2012/9/10

反韓感情って何?  個人ニュース

反韓感情が高まる今日この頃ですが、僕の経験では、韓国人は人情厚くて本当にいい人が多い。韓国に対し敵意を丸出しにする人は、人として何か忘れていないだろうか。そんな風に思います。今日は僕の経験談をひとつ。

1994年、僕は韓国の青磁器に魅せられ、その里を探して全羅南道の康津(カンジン)という南部の田舎町に行きました。飛行機と高速バスを乗り継いで到着したときは既に日は落ちていて、バスを降りると周囲は暗い。しかし、日本人の観光客が珍しかったのか、間もなく僕はバス乗り場のそばに事務所があった地元のタクシーの運ちゃん達に囲まれ、「お前宿はあるのか?食事は?」と聞かれまくりました。商売という感じではなく、「いきなりこの若造こんなところにふらっと来て大丈夫かよ」と言う感じ。

色々心配してくれ、旅館や食堂に案内して話を付けてくれた。おまけに、日本語ができるタクシーの運転手まで呼んでくれたのです。彼は戦時中に大阪に住んでいたというお爺さんでした。非番の夜にいきなり呼び出された格好でしたが、嫌な顔一つせず、僕の話しに耳を傾けると、「では、明日迎えに来るから、一緒に窯元に行きましょう」と言ってくれました。

翌日、窯元へ行ったあと、彼は漁港の魚市場にも案内してくれ、結局一日付き合ってくれました。夕方になり、彼ともそろそろお別れ。お代はいくらか尋ねると、そんなものいらないと言うのです。その代わり、後でいいから「韓国で変わった爺さんにあったなあ」とたまには思い出してくれと言うと、高速バスに乗る僕に飲み物まで渡してくれたのです。

あれから、もう20年近く経ちます。あの人が健在なら相当なお年です。いずれにせよ、僕は彼と康津の人々の温かさを一生忘れないと思います。

日韓には様々な問題が横たわっているのは事実。そのことで、国、人々をまるごと否定するかのようなコメントをよく耳にしますが、それがいかに愚かなことか言うまでもありません。

日韓、お互い相手のいいところを見ながら前に進んで行きたい。そう思いを一層強くしている今日この頃です。
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