2014/8/31
ドナルド・ハリソン来日公演レポート ニューオーリンズ

定刻通りに始まったセットはオリジナルのインストから。淡々と始まりましたが、演奏は冒頭からなかなかホットです。続いてアート・ブレイキーのレパートリー"One By One"をクールに決め、スタンダード曲"Cherokee"へ。これはアップテンポで畳み掛けるようにブロウしまくっていました。
ここまでは、非常に正当派モダン・ジャズだったのですが、ここからが彼らしさ発揮と言ったところでしょう。聖者の行進で雰囲気はいっきにトラディショナルなニューオーリンズに。途中歌詞を変え、「セインツがスーパーボウルに勝利した時、僕らはマイアミにいた」と、ツアーのせいでセインツ勝利と言う歴史的瞬間を体験出来なかった恨み節になっていたのがおかしかったです。ヴォーカルはハリソンでしたが、途中ギターのデトロイト・ブルックスも歌に加わり、ますます楽しい雰囲気に。彼は歌もよかったですが、実にツボを押さえたいいプレイしていましたね。
締めの2曲はおよそジャズのイメージとは遠いニューオーリンズR&Bナンバー。ハリソンは、サックスだけでなく、コンガも叩きまくって盛り上げてくれました。ベースもアップライトからエレキベースに変わり、バンドもファンキー。いずれもマルディグラ・インディアンのチャントが元となった曲ですが、こういうのを最後に持ってくるあたりは、自らもビッグチーフであるハリソンらしいですね。
終演後、足早に出口に向かったら、さっきまでステージにいたバンド・メンバー全員がレジの隣りで既にサイン会スタンバイ状態。ハリソンと目が合ってしまい、おいでおいでされてしまいました(笑)。
来月リリースされる予定というCDを売っていたので買ってサインをもらいました。これ、ティピティーナス・ファウンデーションのレーベルからのリリース。殆ど全曲がハリソンのオリジナルで、ティピティーナス・ファウンデーションの教育プログラムを通じて彼が教えた高校生たちとレコーディングされたものとのこと。これがなかなかファンキーで、期待以上に充実した内容でした。ドラムスにRaymond Weber, Jr.なんていう人も入っています。レイモンド・ウェバーの息子さんなんでしょうね。
バンドのメンバー全員がその場にいたのですが、何故かデトロイト・ブルックスだけは輪には加わらず、遠巻きに見物している状況。ご機嫌が悪い訳ではなさそうでしたが、あまりサイン会のような場はお好きではないのかな?
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Donald Harrison Quintet
The., August 26, 2014
2nd set, 21:00-22:20
[setlist]
The Sand Castle Head Hunter
One By One (Art Blakey)
Cherokee
When the Saints Go Marching In
Take The A-Train
Oo Bop Sh'bam
Iko Iko
Hey Pockey A Way
-encore-
New Orleans Party?
※アンコールの曲名は判らないですが、この曲でした:
https://www.youtube.com/watch?v=wbpAMgfs0LQ
[Personnel]
Donald Harrison - alto saxophone, vocals, congas
Detroit Brooks - guitar, vocals
Conun Pappas, Jr. - piano
Max Moran - upright and electric bass
Joe Dyson - drums
来日公演日程
2014年8月25日(月)〜28日(木)
http://www.cottonclubjapan.co.jp/jp/sp/artists/donald-harrison/

この日買ったCD
Donald Harrison, Jr. and the Tipitina's Interns, Vol. 1
このジャケットの写真、レイモンド・ウェバーらしいです。
