• 4月28日(日)夜

    THE NEVILLE BROTHERS


    カバー・チャージ:$30

    House Of Blues
    225 Decatur St.
    504-529-1421

    ニューオーリンズへ行ったらまずはネヴィルズを観なきゃと考えている人も多いだろう。ジャズフェスの時期の彼らの公演は、そんな人気に支えられていつもすぐに完売になってしまうらしい。僕らもニューオーリンズ在住の友人H君(ギタリスト)が前売りを押さえておいてくれなかったら、行けなかったでしょう。持つべきものは友なのか、やっぱ。それにしても、ニューオーリンズのライブハウスの相場は$10そこそこだから、$30という値段でもなおさら売り切れるというのは、やはりネヴィルズの人気ゆえなのだろう。ま、日本で観ることを考えればこれでも安いけど。

    ハウス・オブ・ブルースというライブ・ハウス自体、これが僕にとっては初めてだった。ずっと気にはなっていたので、会場もみれるということで一石二鳥だった。まず、会場の率直な感想。気取りすぎてて、僕は好きになれなかった。内装は凝っているけど、趣味がいいとはとても思えない。店員もどことなく気取った雰囲気が漂っていて、あまり気持ちよくなかった。これのどこが「ブルースの家」なのか?そう思った。何か金持ちの道楽者が形だけのブルース・スポットを作ってみましたって感じ。新参者なのにディケイター通りのバツグンなロケーションに建っているのも、金の力であることは間違いない。彼らの存在により、ティピティーナスのような老舗の経営が追い詰められていくのだから(ネヴィルズも以前は、ジャズフェスのときはティピティーナスで演っていた)、ハウス・オブ・ブルースの標語になっている"In Blues We Trust(我々はブルースを信仰する)"なんてウソっぱちで、結局ブルースを山車にして金儲けしてるだけじゃないかと思ってしまう。創設者のダン・エイクロイドをちょっと見損なってしまった。

    いきなり愚痴から始まりましてすいません。こんなクラブなので、規制も厳しく写真撮影は禁止。撮っていると警備員がすっとんでくる。実は、そんな中でも僕は何枚か撮った。でも、さすがにこのページ上に載せるのはやめておこう。うるさそうだから...。

    この日の定刻は9:00。僕らは、食事を済ませて9:30位に会場に着いた。まだステージは始まっておらず、観客もまばら。僕らがステージのすぐ前まで行ったらちょうど照明が落ち、前座のソウル・レベルズの演奏が始まった。ブラス・バンドだが、ラップとかスカとかいろんな要素が混じりあった音をしていて、個性的だった。30分と短い演奏だったが、結構楽しめた。

    ネヴィルズが始まる頃には客はいっぱい。前座の頃から同じスポットをキープしていた僕らは、最前列アーロンの目の前という最高な場所にいた。曲は"Cissy Strut"から始まった。彼らの一挙一動に客の大きな歓声が飛ぶ。以前東京で観たときよりも、全然いい音している。そう思った。アートの歌う"Sittin' In Limbo"なんて、レコードで聴いたときはジミー・クリフの方が全然いいじゃんとか思ったけど、彼らのこの晩演奏したものも味わい深かった。

    この晩のライブは、カバーの曲が多いなぁという印象もあった。それは別に悪いといってるんじゃない。アーロンが歌ったマーヴィン・ゲイの"What's Goin' On"なんてハマっていて最高だった。シリルは"Something"と"Come Together"の2曲のビートルズ・ナンバーを歌った。前者はレゲエっぽいアレンジになっていて、シリルらしいと思った。"Born Under A Bad Sign"なんていう曲も演り、シリルはパーカッションから降りてきて熱唱!こういうのも結構盛り上がるなぁ、なんて思いながら楽しんじゃいました。

    あとは、やはり新作"Mitakuye Oyasin Oyasin (All My Relations)"からの選曲が多かったんだろうな。この時点ではまだ新作はリリースされてなかったから判らなかったけど。この晩のライブで、ビル・ウィザースの"Ain't No Sunshine"なんて演ってるなと思っていたら、新作にちゃんと入っているし。確かグレイトフル・デッドの"Fire On The Mountain"も演ってた。

    アンコールは、待ってました!という感じのアーロンによる"Amazing Grace"。あのヨーデル・ヴォイスに観客は大声援を贈った。正直言って、個人的にはアーロンのこういう歌いかたってイヤだな、と拒否反応が出てしまうこともてあるのだが、ここまでやられちゃあ素直に堪能。曲はそのまま"One Love"へ。会場のみんなも一緒に歌った。

    以上で終演。2時間以上に及ぶ内容の濃いライブだった。考えてみれば、チャールズ・ネヴィルのサックスがすごくよかったと思う。結構ネヴィルズって、“洗練された”きれいな音に行きがちなところがあると思うけど、彼がビシっといっぱつソロをキメるとソウルフルに音がしまる。あと、前観たとき(93年来日時)よりもギターの印象がよかった。よく覚えてないが、あのときは多分昨年亡くなったエディ・フレッシュが加入する前だったと思うので、今と同じエリック・ストラウザーだと思うけど。前のときは、なんかペラペラした音でイヤだなと思った記憶があるが、今回はツボを得たバッキングがよかった。


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