need My Help - Rick Estrin
- Estrin's Rap
- Work With Me - Rick Estrin
- Kim Wilson Intro - Mark Hummel
- Don't Lose Your Eye - Kim Wilson
- Just A Dream - Kim Wilson
Produced by Mark Hummel
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西海岸のベイエリアを拠点に活躍するハーピスト、マーク・ハメル主宰のハーモニカ・ショーのライヴ盤だ。収録は2000年1月、サンタクルーズのモーズ・プレイスというクラブ。このライヴ自体彼が毎年企画してきたものだが、レコーディングされるのはこれが初めてだという。まず、ハープ・ファンならばこのラインアップの豪華さに惹かれるのではないだろうか。ビリー・ブランチとキム・ウィルソンは、今更説明は不要と思うが、その他のメンツも西海岸の実力派が揃っている。
ハメルのバンドをベースにした面々が、7人のハーピスト達をバックアップする。ストレートなブルース中心で、意外性はあまりないが、さすがに内容は濃い。RJミショーは、クロマチックを使った深みのあるトーンが印象的だ。サム・マイヤーズの1-(2)のアレンジは、ちょっと面白いかも。主役のハメルはウェストコースト・スウィングの1-(10)、ハープの技が炸裂するインスト(12)など、聴きどころたっぷり。シカゴから参戦したブランチ、ナイトキャッツのリック・エストリンなど、各人ともそれぞれの持ち味を披露。また、全編を通じて参加のジュニア・ワトソンもが随所で熱いソロを聴かせてくれる。
因みに、本CDリリース元のマウンテントップは、他にも西海岸のハープものを中心に、注目作をいくつか送り出している。入手しにくいのが難だが、是非さがして聴いてみて!(5/4/2002)
吾妻光良&ザ・スウィンギン・バッパーズ / Squeezin' & Blowin'
The Great Victor Masters 1998-2001
(Victor VICL60848)
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- やっぱり肉を喰おう
- バッチグー
- 中華Baby
- おもて寒いよね(Baby, It's Cold Outside)
- コネが無きゃ(You Need Connections)
- 俺のカツ丼
- ワイノニーを聴きながら
- 道徳 HOP
- 知らぬまに心さわぐ(You Brought A New Kind Of Love)
- 刈り上げママ
- 飲むのはやめとこう
- 小学校のあの娘
Produced by Haruyuki Yukawa
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吾妻光良&スウィンギン・バッパーズ最新作「Squeezin and Blowin'」
誇張バリバリ妄想だらけ嘘八百の誠に勝手な全曲解説 by さっく。
01.やっぱり肉を喰おう
巷では「さかなさかなさかな、魚を食べよう」とかいうフヌケた歌がスーパーの鮮魚コーナーを中心に流行しているようだが、そんな曲に洗脳された困った輩の脳天を直撃する衝撃的な一曲!そう!狂牛病なんて発病まで十五年はかかるし俺達ゃそんなのビールで洗い流せるのだ!ぬはははは。BB(キングぢゃないよ、バルドーのほう)が何と言おうと、鯨もどんどん獲っちゃお〜!
02.バッチグー
ある晩吾妻さんの夢枕に登場したSAM(踊りが上手いアムロちゃんの旦那)が「バッチグー!」と囁いたことからインスピレーションを受け誕生した曲。丹波のてっちゃんもビツクリな、めくるめく死語の世界!
