New Orleans Jazz Fest 2006
Day 3: Sun., April 30

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[本日の個人的お品書き]
Papa Grows Funk, Willis Prudhomme & Zydeco Express, Paulin Brothers Brass Band, The Soul Rebels, Sonny Landreth, Allen Toussaint w/Elvis Costello, The Mighty Chariots of Fire, Kirk Joseph's Backyard Groove, Lil' Band O' Gold, The Meters

大人気ザリガニパン!

お土産Tシャツもよりどりみどり

前日より降り続いた雨は、朝になっても止む気配はなし。相も変わらずザーザー降りだ。前日は「雷雨」の予報が外れたが、今回こそは的中してしまった感じ。内容が濃いフェス前半最終日だというのに、天気が恨めしい。

などと言ってても仕方ないので、出かける用意を始めた。ゴミ袋などを多めに持ち、防水対策で前日よりも荷物がかさむ。しかし、奇跡は起きた。フェス開演2時間ほど前の9時頃、雨が止んだのだ。このあと、空は晴れ間さえのぞいた。

11時前には会場に着いたが、入り口には長蛇の列が出来ていた。もうすぐ開演だというのに、雨の影響でまだ開場していなかったのだ。暫く並んで待っていると、中からパパ・グロウズ・ファンク (11:25am, Southern Comfort)の演奏が聴こえてきた。開場は遅れても開演は定刻通りのようだ。まだ大半の観客が外にいる。この日のトップバッターは可愛そうだな。早く中に入りたくも列はかなり長くなかなか進まない。結局20〜30分ほどパパ・グロウズ・ファンクをBGMに入場を待った。

正午前、やっとのことで会場入り。早速、カメラを取り出そうとバックパックを開ける。雨に備えてカメラは二重三重にビニール袋に入れていた。しかぁーし!!一瞬の油断おそるべし。カメラは袋から転がり出し、アスファルトの地面に激突!10年以上愛用していた一眼レフは、本体も望遠レンズも、打ち所悪くあえなくお亡くなりになってしまった。結局、後日現地でカメラを買うという予定外の出費をするはめに。後半戦、写真撮れないのもあとで後悔するだろうからね。うーん、痛い。

Willis Prudhommeというわけで、この日の写真は小型デジカメのもののみ。壊れたカメラを手にし、最初のお目当て、ウィリス・プルドーム&ザディコ・エクスプレス (11:30am, Fais Do-Do)のステージへ。もう70歳を超える爺ちゃんだけど、見た目は若くて演奏も元気。あまりゴリゴリのザディコって感じではなくて、ケイジャンとザディコの境がない感じがよい。こういう人を観ると、ジャズフェスいいなぁと思う。日本じゃまず観れないもんね。

Paulin Brothers続いてジョン・ムーニー (12:35pm, Acura)に行こうと思ったが、お腹も空いたので、腹ごしらえを。ゆでザリガニやらを買って、売店そばのステージ付近に座ってしばしお食事タイム。ポーリン・ブラザーズ・ブラス・バンド (12:25pm. Jazz & Heritage)が演奏していた。トランペットのドク・ポーリンら子沢山な(笑)ポーリン家の人々からなるトラディショナルなニューオリンズ・スタイルのジャズ・バンドで、のりがよくて楽しい。ザリガニもうまいし、ピクニック気分盛り上がるぜ。

OffBEAT Boothお馴染み地元音楽誌オフビートのブースがそばにあったので、寄って声をかけてみた。編集長のジャン・ラムゼイさんら数名がいた。カトリーナ以降、資金繰りの厳しさから永久定期購読者を募って資金調達を試みていた同誌。状況は、まだまだ厳しいものの当初の最悪な状態は脱しつつあるという。僕が日本から永久購読を申し込んだことを伝えると、スタッフの一人が僕のラスト・ネームを聞いてきた。何だろ、と思いつつも「スモリです」っていうと「Masahiro Sumoriだな」と即答。この人定期購読の担当で、海外分は直接自分で発送しているので、名前は頭に入っているらしい。海外の購読者の中でも日本の比率が突出していて、いつも感心していたという。

Soul Rebelsすっかり時間が経ってしまったので、ジョン・ムーニーを観る時間がない。せめて少しだけでもということで、ステージのそばまで行って音だけ聴いてとんぼ帰り。その後、コンゴスクエアへ移動し、ソウル・レベルズ・ブラス・バンド (1:00pm, Congo Square)を少々。相変わらずブラス・バンドというよりはラッパーのりで観客をグイグイ引っ張っていくステージングを展開していた。

