New Orleans Jazz Fest 2006
Day 5: Fri., May 5

[ Home ][ はじめに ][ フェスについて ]
[ Apr28 ][ Apr29 ][ Apr30 ][ May5 ][ May6 ][ May7 ]
[ 被災 ][ 食べ物 ][ Schedule (pdf) ][ Map (pdf) ]

[本日の個人的お品書き]
Joe Krown, Pine Leaf Boys, New Orleans Nightcrawlers Brass Band, Wayne Toups & Zydecajun, Savoy Family Band, Marcia Ball, The Red Stick Ramblers, The Golden Eagles, Little Feat, Tab Benoit, Lil' Brian & The Zydeco Travelers, Angelique Kidjo, Bob French & The Original Tuxedo Jazz Band, Koko Taylor & Her Blues Machine

宿泊先からみたジャズフェス入口

キッズコーナーが子供たちが鈴なり!

ジャズフェス後半戦に備えて、前日夜、フェス会場そばの家へお引っ越し完了。今度の家は、玄関からフェスの入り口が見えるという近さ。フェス通いにはもってこいだ。でも、それ以外ではちょっと不便な場所ではあるが。

そんな場所なので、フェスも3日間とも余裕で早めに行くことができた。この日も音楽が始まる30分前には中に入り、前半見逃したグランドスタンド(競馬の観客席がある建物)内の展示物を観たり、売店を冷やかしたりしながら、のんびり過ごした。

Joe Krownこの日最初に観たのは、ジョー・クラウン (11:30am, Southern Comfort)。彼には、今回も色々世話になった。かつては彼の仕事はゲイトマウス・ブラウンのギグが中心だったが、ゲイトマウスも亡くなってしまった今年のジャズフェス期間中、ジョーはかつてないほど忙しそうに見えた。自分のバンド、オルガン・コンボがニューオリンズのシーンの中で存在感を増し、確実にファンが付いて来ているようだ。ジョーと話していても、彼自身ソロ1、2作目を出した頃よりも、格段に自信を深めているのを感じることができる。この日も朝早くから、ステージ周辺にはまずまずの客の数。曲は"New Finish"など、「Livin' Large」中心の選曲。先日のタワーのインストアにはいなかったブリント・アンダーソン(gt.)もいる。クールなイメージのジョーだが、バンド一丸となった演奏は、熱くファンキーだ。朝から音もでかい!でも気持ちいいのだ。各パートがユニゾンでひとつのテーマを弾くところもかっこいいし、ソロになると特にギターの2人なんて、ギャンギャンはじけてる。ジョーのバンドリーダーとしての成長ぶりは一目瞭然だ。このバンドで来日出来たらいいのにね。

Pine Leaf Boys続いて、すぐ隣のステージに移動。パイン・リーフ・ボーイズ (11:40am, Fais Do-Do)のステージはまだ終わっていなかった。彼らは、サヴォア・ファミリーのウィルソン・サヴォア(accordion, fiddle)を中心としたケイジャン・バンドで、先日アルバムも出たばかり。(僕はまだ聴いてないけど)この人たち、まだ若いはずだけど、さすが伝統的なものをしっかり押さえた音をしている。

ゆっくりはしていられない。観たいものが沢山ありすぎ。ウェイン・トゥープス&ザディケイジャン (12:40pm, Southern Comfort)、ニューオリンズ・ナイトクローラーズ・ブラス・バンド (12:20pm, Jazz Tent)、サヴォア・ファミリー・バンド (1:05pm, Fais Do-Do)と少しずつずれながらも重なっている。

New Orleans Nightcrawlersまずは、一番早いニューオリンズ・ナイトクローラーズから。CDでは"Oye Como Va"など意外な曲もやってた彼らだが、僕が観たときは、比較的普通だった。でも、終盤で結構盛り上がっていたよ。メンバーも変わっているのかなと思ったけど、トランペットの・バーニー・フロイド、ティンメンでも活躍するスーザフォンのマット・ペリンはまだちゃんといるんだね。でも、バーニーはオヤジっぽくなってたな。10年前にジョー・クラウンと一緒に彼の車に乗せてもらったのを思い出した。そう言えば、ジョーさんによるとバーニーは双子の娘さんが生まれて育児にてんやわんやの毎日だそうだ。なんだか微笑ましいね。