03.嫁の里帰り
そう、男ってぇのは女がチョッと目を離したスキにヤリたい砲台もとい邦題じゃねぇ放題となる困ったドーブツなのだ!これでいいのだ!と敬愛するバカボンのパパも言っているのだ!でもせめて健康のためレンタルAVは1日3本までにしましょう。
04.中華Baby
矢沢永吉の「チャイナタウン」クレイジーケンバンドの「中華街大作戦」に続く(?)中華街ソング。チャイナガールに一目惚れしたオトコ心を切々と歌い上げる、わけがない。その実態はあわよくば彼の国で大ヒットを飛ばし、中華人民共和国の人民を皆ジャンプ・ブルースの虜にしてしまって一山当て大金持ちになろうという壮大な計画のもとに作られた経済戦略的な楽曲。(というのは真っ赤な嘘)
05.おもて寒いよね(Baby, It's Cold Outside)
前作では「人間だって動物だい」で夫婦漫才を披露した服部恭子嬢との再デュエット。エラ&ルイが唄ってることで有名な曲だが、元の歌詞なぞどこ吹く風。ひたすらオトコの下心パワーでデート後にうまく理由をつけ帰ろうとするオネーチャンを家にひきづり込み引き留めまくるという曲。
06.コネが無きゃ(You Need Connections)
バブス・ゴンザレスのカバー。間奏での吾妻さんのアジテーションはライブではより過激さを増し、実名などもバンバン飛び出してしまうためおそらくこの曲がライブ放送されたりすると、そこの部分はピーピー音の連発状態となるであろう。
07.俺のカツ丼
「たまげた〜カツ丼にゴキブリ〜!」という衝撃的な一文ではじまる究極のバッドラック・ソング。本当にたまたま入った飲み屋でヤクザがカラオケ歌ってたのかどうかは不明だが、とりあえず自宅の門松が暴風で吹き飛んだというのは事実らしい。
08.ワイノニーを聴きながら
「オリヴィアを聴きながら」という尾崎亜美の曲にインスパイアされて作った(?)トリビュートソング。遥か極東の地でこんな曲が生まれるだなんて、草葉の陰でワイノニー・ハリスさんもさぞや喜んでおられることでしょう。
09.道徳 HOP
そこらの若い衆に鉄槌を下すべく、道徳にキビシイ吾妻さんが長期間苦心惨憺して作ったという逸曲。説教に次ぐ説教!でも絶対街の極悪ヒップホップなアンチャンの前では殺されちゃうから歌えませんとは吾妻さんの弁。
10.知らぬまに心さわぐ(You Brought A New Kind Of Love)
トマトスの松竹谷清さんがヴォーカルを取る曲なのだけど、誰の曲なのかはよく知りません。(ライブでもまだ演奏したことはないんじゃないでしょうか?)それにしてもこの松竹谷さんの不思議なヴォーカルが強烈に印象に残ります。しいて言えば原マスミの声に近いでしょうか。オリジナルが誰の曲かはワタシも知りませんが、歌詞の内容も意味不明。
11.刈り上げママ
もはや刈上げヘアの女性など絶滅しきった平成14年、まさかこの曲が新譜に収録されるとは思いもしませんでした。おそらく収録曲の中ではもっとも古い楽曲でしょう。取り合えず刈上げはカッチョ悪いからやめてくれ!とヨメにひたすら哀願しまくるという曲。
12.飲むのはやめとこう
この曲は数年前に録音されていたそうで、なんでも関西の地銀のラジオCMソングに使われたのだとか。お笑いの要素はないものの、まるで滝田ゆうの絵を思い起こさせられるような夕暮れの街の風景、そして今日は酒は飲まずにいようと思っても結局また惰性で飲んでしまうオトコのちょっととほほな感じを哀愁たっぷりに歌われて、悲しい歌ではないものの計らずもホロリと涙を誘われてしまう曲。ナニゲにこんな曲を作ってしまうから、いつも吾妻さんは女性にモテモテなのだ(?)。
13.小学校のあの娘
ある日偶然街で出会った、小学校の同級生だった女性(初恋の相手?)の、その変わり果てた姿に唖然としたものの、そこからインスピレーションを得て作られたという曲。オクラホマミキサーや草競馬などの小学校のフォークダンス定番曲が次々と飛び出してくるあたりは、前作の「秋葉原」における秋葉原にある電気屋のCMソングのパターンですね。
さっく IKB (4/29/2002)
W.C. CLARK / FROM AUSTIN WITH SOUL
(Alligator ALCD 4884)
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- Snatching It Back
- Midnight Hour Blues
- I've Been Searching
- Don't Mess Up A Good Thing
- How Long Is A Heartache Supposed To Last?
