2017/1/26

2016年の年間ベストアルバム   音楽全般

今年も正月が終わり、昨年2016年の年間通じてのベスト作品を挙げてみました。個人的にはさほど聴いた数は多くなかったのですが、そんな中でも10枚を超えるいい作品が色々とありました。特に意識した訳ではないのですが、ニューオーリンズ色が非常に濃いセレクションになりました。
形式としては、2016年にリリースとなった新録の新譜を10枚挙げたのに加え、再発、発掘音源ものと映像作品も挙げてみました。順不同です。


陶守正寛が選んだ2016年アルバムベスト10

〜新録編〜
Allen Toussaint / American Tunes (Nonesuch 554656-1) [LP]
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前年11月のトゥーサンの急逝には衝撃を受けましたが、その前に新譜のレコーディングを終えていたという事実は不幸中の幸いでした。インスト中心の落ち着いた感じのアルバムなので、最初耳にしたときはあまりピンとこなかったのですが、聴けば聴くほどその音の深みにはまっていきました。トゥーサンらしい温かみのある自然体な作品だと思います。LPにはCDには収録されていないボーナス・トラックが3曲含まれておりいずれもいいので、もちろんCDは出ていますが、あえて「LP」を選びました。

Various Artists / The Music Mojo Of Dr. John:
Celebrating Mac And His Music (Concord CRE0028)

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2014年にニューオーリンズで行われたDr.ジョンのトリビュート・コンサートを収録したライヴ盤です。個性豊かで豪華なラインアップの演奏はなかなか聴きごたえがあり、また映像作品としても完成度は高いです。Dr.ジョン本人も参加しており、その演奏は共演も含めれば5曲も聴けます。ブルース・スプリングスティーンとDr.ジョンの”Right Place, Wrong Time”での共演なんて、個性が対照的すぎて本当に面白かったです。こんなのは他では聴けません。なお、このCDはDVD/BlurayがついているエディションとCDのみのものがあるので、値は張りますがDVD/Bluray付きのものをお薦めしたいです。

The Bo-Keys / Heartaches By The Number (Omnivore Recordings OVCD-172)
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ハイ・リズムセクションのメンバーを含むメンフィスのミュージシャンからなるボーキーズの奏でるソウルは心に沁みる温かみ溢れる内容でした。ヴォーカルを務めるのはスペンサー・ウィギンズの弟、パーシー。彼もいい味を出していますが、タイトル曲でドン・ブライアントが歌っているのも嬉しいです。ハンク・ウィリアムズの"I'm So Lonesome I Could Cry”などカントリーの楽曲が少なからず含まれているのもこの作品の特徴です。カントリーミュージックの結びつきが強かった往年のサザンソウルの世界を思い起こさせます。

Bonnie Raitt / Dig In Deep (Redwing RWR032)
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この人は、春に雨の中ニューオーリンズでがっつり素晴らしいステージを見ましたが、その直前にリリースとなったこのアルバムも最高でした。ライヴでもやってくれたロスロボスの”Shakin’ Shakin’ Shakes”なんて彼女にピッタリな曲調で本当にかっこいいです。ファンキーでブルージーなサウンドにスライドが切り込む彼女らしいサウンド。衰えるどころか勢いは増している感があります。是非来日もしてほしいです。

Creole String Beans / Golden Crown (Stringbeans Music SM003)
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スワンプポップやR&B系のサウンドを得意とするニューオーリンズのバンド。これが3枚目です。ホーン・セクションがいかしたオリジナルのシャッフル”Golden Crown”をはじめとして、楽しい曲がいっぱい。トミー・リッジリー、リー・ドーシーなどのカバー曲も秀逸です。

Honey Island Swamp Band / Demolition Day (Ruf 1230)
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これもニューオーリンズのバンドですが、これが4作目。これまでの自主制作から今回はドイツのRufレーベルと契約。ギタリスト、クリス・ミューレのギターなど多分にブルース色が強いのですが、アコースティックの楽器を使ったカントリー色のサウンドやポップなセンスもひかっています。"Medicated"できかせるオーティス・レディングを彷彿させるソウル色も気持ちがいいのです。

