2020/11/30

グラミー賞(第63回) ノミネーション発表  音楽全般

恒例のグラミー賞(第63回)の全83部門に渡るノミネーションが11月24日、発表されました。対象となるのは2019年9月1日から2020年8月31日までの期間のレコーディング、楽曲、アーティストです。

全リストは公式サイトの以下のページで見ることができます。
https://www.grammy.com/grammys/news/2021-grammys-complete-nominees-list

ブルース銀座として気になるのは、当然まずはブルースの2部門ですね。

49. Best Traditional Blues Album
・ALL MY DUES ARE PAID-Frank Bey
・YOU MAKE ME FEEL-Don Bryant
・THAT'S WHAT I HEARD-Robert Cray Band
・CYPRESS GROVE-Jimmy "Duck" Holmes
・勝 RAWER THAN RAW-Bobby Rush

今年6月に74歳で他界したジョージア州出身のヴェテラン・シンガー、フランク・ベイは遺作がノミネートされました。ブルース・ミュージック・アワードには何度もノミネートされたことがある人ですが、グラミー賞のノミネートは初です。

ボビー・ラッシュは今春新型コロナ感染のニュースも飛び込んできましたが、変わらず元気なのは嬉しいですね。今回は弾き語りでじっくり聴かせるおもむきの作品ですが、今年87歳(自称ですが?)にもなるボビー。まだまだやる気が衰えることはないようです。2017年につぐ2度目の受賞成るか?

ドン・ブライアントはR&Bでなくブルース部門でのノミネートはちょっと意外ですが、彼も老いてますます盛んです。

50. Best Contemporary Blues Album
・勝 HAVE YOU LOST YOUR MIND YET?-Fantastic Negrito
・LIVE AT THE PARAMOUNT-Ruthie Foster Big Band
・THE JUICE-G. Love
・BLACKBIRDS-Bettye LaVette
・UP AND ROLLING-North Mississippi Allstars

コンテンポラリー部門はより多彩な人たちが入っていますね。ファンタスティック・ネグリートって僕は今一つよくわからないんですが、これもブルース…なんでしょうかね。

ベティ・ラヴェット、ルーシー・フォスターは変わらず存在感を示しています。

あと特に気になるのは下記3部門でしょうか。Regional Roots Music Album部門はネイティブアメリカン、ハワイアン、ザディコ/ケイジャンの3つを合体させて生まれた部門だけあって、毎年ノミネーションもバランスが難しいように思います。今年はケイジャンが2つ挙がっていますが、ザディコはなし。ニューオーリンズ・スタイル・ブラスバンドのニューオーリンズ・ナイトクローラーズがノミネートされているのも注目したいところです。

45. Best American Roots Performance
・COLORS-Black Pumas
・DEEP IN LOVE-Bonny Light Horseman
・SHORT AND SWEET-Brittany Howard
・I'LL BE GONE-Norah Jones & Mavis Staples
・勝 I REMEMBER EVERYTHING-John Prine

46. Best American Roots Song
・CABIN-Laura Rogers & Lydia Rogers, songwriters (The Secret Sisters)
・CEILING TO THE FLOOR-Sierra Hull & Kai Welch, songwriters (Sierra Hull)
・HOMETOWN-Sarah Jarosz, songwriter (Sarah Jarosz)
・勝 I REMEMBER EVERYTHING-Pat McLaughlin & John Prine, songwriters (John Prine)
・MAN WITHOUT A SOUL-Tom Overby & Lucinda Williams, songwriters (Lucinda Williams)

47. Best Americana Album
・OLD FLOWERS-Courtney Marie Andrews
・TERMS OF SURRENDER-Hiss Golden Messenger
・勝 WORLD ON THE GROUND-Sarah Jarosz
・EL DORADO-Marcus King
・GOOD SOULS BETTER ANGELS-Lucinda Williams

52. Best Regional Roots Music Album
・MY RELATIVES "NIKSO KOWAIKS"-Black Lodge Singers
・CAMERON DUPUY AND THE CAJUN TROUBADOURS-Cameron Dupuy And The Cajun Troubadours
・LOVELY SUNRISE-Nā Wai ʻEhā
・勝 ATMOSPHERE- New Orleans Nightcrawlers
・A TRIBUTE TO AL BERARD-Sweet Cecilia

受賞者が発表される授賞式は2021年3月14日、ロサンゼルスのステープルズ・センターにて行われます。

[3/15/2021追記]
3月14日の受賞結果を受けて、受賞者を赤字で記しました。ボビー・ラッシュは6度目のノミネーションで、2016年に続く2度目の受賞となりました。おめでとうございます!