- Bitchy Men
- Let It Rain
- Got Me Where You Want Me
- Got To Find A Lover
- Get Out Of My Life, Woman
- I'm Gonna Disappear
- Real Live Livin' Hurtin' Man
- I Keep Hanging On
Produced by Mark Kazanoff
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約4年振りに出ましたW.C.クラークの新譜です。ブラックトップが消えてしまい、もう出ないのかなと淋しく思っていたら、アリゲーターに移籍して無事元気なところを聴かせてくれました。彼の魅力については、前作のレビューやファーストのレビューで触れているので、繰り返す必要もないと思いますが、レーベルを移籍しても基本的な路線は全く変わってません。マーク・カザノフがプロデュースとホーンを仕切り、バックのメンバーもデレク・オブライエンら過去のレコーディングでもお馴染の人たちばかりです。
1曲目の力の入ったファンキーなのり、ゲイトマウスのカヴァー2.で聴かせるギター・ソロなど、これまで以上に力強い仕上がりになっているという印象です。リー・ドーシーの10.もオリジナルよりもかなりファンキーになっていて、いい感じです。ソウルフルな歌いっぷりということではジミー・ルイスの5.。サザン・ソウル的なバラードで、堂々たる歌いっぷりを披露しています。
オリジナル曲は5曲ですが、どれも粒ぞろい。軽いソウルタッチの9.が僕は一番のお気に入り。今回もこういうさりげないタッチが心に染みます。マイナー調でロバート・クレイに歌わせたらはまりそうな7.もいい。
あと特筆すべきは、同じレーベル下のアーティストということなんでしょうが、マーシャ・ボールが4.にゲスト参加していること。クラークとデュエットを聴かせてますが、これもなかなかのりのりでいいんですよねー。
過去のアルバムもそうだったけど、この人の音にはじわーっと広がる感動と言うか気持ちよさがあって、思わず涙腺が緩む思いです。みんなぁ、是非ぜひゼヒ聴いてねー!毎度おんなじ様なこと言ってるけど、今回もシアワセー。前作リリースのちょっと前には、ツアー中の交通事故で婚約者とバンドのドラマーが亡くなるという痛手を追いながら活動を続けましたし、今後もしぶとくいい演奏を聴かせてくれるでしょう。(4/29/2002)
HARMONICA SHAH / DEEP DETROIT
(South Side Records SSR0004)
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- Dun Made My Getaway
- Flat Down On My Back
- Boodstains Upside the Wall
- Mellow Down Easy
- What's On Your Mind
- Woman Let It Groove
- Don't Kick Me To the Curb
- Born Blind
- Do You Remember
- Once Upon A Time
- Repo Man
Produced by Howard Glazer
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60年代より、デトロイトのブルース・シーンで活動してきたハーピスト、ハーモニカ・シャー。小川豊光さんが2000年のベスト・アルバムのひとつに彼の"Mortor City Mojo"を挙げていたが、こちらはそのひとつ前のレコーディングとなるもの。
新しいことは特に何もやってないけど、このダウンホームな雰囲気は強烈なインパクトだ。一発録りでレコーディングされていることからくるサウンドの生感にぞくぞくする。ベースラインがダッタダッタ、ダッタダッタと刻み続けるミッドテンポのシャッフルが多く、曲調が変わるのはスローの5.と10.くらい。リトル・ウォルターの4.、サニー・ボーイ・ウィリアムソンの8.(Eyesight To The Blind)なんていう有名曲も、ダウンホームな彼の色に仕上がっている。ワンパターンと言えばそれまでだけど、これがまた気持ちいいんだなぁ。1.の前に「これをバディ・ガイとジュニア・ウェルズに捧げる」とか言ってるけど、ああいうファンキーな雰囲気では全然ないんですね。ハープは軽くアンプリファイされたトーンでフレーズはシンプルだが、インスト・ナンバー6.などでは、ハイトーンでの勢いのあるブローも聴かせる。11.のイントロで生ハープから入るところ、カッコいいなぁ。ピーピー!ってハープが泣いてます。
このアルバムのもうひとつの魅力はフィーチャーされたハワード・グレイザーというギタリスト。実質的に本作はシャーとグレイザーのデュオ作と言っていいと思う。彼のギターは、僕の中ではある意味ひとつの理想的なスタイルなのだ。手癖出しまくりで、チョーキングでグイングインと感情を込めてくる。やっていることは大したことなさそうだけど、その気迫にすっかりやられました。万歳!(6/22/2001)
THE HOLMES BROTHERS / SPEAKING IN TONGUES
(Alligator ALCD 4877)
