• 5月4日(土)

    前日に観たゾボップがまた11:35からポラロイド・ステージに出るので観に行こうとも考えたが、結局会場に着いたのは1時頃。もう終わっていた...。クスン。

    この日はヴァン・モリソン観たさの客でごった返し、観客動員数は去年のジャズフェス新記録(86,000人)を上回る91,000人!食べ物を買いにいっても、どこまでが列で、どこまでが通行人で、どこまでがライブ会場から溢れている人なのか、ちっとも判らない。つまりどこへいっても空間が殆どなく、ひたすら人の海。スゴすぎる!

    そんなこの日の観戦は、リトル・フレディー・キング(Bellsouth Tent、12:40)からスタート。この人、最近CDとか日本でもみかけるが、フレディー・キングとは血縁関係はないらしい。名乗ったもん勝ちということか。ま、ブルース銀座も「日本初のブルース専門ページ」言ってるけど、これも言ったもん勝ちだと勝手に思っている、私。なんとまぁ、現金なヤツ。

    このリトル・フレディー、よくみるとかなりの歳のようだが、ギターはワイルドにぎゅんぎゅん弾いてる。これが粋でよい。最後の方には、本家フレディーに敬意を表してか、"Hideaway"なんかもしっかりキメていた。なかなか大受けだった。

    続いてというか、殆どリトル・フレディーと平行して観たのがワイルド・マグノリアス(House Of Bluesステージ、12:30)。Funk Festのレポートでもちょこっと触れたが、ワイルド・マグノリアスには山岸潤史氏が正式メンバーとして参加している。因みに、キーボードのひとりも小島良喜という名前の日本の人だ。

    まぁ、そんなことよりステージはどうだったかというと、これはもう文句なしにカッコよかった。ファンキーでパワフル。もう1人のキーボードが客を煽る、煽る。盛り上がっちゃうね。ツアーのスケジュールがハードで結構メンバーはばてていたという話しも聞いたが、いやいやどうして。ボー・ドリスもモンク・ブードゥルーも元気そうだったですよ。一族の後継者か、インディアンの衣装をちゃんとまとった子供たちも合唱に加わっていた。ちょっとはにかんでる子もいたけどね。ここでは、また"Hey Pockey Way"で盛り上がってしまった。一族の衣装に隠れてあまりよく見えなかったけど、山岸氏もファンキーないいプレイしてたと思うっす。

    このまま、このステージ周辺で僕らは腹ごしらえして、同じステージに立ったケニー・ニール(House Of Bluesステージ、13:45)をちょこっとだけ観た。というよりは彼の音をBGMにしてステージ脇の芝生の上で、フィレ・ガンボとビールでピクニックしてたんだけど...。これって贅沢?でも、ケニーもよかったよ!

    腹ごしらえも終え、ロイド・プライス(Ray Banステージ、14:30)を観に移動。知り合いの席に間借りして一番前で観てしまった。ロイドは昔から殆ど顔が変わってない。元気に飛び回っているその姿は、アスレチック・クラブのインストラクターの様にも見えた。若い頃のような声の艶こそないものの、"Lawdy, Miss Clawdy"など、往年のヒットを中心にしっかり披露。日本では、噂は聞かなくてもちゃんと元気にしてるのね、と納得。

    ロイド・プライスに続いて、このレイバン・ステージではアラン・トゥーサンが出たが(16:00)、よりによってゲイトマウス・ブラウンと重なってしまい、観るのを諦めた。

    ゲイトを観るときの場所取りも兼ねて、彼の前に出ていたジョン・ムーニー&ザ・ブルージアナ(House Of Bluesステージ、15:10)を観に行った。スライド・ギターはやっぱいいなぁ。それにしても暑い。連れが暑さで参ってしまい、彼女はしばし別のテントで休憩。

