• 5月3日(金)


    前の晩に行ったアーマ・トーマスのお店でのライブがそんなに遅くならなかったからか、この日は12時過ぎにはフェアグラウンズに着けた。

    ゴスペル・テントの側の入り口から入ると、なにやらハウス・オブ・ブルース・ステージの方からよさげなハーモニカ・ブルースが!地元ニューオーリンズのJ.モンク・ブルース・バンド(House Of Bluesステージ、11:30)の演奏だった。彼らの音を聴くのは初めてだったが、ブギでのせてくれる。こりゃよい。今日も最初から快調だぞう。

    でも今日も移動で忙しい。この後、アルヴィン・レッド・タイラー・カルテット(WWOZ Jazz Tent、12:25)をちょっとだけ見て、クラレンス・フロッグマン・ヘンリー(Ray Banステージ、12:30)を観に行く。レッド・タイラーはドクター・ジョンのバンドで何回も観たことがあったが、彼自身のバンドは初めて。軽快なジャズで気持ちいいが、サウンドはおとなしめ。


    フロッグマンは元気そうだったが、近況を知らなかったので、全然ピアノを弾いてなかったのにはちょっと驚き。ピアノは別にいるので、彼は歌のみ。彼のスタイルはファッツ・ドミノに似ていると言われるが、いきなり最初から"Blue Berry Hill"などのファッツのナンバーが続いたのには参った。ホントに似ている。でも、最後の方ではフォレスト・ガンプのサントラから、と誇らしげに言って演ってくれた"(I Don't Know Why) But I Do"、それにやはりこれ!の"Ain't Got No Home"で個性を元気に発揮してくれました。カエル声健在!

    結局フロッグマンがゴキゲンなパフォーマンスだったので最後まで観た。しまった、一番遠いポラロイド・ステージではトミー・リッジリー(Polaroidステージ、12:50)が演っている。早くしないと終わっちゃうゾ。ドリーム・パレスで観たとき彼に、「ジャズフェスのステージに出るから観に来て欲しい。一番前に来て、俺に判るように手を振ってくれ!」と直々に言われたのだから、そりゃ行くっきゃない。というより、あのとき元気そうでライブがよかったからまた観てみたかっただけなんだけどね。

    ステージに着くと、ファンキーでビシっと決まった音にビックリ。先日観たときより更によい。やはり、ここでは自分のバンドだから違うのだろうな。ホーン・セクションがまたR&Bフレイバーをひき立てていて、よかった。やはり曲はブラック・トップ盤中心。「BTのあのアルバムはホントにいいから皆聞いてくれ」ここでも、ステージからトミーは力説する。「何も自分のアルバムだからいいって誉めてるんじゃないよ。これが誰か別人のアルバムだったとしても、俺は誉めるね。」いいアルバムが出せて本当によかったね、トミー!その彼の言葉には自信が感じられ、またその自信が演奏をどんどんよくしていってるようにも感じられた。因みに、連れと一緒に僕が前の方に行ってみていたら、トミーと目があい、彼はハッとした顔をしていた。気が付いてくれたみたい。BT盤の曲もよかったけど、スロー・バラードの"She Turns Me On"あたりも堪能させていただきました。

    ゴールデン・イーグルス(Congo Square、13:45)のステージをかすめて、アンダース・オズボーン(House Of Bluesステージ、14:30)へ。ゴールデン・イーグルスは他のマルディグラ・インディアンより、激しいパーカッションが印象的だった。

    ハウス・オブ・ブルース・ステージにはすごい人!オズボーンの人気に驚く。彼の演奏は、タワー・レコードの店内演奏でもちょっと観ていたが、フィドル、アコーディオンにスライドがのっかるという、ルーツ・ロック・バリバリの音。CDも聴いてはいたが、もっと土着っぽい音してた。でも、この人ってもともと北欧出身のはずだけど...。因みに、フィドルのテレサ・アンダーソンがプレイ、歌ともに際立っていたことも強調しておきたい。

    オズボーンのステージと丁度同じ時間に、ポラロイド・ステージでは、ジョージ・ポーターのバンド、ラニング・パードナーズの演奏があったのだが、結局観れなかった。うーん、残念だ。ジョージ・ポーターと言えば、ジャズフェスのステージでもファンキー・ミーターズ、スヌークス・イーグリン、それにこのラニング・パードナーズと色々出ているが、それ以外でもあちこちのステージでローディのように機材を運んだりして働いているのをみかけた。あれだけの大ものなのに、なんていう働き者なんだろう!多分、会場には毎日来ていたんではないかな?