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- Homeless Child
- Speaking in Tongues
- New Jerusalem
- I Shall Not Walk Alone
- Can't No Grave Hold My Body Down
- King Jesus Will Roll All Burdens Away
- Jesus Is the Way
- Love Train
- Man Of Peace
- Jesus Got His Hook in Me
- I Want to Be Ready
- Thank You Jesus
- Farther Along
Produced by Joan Osborne
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随分と久々のアルバムじゃありませんか。でも待たせただけのことはある内容だと思う。ビートが強調され、ソウルフルなロック・アルバムといった感じに仕上がっているが、これが実に痛快。以前よりストレートなゴスペル、ブルースからは離れたという印象はあるが、元々音楽性の広い彼らのこと、違和感は全くない。6.など、じっくり聴かせるゴスペル・ナンバーもあるし、よく聴けば、彼らの音はそう変わっていないことが判る。ジョン・オズボーン等の女性コーラスも効果的。(6/17/2001)
LUCKY PETERSON / DOUBLE DEALIN'
(Blue Thumb/Verve 314 5494752)
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- Double Dealing
- It Ain't Safe
- When My Blood Runs Cold
- Smooth Sailing
- Don't Try to Explain
- Mercenary Baby
- Ain't Doin' Too Bad
- Where Can a Man Go?
- 3 Handed Woman
- Doin' Bad, Feelin' Good
- 4 Little Boys
- Remember the Day
Produced by John Porter
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直球勝負で来たなという印象だ。選曲や音作りで、特にひねったようなところはなく、冒頭からストレートなブルースでガツンとくる。前作はもう少しいろんなことをやってて、それもそれでよかったけど、この人は勢い命だから、やはり本作は気持ちいい。ボビー・ブランドの7.もここまで弾きまくってくれれば、立派です。やかましいと言われればそれまでだけど、シブく枯れた味わいばかりがブルースじゃないもんね。こんな感じでやってくれたら、ライヴもいいだろうな。(6/17/2001)
BIG BILL MORGANFIELD / RAMBLIN' MIND
(Blind PigBPCD 5068)
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- Mellow Chick Swing
- Strong Man Holler
- Roll With Me
- What's The Matter
- People Sure Act Funny
- Ramblin' Mind
- Trace of You
- Dirty Dealin' Mama
- Foolish Love
- My Doggy's Got The Blues
- Troubles
- Highway 69
- Little Angel
- You're Gonna Miss Me
Produced by Bob Margolin
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これで3作目となるビッグ・ビル。いつまでも親父のマディ・ウォーターズを引き合いに出してコメントするのはよくないとは思うのだが、音を聴いちゃうとやはり触れずにはいられない。サニー・ボーイI世の洒落たナンバーで幕を開ける本作、親父とは違う路線もあるかな、とちょっと期待して聴いたが、全体的に親父そのまんまな音だ。でも、その開き直りとも取れる屈託のなさが逆に気持ちがよい。8.のみが、前作のセッションからのもののようで、メンバーはパイントップなど元マディ・バンドの面々を中心としたオールスター・メンバー。それ以外の曲もニック・モス、ビル・ラプキンなど強者揃いで、バンドの音は文句なし。本人はオリジナリティという面でこそ弱いが、歌いっぷりもギターもなかなかのものだ。2.のマディになり切ったようなスライドには、ちょっと笑ってしまったが。もろマディ調な8.やマディのカヴァーの14.よりも、1.、9.のように軽めな曲調の方が、自然に聴ける。だけど、本人的には本領発揮はマディ調なんだろうな。血は争えない?(6/17/2001)
過去のレビュー
Text by Masahiro Sumori unless otherwise noted.
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