強力なファルセットを伴う表現力豊かな歌声。パークタワーに久々に大物ソウル・シンガーが登場する。60年代の"Get It While You Can"(ヴァーヴ)がジャニス・ジョップリンにカバーされ、またこの頃R&Bチャートのトップ20に3曲を送り込み注目を集めた。その後アトランティック等からも作品を発表するものの、70年代中頃には引退し、やがてファンの前から完全に姿を消してしまう。
しかし、ニュージャージーのDJが番組を通じて情報提供を呼びかけたことにより、一時は死亡説まで流れたハワードの復活劇がスタート。そして、2001年の正月に元ハロルド・メルヴィン&ザ・ブルーノーツのロン・ケネディーが偶然彼に出くわしたのだ。間もなくハワードは、デビュー当初より彼のサポート役だったプロデューサー/ソングライターのジェリー・ラゴヴォイと再会を果たし、ライヴ活動と新作のレコーディングを開始する。2003年夏には、新録アルバムとしては31年ぶりとなる「Rediscovered」をリリース。60歳代になった今、若かりし頃と比べて声が全く衰えていないことに驚かされる。奇跡の歌声を是非堪能して下さい。
(解説 陶守正寛)
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最新版
Rediscovered
(Private Music 82876-52692-2)
2003
公式サイト
http://www.howardtate.net/
来日メンバー
Howard Tate (vo.), Michael Schermer (gt.), Tim Wagar (b.), Austin DeLone (key.), Ernest Carter (ds.), Pete Sembler (tp.), Michael Rinta (tb.), Scott Petersen (sax.), Johnnie Bamont (sax.)
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