    アンダース・オズボーンの後は何を観ようか?選択肢は、サブデューズ(Polaroidステージ、16:00)、ステーブ・ライリー(House Of Bluesステージ、16:00)、それにバディ・ガイ(Ray Banステージ、15:40)(いや、実際はもっとあるけど)。結局友達に会うのも兼ねて、レイ・バン・ステージへバディを観に行った。でも、今から考えるとサブデューズとか観とけばよかった(涙)。

    バディは、やはり音がデカく基本的にはいつものノリなのだが、ちょっと今回は違うところもあった。最近出たライブ・アルバムにはホーン・セクションが入っていたが、実際ここでのステージも新たにホーン3人とキーボード(トニーZ)を加えた編成になっていた。曲もライブにも入っていた"Ain't That Lovin' You"(ジミー・リードじゃないよ)あたりの違う雰囲気の曲も演っていた。でも、弾きまくって観客席に乱入する彼のワイルドぶりはいつも通り。人が多すぎて、そんなに客席に入っていけなかったみたいだったけど。

    さぁ、この日も早くも終盤戦へ!冒頭でも書いたが、この日の締めはドクター・ジョン(Ray Banステージ、17:40)を観るのは諦めて、他をハシゴすることにした。

    まず、カサンドラ・ウィルソン(WWOZ Jazz Tent、17:45)を観ようとジャズ・テントへ。まだ、その前のマーロン・ジョーダンの演奏が終わってなかったが、既にカサンドラ目当てっぽい人が多く目に付く。休憩の時間になると人は更に膨れあがり、テント内は大混雑状態。早めに来といてよかった!ステージのセットアップがなかなかうまくいかなかったようで、実際演奏が始まったのは20分も遅れた18時頃。独特のムードある空間を漂うような彼女の歌は悪くはないのだが、ちょっと陽気なジャズフェスでの自分のムードにはあってなかった。一部で物議をかもし出していた(らしい)ロバート・ジョンソンのカバー"Come On In My Kitchen"もやってたけど。バンドのことを言わせてもらうと、アクースティック・ギターの使い方が印象的だったと思う。

    カサンドラのステージを途中で後にし、ボーソレイユ(Polaroidステージ、17:45)を観に移動。途中ちょっとだけ、ハイチのバンド、ゾボップ(Congo Square、17:45)を覗いてみたらこれがもう最高!こっち方面のバンドはあまり専門的なことは判らないが、陽気なラテンのリズムに思わず踊ってしまった。リズムもパワフルだ!ふとみると、すぐ側で怪しいエスニックな服を身に付けた黒人のブラザーが、周囲を飛び回るように躍り狂っている。スゲー!どうやら、コンゴ・スクエアーの売店の人らしい。しかし何だね、考えてみれば俺も結構踊っていたから、結局彼と同類項かな(苦笑)。

    さあて、お待ちかね。本日のトリは、ボーソレイユ。やはり、ルイジアナに来たらみたいよね。行ってみるともうマイケル・ドゥセーのフィドルが気持ちよく鳴り響き、そこはケイジャン・ダンス・フロア状態。いやいやもう文句なし。踊りつつ、ちょっと周りを見回すと、ライターのMさん夫妻が楽しそうに踊っている。何でも、「カサンドラも観ようと思った。でも、ボーソレイユが始まったらあまりにも気持ちよかったので居座ってしまった」のだとか。判ります、その気持ち。ホントに極楽っすよ。

    というのが、この日のレポート。そのまま、僕と連れはM夫妻の泊まる貸し家へお邪魔し、そこでビールをごちそうになり一服。少々遅れてホテルに戻り、この後ヴァン・モリソンを観に行くのだった。








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