Sonny Landreth続く時間帯は観たいものが多くて悩ましい。サニー・ランドレス (2:00pm, Acura)、ビッグ・サムズ・ファンキー・ネイション (2:10pm, Southern Comfort)、ウォルター“ウルフマン”ワシントン (2:30pm, Congo Square)、スティーヴ・ライリー&ザ・マムー・プレイボーイズ (2:35pm, Fais Do-Do)といった具合。結局、他は諦めてサニー・ランドレスを観た。数年前に来日したときと違って、バンドでの演奏。やはり、バックがつくといいなぁ。ニューオリンズ復興Tシャツを着たサニーは、"Back to Bayou Teche"、"The U.S.S. Zydecoldsmobile"など、お馴染みの曲を中心にプレイ。アンコールはやはり"Congo Square"だった。やっぱ、この人の音はルイジアナの空にあうねー。

サニーが終わると、そのままアキュラ・ステージに残る。続いての登場はアラン・トゥーサン (3:35pm, Acura)。彼のライブ評の仕事を朝日新聞から頂いたので、これだけはしっかりと観なければならなかった。エルヴィス・コステロがゲストで登場する予定で気になっていたので、どっちにしても観るつもりだったが。しっかり観るために、ステージに近い前の方に移動した。しかし、人が多い上に地面のぬかるみが激しく、敷物がぐちゃぐちゃになるなどひどい目にあった。うー。でも、ライブ自体はなかなかよかった。トゥーサンは新曲"There's A Party Going On"でスタート。まだレコーディングもしていないそうだが、ドクター・ジョンの"Going Back To New Orleans"を彷彿させる洒落たムードの溢れる曲だ。続き、ニューオリンズR&Bメドレーをやったり、3月に亡くなったキング・フロイドに捧げて彼の”Groove Me”をゲストVo.を入れてやったりと、ニューオリンズ音楽を紹介するような濃い内容のステージを披露した。ゲストのコステロは、途中で出てきて、"On You Way Down"から始まり、新作「The River In Reverse」の曲を中心に計6曲を歌った。クールなトゥーサンに対しコステロは熱唱と呼ぶに相応しい力のこもった歌いっぷりで、そのキャラクターの差が対称的で面白かった。ステージは"Yes We Can Can"に続き、オープニングでやった新曲を再びプレイし、フィナーレとなった。この曲の中で、ニューオリンズの名物料理などを連呼しながら"everybody come home"とコーラスで繰り返していたのが、何とも印象的だった。未だに戻れていない多くのニューオリンズ市民に捧げられた曲といえるだろう。早くレコーディングしてほしいものだ。

Mighty Chariotsトゥーサンのステージが終わると、すぐにゴスペル・テントに移動した。マイティー・チャリオッツ・オブ・ファイヤー (4:15pm, Gospel Tent)がトゥーサンの裏番組でやっていたのだった。まだ、終わってないかも知れない。行ってみると、やった!まだやっていた。ラスト15分くらいではあったが、パワーみなぎる歌を聴くことができた。リードVo.のパワーもすごいが、7、8歳くらいの男の子も大人顔負けの歌と踊りを披露していた。将来が楽しみな子だ。同じ時間帯に、他にもロージー・レデット (3:55pm, Fais Do-Do)、リバース・ブラス・バンド (3:35pm, Southern Comfort)、トロンボーン・ショーティー (3:55pm, Jazz Tent)など観たいものが多々あったが、残念ながら観れなかった。ライブ評の仕事がなかったら、トゥーサンを途中で抜けて観に行ってたかも。でも、その結果どれも中途半端になっちゃうんだけどね。

この日はラストも悩ましかった。メインステージではブルース・スプリングスティーンが新作のピート・シーガーへのトリビュート・バンドで出演 (5:30pm, Acura)。反対側ではジガブーを含むオリジナル・ミーターズ (5:25pm, Southern Comfort)、他にはリル・バンド・オ・ゴールド (5:30pm, Fais Do-Do)、プリザベーション・ホール・ジャズ・バンド (5:35pm,Economy Hall)、カーミット・ラフィンズ&ザ・バーベキュー・スウィンガーズ (5:35pm, Jazz Tent)、カーク・ジョセフ&ザ・バックヤード・グルーヴ (5:35pm, Jazz & Heritage)と、どれもどれもどれも、、、観たいものばかりだったのだぁ。うー苦しい。