[2/24/2021追記]
授賞式の日付を間違えて記載していましたので訂正しました。1月31日ではなく、3月14日、ステープルズ・センターにて行われます。
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2020/11/28

ザ・バンドの映画  ロック

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僕はザ・バンドが大好きです。

彼らに興味を持つきっかけとなったのは、多分1983年の初来日公演だったと思います。当時高校生だった僕は、まだ彼らのことをよく知りもしなかったのに、渋谷公会堂までライヴを見に行きました。

あのときのツアーはロビー・ロバートソン抜きの4人でした。なぜ中心人物たるロビーだけいないのか、当時の僕には不思議に思えてなりませんでした。彼と他のメンバー、特にリヴォン・ヘルムとの確執について知ったのは随分あとのことでした。

映画「ザ・バンド かつて僕らは兄弟だった(原題:Once Were Brothers: Robbie Robertson and the Band)」が劇場公開中です。これは原題からもわかる通り、100%ロビーの視点から見たザ・バンドの物語です。“Once Were Brothers”は2019年のロビーのアルバム「Sinematic」に収録された楽曲。かつて兄弟のように親密だったバンドメートと別れてしまった苦々しい思いを綴っており、映画の中でも流れます。

映像はラスト・ワルツやディランとのライヴ映像などそこそこ見ごたえはありますが珍しいものは殆どなく、映画はロビーと元妻ドミニックの証言が柱となっています。

ロビーは、一所懸命バンドを続けるための努力をしていたにも関わらず、他のメンバーは麻薬におぼれ、曲も書かなくなり、ロビーは全てを一人で抱えざるを得ない状況になっていったというのがロビーの主張です。

そして、バンド解散後に物事がうまくいかなくなったリヴォンは被害妄想に陥り、ロビーが悪者だと思いこむようになったというのです。

ロビーが嘘を付いているとは思いません。彼の言うことは彼の立場で言えば真実なのでしょう。僕はどちらかというと、ロビーよりはリヴォンに同情的でしたが、この映画を見ると、ロビーの言うこともそれなりに説得力があるように感じました。しかし、この映画はロビーの言い訳大会という面が強すぎるなと思わざるを得ません。

もうリヴォンはこの世にはいません。この映画を見たら、彼やリチャード・マニュエル、リック・ダンコは何と言うでしょうか。ちょっとずるいなと思ってしまったのは僕だけでしょうか。ロビーの言うことの方が正しいのであれば、なぜ残りのメンバーは誰もロビーの側に付かなかったのか、その点はあいまいなままです。

この映画には他にもエリック・クラプトンやロニー・ホーキンズらミュージシャンたちのコメントもたくさん出てきます。でも、彼らのコメントの使われ方が、ロビー側のストーリーを補足する形で使われているようで、その点も気になりました。

ザ・バンドが不幸にも分断され、和解することもないまま3人のメンバーが他界してしまったのは、誰の言葉を信じるかに関わらず事実です。そんな苦々しい歴史を生々しく綴ったこの映画。ファンならばとりあえずは見ておくべきだと思います。


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2019年/カナダ・アメリカ/英語/カラー・モノクロ/アメリカンビスタ/5.1ch/101分
原題:Once Were Brothers: Robbie Robertson and the Band
配給:彩プロ
日本公開:2020年10月23日より
監督: ダニエル・ロアー
製作総指揮:マーティン・スコセッシ、ロン・ハワード
出演:ザ・バンド<ロビー・ロバートソン、リック・ダンコ、リヴォン・ヘルム、ガース・ハドソン、リチャード・マニュエル>
マーティン・スコセッシ
ボブ・ディラン
ブルース・スプリングスティーン
エリック・クラプトン
ロニー・ホーキンス
ヴァン・モリソン
ピーター・ガブリエル
タジ・マハール
ジョージ・ハリソン
オフィシャルサイト:https://theband.ayapro.ne.jp/

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2020/11/2

追悼Rance Allen 1948-2020  R&B/ソウル

ゴスペル・シンガーのランス・アレンが10月31日、入院中のオハイオ州シルヴァニアの病院、ハードランド・アット・プロメディカにて亡くなったそうです。71歳。彼の妻エレンとマネージャーのトビー・ジャクソンが連名で明らかにしました。

死因は明らかにされていませんが、病気治療を受けて回復に向かう中でのできごとだったようです。

ランス・アレンは、1948年、ミシガン州モンローの生まれ。そのモンローで兄弟のトーマス、スティーヴ、エサウ(のちに脱退)とともに1970年代に結成したランス・アレン・グループを率いて活動したことで知られます。その後彼らは拠点をオハイオ州トレドに移し、1972年スタックス傘下のゴスペル・トゥルース・レーベルからアルバム「The Rance Allen Group」でレコード・デビュー。1980年代以降もティスコット・レーベルなどから作品をリリースし続けました。代表曲としては"Ain’t No Need of Crying” (1975年)、”Miracle Worker” (1991年)などがあります。


ランス・アレン・グループはランスのパワフルな歌声とソウルフルなサウンドで、ゴスペル界をリードするグループとなりました。ノリノリでファンキーなところは、ゴスペルという音楽の概念を塗り替えたのではないかと思います。

また、ランスはトレドの教会の牧師もつとめていました。2011年にはチャーチ・オブ・ゴッド・イン・クライスト(COGIC)の司教の座に就いています。

71歳とはまだ亡くなるには若すぎです。近年も作品をリリースし続けていただけに一層残念です。僕も本当に大好きなグループでした。一度生で見てみたかったです。

RIP。

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