ここで、一端子供たちを連れてキッズ・テントへ。前半の3日間は一度も寄らなかったけど、せっかく子供のためのコーナーが用意されているんだから、連れて行ってあげたらいいんじゃないかと思った。行ってみると、これが案外よくできている。以前は、子供と一緒じゃなかったので、キッズ・テントなんて殆ど覗いてみたこともなかった。遊具があったり、テントの中ではボランティアの指導の下で工作が楽しめたり、ライブがあったり、本の読み聴かせがあったり。特に上の子はすっかりはまり「明日も絶対ここに来るよ」と念を押された。

Kid Tent中でも、よく考えたなと思ったのは、「Rebuild New Orleans」という工作コーナー。数メートル四方の板に書かれたニューオリンズの地図が用意されていて、その上にダンボールで作った建物を置いていくというもの。既に置いてあるものを見ながら、子供なりに「今この街には何が必要なんだろう?」と考えながら、店や病院や住宅などの建物を作って、街作りをしていく。ニューオリンズの被災を子供たちに考えてもらう機会にもなるし、それに子供にとっては楽しい。うちの子は、この日は一軒家を作り、後日もう一度来てマンションを作っていた。

さて、こども達は暫くここから離れそうもないので、夫婦交替で面倒を見つつ、ここからライブへ足を運ぶということをやった。ウェイン・トゥープスとサヴォア・ファミリー、どちらも一応観ることができた。トゥープスは以前観たときよりも更にロックっぽく派手に盛り上がっていたなぁ。熱いステージだったけど、ちょっとやり過ぎっぽい気もした。最新作「Reflections of the Past」の方が聴きやすかったかも。

Ann Savoy一方サヴォア・ファミリーは、相変わらずほのぼのしている。メインで歌うアン・サヴォア(gt.)に旦那のマーク(accordion)、それにさっき観たパイン・リーフのウィルソン・サヴォアももちろんいて、フィドルにキーボードに忙しい。アンとマークは、ボーソレイユのマイケル・ドゥーセとのコラボレーションでも知られるケイジャン界の代表的存在だ。ゆったりとしたリズムに哀愁を持って響くマークのアコーディオン、これぞルイジアナだなぁと聴きほれる。

Marcia Ball次は、ニューオリンズに来るといつも楽しみにしているマーシャ・ボール (2:05pm, Southern Comfort)を観た。実は2日前の5月3日にもラファイエット・パークのフリー・コンサートで彼女を観ていたのだが、やはり何度観てもいいものはいい。アリゲーターのアルバムでは、ラウンダー時代よりもピアノが目立たなくなっている印象を受けるが、ステージの乗りは以前と変わらない。ピアノでブギウギしまくるし、ニューオリンズ色全開だし、文句なしだ。この日はレギュラーのバンド・メンバーに加えてオルガンにジョー・クラウンとホーン・セクションが入った。ひときわ大きな喝采を受けていたのが"Louisiana 1927"。いつもやる曲だがカトリーナの後ということで特別な意味合いを感じずにはいられない。「センチメンタルになりたくはないんだけど、やはりなってしまうかも」と彼女は語り、「ニューオリンズをサポートしましょう」と呼びかけた。

レッド・スティック・ランブラーズ (2:30pm, Fais Do-Do)、ゴールデン・イーグルズ (3:05pm, Congo Square)と渡り歩き、リトル・フィート (3:45pm, Acura)のステージへ移動。レッド・スティックは新譜「Right Key, Wrong Keyhole」も好調。ケイジャン色のスイングがメチャ気持ちいいバンドで大好き。「クリフトン・シェニエの曲」と紹介し、"Hot Tamale Baby"をブルージーに決めたりする一幕もあった。見た目はありがちなビール腹オヤジ達だけど、かっこいいぜ!

Golden Eaglesゴールデン・イーグルズは、お馴染み元ワイルド・マグノリアスでの活動でも知られるビッグ・チーフ・モンク・ブードロー率いるマルディグラ・インディアンのグループだ。多くのマルディグラ・インディアンのグループ同様、彼らも以前はバックバンドなしで掛け声のコール&レスポンスをやっていたが、今回はエレキ・バンドがついて、思いっきりファンキーにやっていた。ほのぼのキャラだと思っていたモンク、なかなかやるじゃん!