New Orleans Suspects / Kaleidoscoped (NOS 1601)
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ダーティ・ダズンで活躍したギタリスト、ジェイク・エカート率いるバンド、4作目です。曲により、ザディコだったりマルディグラインディアンだったりと、ルイジアナ色を感じさせるところが非常によいです。ジェイクの書く曲は、メロディラインもキャッチーで耳に残るんですよね。リトル・フィートのポール・バレアがゲスト参加しています。

Stooges Brass Band /
Thursday Night House Party (Livin Swell Entertainment, no number)

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スタジオ録音のフルアルバムとしては実に13年ぶりとなるセカンド。正直言ってもうあまり活動していないのかと思っていたけど、いやいやどうして。マイナーキーを基調とした緊迫感のあるサウンドは、激アツです。自由奔放に爆発するような演奏は、スタジオ録音ながら、ライヴ盤のような空気が感じられました。

Tedeschi Trucks Band / Let Me Get By
(Fantasy FAN-37716-02)

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デレクとスーザンが一緒のバンドでやるようになってから、ライヴを見るたびに、新譜が出るたびに一回りスケールが大きくなっているような気がします。この新譜の完成度の高さは、まいった!というしかありません。このバンドも当初はオールマン・ブラザーズのフォロワー的な感じもありましたが、これを聴くと、オールマンを超えたのではと思えるほどです。大所帯ながら、それぞれのメンバーが持ち味を発揮して全員でサウンド作り上げている感じが伝わってきます。

Mike Garner / 40 Below Blues (BLUES101LTD 90394 82152)
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先日LIVE MAGIC!でも来日したニュージーランドのブルースマン、マイク・ガーナーの新譜です。基本的には弾き語りスタイルですが、一緒に来日したニール・ビリントンも3曲で参加。フィドルも数曲に入っています。
ミシシッピ・デルタっぽい曲調もありますが泥臭さ、重苦しさはなく牧歌的な雰囲気が出ているのは彼の持ち味と言えるでしょう。アコギの響きも美しい、味わい深い作品です。



番外編:〜再発、発掘音源〜
O.V. Wright / Treasured Moments:
The Complete Back Beat/ABC Singles (Playback PBR8501)
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ゴールドワックスでの1964年から75年にかけてのO.V.ライトのバックビート・レーベルのシングルが完全版の2枚組CDで。泣けてくるディープ・ソウルを堪能しました。

Professor Longhair / Live in Chicago (Orleans ORL 2915)
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この期に及んでプロフェッサー・ロングヘアの未発表音源が出てくるとは驚きでした。1976年のシカゴ・フォーク・フェスでのライブ。当時FM局のWFMTが放送用に録音したものですが、そのオリジナルテープをこのときのギタリストだったビリー・グレゴリーが持っていたことから、CD化となりました。30分しかない短いアルバムですが、内容としてはばっちり文句なしの内容です。



番外編:〜映像作品〜
Bayou Maharajah -
The Life And Music Of New Orleans Piano Legend James Booker
(Cadiz Music CADIZDVD146)

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すでにこのブログでも紹介していますが、この映画が出た意義はいくら言っても言い足りないくらいです。日本盤がないのが残念ではありますが、ぜひ見て欲しいです。DVDは、ハードカバー本形式で、24ページのカラーブックレットになっており、パッケージとしても相当気合が入っています。DVDには、本編の映画の他、インタビュー映像が1時間近く含まれており、本編では漏れたジョージ・ウィンストンの話も聞けます。

映画について詳しくは:
http://black.ap.teacup.com/sumori/1696.html
ブルース&ソウル・レコーズ誌最新号(133号)でも「語りたい逸品」コーナーではDVDを2ページに渡って紹介させてもらったので、そちらもよかったらみてくださいね。パッケージの写真見ることができますよ。
http://books.spaceshower.net/magazine/m-bsr/bsr-133
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