    さぁ、待ってましたクラレンス・ゲイトマウス・ブラウン(House Of Bluesステージ、16:35)。連れも回復してステージ前で合流。ゲイトはニコニコしてて機嫌がすこぶるよさそう。バンドは、日本公演にも来た太っちょのサックスの兄ちゃんの他に、もう2人管が入っていた。こんな訳で、"Okie Dokie Stomp"をやったときなんか、管がビシっとキマって最高だった。やった曲といってももう既に結構忘れているが、皆でソロを回す"River's Invitation"はよかった。ゲイトの声がかなり出ていないのが気にはなったが、最後の"Take The A Train"のギター攻めで満足。もう本当にカッコいい。やはり、彼はギタリストの神様ですよ。ありがたく拝ませてもらった。声のことは残念だが、あれだけのギターが弾ければ彼のミュージシャンとしての存在意義があるというもの。そういえば、途中キーボードの人がアコーディオンを持って、ゲイトがフィドルを弾き、ケイジャン・スタイルも披露していた。盛りだくさんだ。

    この日の最後は、ディキシー・カップス(Polaroidステージ、18:00)にボー・ジョック(House Of Bluesステージ、18:00)。もろ重なっていて悔しいのでやはりハシゴ。ヴァン・モリソン(Ray Banステージ、17:40)も観たかったが、前の晩観に行ったのであっさり捨てた。

    まずは、ディキシー・カップス。3人のうち、オリジナル・メンバーはもう1人しかいないという。勢いよくやりだしたステージは、アリサの"Respect"や"Proud Mary"など、ヒット曲レビュー。あの10代の頃の初々しい彼女たちとはかなり違う。もちろん、40年近くも経った今、そんなものを求めていたわけではないのだが。ショーマンシップに徹していて面白いが、悪く言えばコピー・バンドっぽい。ちょっとボー・ジョックが気になったので、取り敢えずハウス・オブ・ブルース・ステージへ移動。

    ステージを遠目で見ると、なんか1人だけそびえたつようにデカイ人がいる。ボー・ジョックである。身長は2m近くあるらしい。あそこまでデカイとは恐れ入った。そんな大男だけに、ボーはパワーが違う。ザディコに付きもの(?)の「ハッ!!」という掛け声ひとつとってもドスがきいている。

    前の方では黒人の兄ちゃん、オヤジがあの曲演ってくれ!とかなんとか騒いで盛り上がっている。僕も一緒になって前で盛り上がる。特に受けていた曲は"Give Him Cornbread"かな。ザディコはダンスだ!盛り上がるぜ!彼のバンドは最近ギターが変わったようだが、この新しいギターの人が最高だった。激しく弾きまくちゃうし、おまけにトークボックスまで使ってソロをかましてしまう。最近には珍しい逸材だった。僕は、テランス・シミエンのレコードに入ってたギタリストもこんな感じでトークボックスとか使ってたなぁ、なんてあのときは考えていた。だが、後で確認してみたら、あのボーのバンドの新ギタリストこそ、前テランス・シミエン・バンドのラッセル“スライ”ドリオンその人だったのだ。やはりあんな人はそうザラにいるものではなかったということか?

    暫く観ていたが、そろそろ時間は7時という頃、ディキシー・カップスにまた戻る。行ってみると最後の曲"Iko Iko"が始まったとこだった。ということは、"Chapel Of Love"は聴きそこなってしまったということか。残念。これが、聴きたかったのに。しかし、"Iko Iko"のコーラスがレコードのものと響きが殆ど同じだったので、結構感動。歳月は過ぎてもやはり彼女たちはディキシー・カップスなんだな、と納得。

    彼女達は、ディキシー・カップスのオリジナル・カップを客席に向かって投げ始めた。すごい数だ。皆がカップに群がる。僕も1つ拾えた。プラスチック製のそのカップには、インディアンの格好をした彼女たちの絵とヒット・レコードの絵が刷り込まれており、"New Orleans Tradition"と書かれていた。なんとなく得した気分になり、そのカップを手にして僕らは会場を後にしたのだった。


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