Little Featそして、個人的には出ると知っては観ずにはいられないリトル・フィート。ステージは、今回のツアーの名前にもなっている"Calling The Children Home"からスタート。1998年のアルバム「Under The Radar」からの曲だが、ニューオリンズを歌ったこの曲は「この街を浸水させることは出来ても、パーティーを止めることはできない。チルドレンを呼び戻すんだ」という歌詞がまるで今のこの街のためにあるようだ。冒頭にこの曲を選らんだところに、彼らのメッセージが感じられた。この日の彼らは、地味めな選曲だったと思う。だって、"Willin'"も"Oh Atlanta"もやんなかったんですよ。そのかわり、ボブ・マーリーの"Get Up, Stand Up"とかジョン・ハイアットの"Feels Like Rain"なんかをやっていた。ハイライトは"Dixie Chicken"かな。ジャムっぽい展開を含め結構長くやってたけど、さすがプレイはだれない。途中ビリー・ペインが"Louisiana 1927"のメロディーを弾く一幕も...。ジミー・バフェットが飛び入りしたが、タンバリンを鳴らしながらコーラスをやっているだけで、サプライズ・ゲストとしては地味だった。70分やったはずなのだが、なんだかあっと言う間に終わった感じがした。

Tab Benoit裏でやっていたエリック・リンデル (4:00pm, Fais Do-Do)も観たかったが、リトル・フィートを見終わった時点で、食べものを買ったりしてたら、時間が経ってしまい移動しても間に合わなさそうだったので断念。適当に店を覗きながら、反対側のサザン・コンフォート・ステージまで歩いた。タブ・ベノア (4:45pm, Southern Comfort)をちょっと観たかったのだ。行ってみると、ハーモニカを吹いているのはジャンピン・ジョニー、ピアノにはミッチ・ウッズがいる。ジョニーの横でタンバリンを叩いているのは、さっきも観たモンク・ブードローだ。彼のライブにもいたフィドルのウェイロン・ティボドーもいた。すごい、豪華なオールスター・バンドで、マルディグラ・タイムと言わんばかりの楽しいニューオリンズR&B、スワンプ・ロックのサウンドを繰り出していた。よかよか。しかし、ライブは既に佳境。あっという間に終わってしまった。これは、もっと観たかったなぁ。リトル・フィートと重なるとは何たる不運。くぅ!ちょっと観れただけでもよしとするか。

Lil Brian隣のステージでは、若手のザディコ・プレイヤー、リル・ブライアン&ザ・ザディコ・トラヴェラーズ (5:40pm, Fais Do-Do)がちょうど演りだしたところだった。CDではラップっぽいことをやったりもしていたが、ここではストレートにガツンと元気なプレイをしていたように思う。一緒に踊っていた可愛い女の子は、娘さんかな?小さいけどいいダンサーぶりでした。

暫くザディコに身を任せたのち、アンジェリク・キジョー (5:45pm, Congo Square)、ボブ・フレンチオリジナル・タキシード・ジャズ・バンド (5:40pm, Economy Hall Tent)と覗いて回った。キジョーの音楽については正直言ってあまりよく知らないので、彼女のライブについて多くを語ることはできないけど、彼女の音楽ってとてもファンキーでかつブルージーだと思う。こういう音楽が聴けちゃうのもまたこのフェスの魅力なんだよね。と言いつつ、続いてはボブ・フレンチ。女性ヴォーカルを立てて、ジャズのスタンダードをトラディショナルな雰囲気いっぱいに演奏していた。やっていたのはダイナ・ワシントンの"Our Love Is Here To Stay"だっかな。違ったらごめん。

Koko Taylorこの日のラストは、ココ・テイラー (6:10pm, Southern Comfort)で締めることにした。そう言えば、彼女のライブは暫く観ていない。シカゴ在住の菊田俊介がココのバンドに加入してからもうだいぶ経つが、彼が入ってからのバンドをようやく観ることが出来た。彼も元気そうでなにより。それよりも、健康不安が伝えられた来たココ自身が思いのほか元気で、10年前と変わらないシャウトを聴かせていたのには嬉しくなった。歌っていないときはすぐに座ってしまうなど、やはり衰えはあるのだろうが。このとき菊田さんとは会うことは出来なかったが、翌月彼がジェイムズ・コットンと東京で公演したときに話すことができた。彼によると、ココは最近はちょっと調子がいいものの、やはり体調がすぐれないことが多く、ドクター・ストップで長旅は出来ないので、日本公演は無理そうとのこと。残念ですね。久々のに観たが、歌うのは"I'm A Woman"や"Jump For Joy"あたりやラストでの"Wang Dang Doodle"など、やっている内容は変わってなかった。それを「安心して聴ける」と取るか、「マンネリ」と取るかは人によるだろうが、まずは元気な歌声は聴けて何よりだった。





[ Home ][ はじめに ][ フェスについて ]
[ Apr28 ][ Apr29 ][ Apr30 ][ May5 ][ May6 ][ May7 ]
[ 被災 ][ 食べ物 ][ Schedule (pdf) ][ Map (pdf) ]





inserted by FC2 system