Backyard Grooveで、まずはカーク・ジョセフのバンドから観ることにした。2年前のレコーディングのときとは、結構メンバーが変わったようだけど、変わらずいかした音を出していた。"Gotta get laid back"なんて歌っていても、サウンドはタイトでファンキーだぜ。ギターには、ニューオリンズ在住の日本人ギタリスト、ヒロナリ。いまや、このバンドでカークの右腕的存在の彼。表情豊かに気合いの入ったプレイを聴かせていた。彼の人気はうなぎ登りなようで、熱烈なファンが集うMixiのコミュニティーまで出来たとか。ニューオリンズでは、既に山岸潤史を脅かす存在と行っても過言でないだろう。

Lil Band O Goldずっと観ていたいのはヤマヤマなれど、数曲で移動。この日の最後は、悩んだ揚げ句リル・バンド・オ・ゴールドを観ると決めたのだ。スワンプ・ポップ、ブルースからケイジャンまで、ルイジアナ音楽のエッセンスを凝縮したオールスター・バンド。ルイジアナまでやって来て、彼らを見逃すわけにはいかなかった。

フェイドードーというこじんまりしたステージでのライブだというのに、行ってみると、それほど混んでなかった。他のステージで色々やってるので、皆そっちへいってしまったのか。ちょっと残念。でも、ライブは文句なしによかった。彼らのCDを中心とした選曲だけど、途中ウォーレン・ストームが前に出てきて、50、60年代の彼のレパートリーを数曲熱唱する一幕も。よっ!オヤジ、かっこいい!以前は長髪だったC.C.アドコックは、さっぱりとショートになっていて、一瞬誰かと思った。

Warren Stormしかし、さすがベテラン揃い。演奏に余裕があるし、本人達も楽しそう。でも、ただうまいんではなくて、スワンプ色の味はたっぷりなんだよねー。うーん最高!途中、今回泊めてもらっている友人に遭遇。彼は、フェスのスタッフをやっているので、一緒にステージまで連れていってもらった。プレイしているすぐ横での鑑賞もなかなか。ステージ上では、J.モンキDも嬉しそうに聴いていた。終盤、彼らは「次のアルバムに収録予定」とコメントして、何曲かやっていた。え?アルバムでるの?知らなかった。そんな中の一曲に"Hold On Tight"という曲があった。一瞬、これなんだっけ?と思ったけど、そっか。ELOだ。ヒットしたよね、これ。うちにもLPあるよ。途中フランス語の歌詞が出てくるんだけど、この人達がやると、そういうところも含め、スワンプっぽいなあ。

ちなみに、後日ルイジアナ・ミュージック・ファクトリーに行って、リル・バンド・オ・ゴールドの新譜のリリース予定について訊いたけど、判らなかった。ちょうど、そのときお店ではバンドのメンバーでもあるデイヴィッド・イーガンがインストア・ライブをやっていたので、本人に訊いてみた。すると、「既に大半のレコーディングは済んでいるだ。あとは、仕上げのレコーディングとミックスをやったら完成だ。今年中には出せるんじゃないかな」とのことだった。楽しみ!!イーガンのソロ作についても訊いてみると「リル・バンド・オ・ゴールドのCDが終わったら、自分の2作目にも取り掛かるよ。」と言ってくれた。彼らのファーストはかなり内容が濃いのでこれも、非常に期待大だ。彼は、それほど有名ではないかもしれないけど、とても素晴らしいソングライターだと思う。

話しが脱線してしまった。というわけで、大変素晴らしかったリル・バンド。彼らが終わったので、すぐ隣のミーターズのステージに行ってみるとまだやっていた。人だかりもすごい。曲は"People Say"だっただろうか。アンコールもやって、熱いジャムになっていた。意識して聴かなくても、ジガブーのドラムスの存在感はすごかった。以前、彼の代わりにラッセル・バティストが入った3/4ミーターズが来日したことがあったが、やはりジガブーがいないとミーターズではないな。(ラッセルごめん)4人揃うと、全然違った。ちょっとだけだけど、聴けてよかった!

ミーターズが終わった時点で、7時をゆうに過ぎていた。なので、彼らを最後にして、会場を出た。しかし、あとで聞いたところによると、この日のブルース・スプリングスティーンのステージはとてもヒットアップし、彼は7時半頃までやっていたとか。じゃあ、ちょっとだけでも聴きに行けばよかった。失敗。でも、この日も沢山いいライブが観れて満足、満足。

という訳で、あっという間に前半が終わった。後半戦は5日後である。





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